柴犬の目やにの原因とは?色や症状から見分ける異常と対処法

柴犬の目やにの原因とは?色や症状から見分ける異常と対処法

犬や猫のみならず、動物を迎え入れたことのある方なら一度は目やにの異常を経験したことがあるのではないでしょうか?中でも柴犬は思いのほか目の疾患に悩みやすい犬種です。そこで今回は、柴犬に出来る目やにの原因や対処法などをご紹介します。

柴犬の目やにが出る原因

すごく可愛い顔の柴犬

犬種にもよりますが、多くの犬の目やには普段黒いアイラインに覆われていて見えにくく、また、健康な幼犬や成犬だと、実際に目にするということもなかなかないのでは無いでしょうか。目やにはそもそも角膜に付着したホコリやゴミが目の外に排出される際にできる生理的な分泌物と言われています。

けれど、その一方で細菌やウイルス、感染症によって発生する目やには、免疫反応の一つとして分泌されるものであり、こちらは体内に取り込まれた異物が白血球によって体外に排出されたものです。

そのため、その中には細菌などと闘った白血球が含まれているといった違いがあり、また、見過ごせない病気や怪我がある場合も多いです。どの犬種でも平等に目やには発生するものですが、今回はその中でも柴犬の目やにについて、詳しく見ていきたいと思います。

  • 白内障
  • 緑内障
  • アトピー性皮膚炎

白内障

柴犬に目やにが出る原因の一つに白内障があります。白内障とは、本来透明であるはずの水晶体の一部または全体が徐々に濁っていくことで、視力低下を起こしてしまう病気です。

基本的に痛みはないものの、視界の見づらさから壁など行く先々に頭をぶつけたりするといった症状が見られます。また、白内障には先天性及び後天性があり、子犬の頃から発症している場合もあります。

白内障は重度に進行すると水晶体が破壊され、ぶどう膜炎を併発することがあり、そういった際には痛みが生じて犬は目を擦るようになってしまいます。その結果、目やにが多く発生してしまうので注意しましょう。

緑内障

柴犬に目やにが出る原因の二つ目として、緑内障が考えられます。柴犬の目は、奥まった位置に目があるために緑内障になりやすい犬種と言われています。緑内障の主な症状は、眼圧が高くなり、視神経に影響を及ぼすことで視野が狭くなる病気で、進行すると白内障同様失明する病気でもあります。

軽症では、特に目立った症状が表れることはありませんが、重症化すると眼球に痛みが生じ、特徴的な変化として散瞳(瞳孔が開いたままの状態)が起こり、目を気にすることで目やに発生の原因にもなってしまいます。

アトピー性皮膚炎

柴犬に目やにが出る原因の三つ目は、アトピー性皮膚炎が考えられます。遺伝的にアトピー性皮膚炎になりやすいと言われている柴犬。主に6ヶ月~3歳までの間に発症すると言われており、その原因となるアレルギー物質は様々です。

しかし、アトピー性皮膚炎の特徴的なかゆみは、主に耳や目の周りなどの顔面、足先や脇といった皮膚の薄い部分に多く、その影響で角膜炎や結膜炎を併発すると、目やにの発生に繋がってしまいます。

柴犬の目やにで注意すべき色や症状

まっすぐこちらを見つめる柴犬

それでは、柴犬の目やにの発生に伴い、どのような色や症状には気をつけておいた方がいいのか、順を追ってご紹介していきたいと思います。

目やにの色が黒や茶色、無色透明の場合

柴犬はもちろんのこと、ほかの犬種にも言えることですが、主に黒や茶色、無色透明の目やにが発生している場合は、生理的に分泌される目やにで、基本的に問題視されることのない目やにになります。症状においても特に目立ったものはなく、目のホコリやゴミ、寝起きの時に時々見つけるといった程度で見られることが多いでしょう。

目やにの色が白い場合

基本的には黒色や茶色の目やに同様あまり問題のない目やにと言われることが多いです。しかし中には、目やにの色が同じように白くても、粘着性のものである場合には、結膜炎や角膜炎といった症状によって傷ついている時に見られることもあるため、注意深く観察してあげることをおすすめします。

目やにの色が緑色の場合

目やにの色が緑色で粘着性や涙が発生している場合、ウイルス性や細菌性の可能性が高く、症状においても目のかゆみや腫れ、傷などの問題が生じている時に多く見受けられる目やにです。目の異常で多く見受けられるのが、黄緑や緑色といった目やにですので、もしも当てはまるようなら早急に動物病院で診てもらってください。

柴犬の目やにが出ている時の対処法

並んでいる柴犬

  • 目やにが乾燥している場合 → ふやかして取る
  • 粘着性のある目やにの場合 → タオルやティッシュの角で取る

ふやかして取る(目やにが乾燥している場合)

柴犬に目やにが出ている時の対処法の一つとして、ふやかして取る方法があります。といっても、このふやかして取る方法は、目やにがカピカピに乾いて乾燥してしまった場合の前段階方法になります。

日常的に取るのであれば、ガーゼやティッシュをぬるま湯などで濡らし、目元に優しく当ててふやかしてあげてください。十分ふやけたところで、ノミ取りコームなど目の細かいクシで毛を解いてあげると、綺麗に取り除けます。

注意点

目やにがふやけきらない状態で無理にコームなどを使うと、毛も一緒に取り除いてしまう危険性があるため、十分にふやけさせることを心掛けるようにしてあげてください。

タオルやティッシュの角で取る(粘着性のある目やにの場合)

柴犬に目やにが出ている時の対処法のもう一つは、粘着性がある目やにを取る時の方法です。こちらは、前者と違い粘着力が元々あるため、基本ふやかす必要はありません。しかし、普通にタオルやティッシュの面で拭き取るのではなく、タオルにおいてもティッシュにおいても角を使って拭き取りましょう。

粘着力のある目やには、その患部にタオルやティッシュをそっと当ててあげるだけで自然と目やにの水分を吸い上げてくれるので、犬の目から自分の手前の方に引くようにしてあげれば綺麗に取れます。

注意点としては、どんなに柔らかい素材のものでも、角を使用する以上目に誤って入らないように慎重に取ってあげることを心掛けてあげてください。

柴犬の目やにを予防する方法

こちらに笑顔を向ける柴犬

それでは、そもそも柴犬の目やにを予防するにはどう言った点に気をつけておけばいいのか、柴犬の特徴や性格も交えてご紹介します。

  • 日頃のスキンシップで目をチェックする
  • 日頃から痒がる場所を観察しておく
  • 皮膚を清潔に保つようにする
  • 目を痒がる仕草を見せる時はすぐに動物病院へ

日頃のスキンシップで目をチェックする

柴犬は勇敢で独立心に長けており、また従順性も兼ね備えた犬と言われていますが、その一方で警戒心が強い犬でもあります。そのため、普段からのスキンシップを行い、目やにのチェック・予防に努めましょう。

特に顔周りを問題なく触れるようにすることは大変重要で、幼犬の頃から慣らしておくと良いかもしれません。白内障や緑内障になりやすい柴犬にとっては、後々目薬が必要になる可能性も十分考えられます。

日頃から痒がる場所を観察しておく

アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎になりやすい柴犬にとって、かゆみは天敵です。日頃から痒がる場所を観察したり、痒がる頻度を確認しましょう。

皮膚を清潔に保つようにする

もし可能であるなら、月1回くらいのお風呂は入れて、皮膚の清潔を保ってあげてください。柴犬の多くは水を怖がる子が多いと言われており、足が濡れるだけで嫌がる子もいるほどですが、中には怖がらない子もいるので、その際は保湿効果のあるセラミド成分が入ったシャンプーで洗ってあげてください。

目を痒がる仕草を見せる時はすぐに動物病院へ

もしも目を頻繁に気にしたり痒がるようなら、早めに動物病院で診察してもらい、場合によってはアレルギー検査を実施してもらうといったことや、目薬を処方してもらうといった対処をしてあげてください。

まとめ

ゴロンと寝転がる柴犬

柴犬は、日本犬独特の可愛らしさを秘めている一方、日本犬唯一の小型犬でもあり、とてもデリケートな犬種でもあります。また、従順だけれど頭が良い柴犬は、飼い主さんに対してもハッキリ『NO』を示すことの出来る犬種です。

そのため、時として融通の利かない面を見せたりする子もいるとは思いますが、そんな柴犬だからこそ、日頃からのコミュニケーションを大切にすることは、前述の通りとても大事な事だと思っています。

日々のちょっとした変化を感じ取ってあげられるように、常日頃から気にかけてあげたいものですね。そして、もしも目で気になる点があったり、ここ最近目をしょぼしょぼさせる頻度が多くなったと感じられる場合には、迷わず動物病院へ行ってあげてください。

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