犬の毛並みでわかる体調の変化
犬の被毛は、食べているごはんやお手入れの仕方によって変わります。
人間は体調によって皮膚が荒れてしまったりニキビができてしまったり、乾燥で肌がカサカサになってしまうことがあるかと思いますが、犬も人と同じです。体調やストレスなどが原因になって、毛並みの状態や質感が変化することがあります。
犬の皮膚も表皮、真皮、皮下組織の3層で構成されており、古い皮膚から新しい皮膚に生まれ変わるターンオーバーを3週間ごとに繰り返しています。
犬の表皮は人よりも薄く、乾燥や皮膚の疾患などによって、ターンオーバーの周期が乱れてしまうと、フケが出るなどのトラブルになる可能性があります。
外側の皮膚は乾燥を防いだり、細菌感染を起こさないようにするバリア機能があるので、皮膚を健康な状態に保つことは、被毛の艶や質をより良くすることにつながります。
犬の毛並みが悪くなる原因
- 食事の栄養バランスが偏っている
- ブラッシングやシャンプーの回数が不足している
- ストレスが溜まっている
- 高齢によるもの
食事の栄養バランスが偏っている
ドッグフードはいくつかの種類があるので、種類を変えると被毛の状態が変わることもあります。
犬の被毛をよい状態にするために必要な栄養素のひとつは「たんぱく質」です。
今では雑食系といわれ、あまり偏りがなく何でも食べている犬ですが、昔は肉食動物として肉を食べていたので、植物性よりも動物性たんぱく質の方が消化吸収しやすいです。
鶏肉のささ身はたんぱく質が豊富なので、ドッグフードに混ぜたり、ジャーキーなどのおやつにして与えてみるのもよいかもしれません。
ブラッシングやシャンプーの回数が不足している
ブラッシングは1日1回、シャンプーは月に1~2回を行うことが望ましいです。
ブラッシングは被毛の汚れや抜け毛を取り除くことができ、血行もよくなるため積極的に行っていきましょう。
お手入れが目的でも、犬をお風呂に毎日入れる必要はありません。毎日あまりにもきれいに洗い流してしまうと、皮膚のバリア機能が低下して、被毛の状態が悪くなってしまうこともあるため要注意です。
ストレスが溜まっている
ストレスが原因で自律神経が乱れると、被毛の状態も悪くなってしまいます。
犬のストレスの原因はさまざまで、運動不足、留守番などの寂しさ、引っ越しや旅行などの環境の変化、動物病院やトリミングなどの不安や恐怖によるものなどがあります。
ストレスの原因が改善できるものであれば対処することが望ましいですが、動物病院やトリミングなど回避が難しいときは、終わったあとにゆっくり休ませるなどして、疲れが残らないようにしてあげてください。
犬は飼い主さんが大好きで甘えん坊なところがあるので、家を留守にしたときやコミュニケーションが不足しているときは、時間があるときに抱っこをしたり一緒に遊んで、寂しさを軽減できるようにしてあげてください。
高齢によるもの
高齢になると被毛がパサついたり、被毛が抜けて、毛並みが悪くなってしまうことがあります。
また、被毛に白髪ができて、黒かった被毛が白くなってしまうこともあるかもしれません。
年齢を重ねると乾燥したり代謝が悪くなることで、被毛の質が若いときよりも落ちてしまうことがありますが、ほかの症状がない場合はあまり心配する必要はありません。
犬の毛並みをきれいにする方法
- 食事の改善
- こまめなケア
食事の改善で犬の毛並みを良くする
食事の偏りが原因で被毛の状態が悪くなっている場合は、ドッグフードなど食べているものを見直してみましょう。
動物性たんぱく質は皮膚や毛の原料になってくれます。与えているフードを確認してみて、動物性タンパク質が少ない場合は変えてあげてもよいと思います。
また被毛を美しく保つためには「リノール酸」や「オメガ3脂肪酸」などの必須脂肪酸が関係しています。 本来であれば食べ物から摂取することが望ましいですが、難しい場合は、サプリメントを利用するのも有効です。
必須脂肪酸を食事で補おうとするとカロリー過多になる恐れもあります。しかしサプリメントであれば心配なく栄養素をピンポイントで毛並みを改善できるのでおすすめです。
ケアで改善!お手入れの仕方
ブラッシングは1日1回、シャンプーはターンオーバーに合わせて、月に1~2回行っていきましょう。
スリッカーブラシやコームは、ペットショップやホームセンターなどでも購入できるので、使用しやすいものを探してみてください。
ボストン・テリア、パグ、ビーグル、フレンチ・ブルドッグ、イタリアン・グレーハウンドなどの短毛種は、硬く絞ったタオルで体を拭いたり、ゴムでできている柔らかいラバーブラシを使用することで効果的にブラッシングをすることができます。
公園やドッグランで遊んで砂が体についているときには、被毛がゴワゴワすることがあるので、帰ってきたときにブラッシングや体を拭いて砂をしっかり落としてあげてください。
ブラッシングは、抜け毛の対策、血行の促進、毛玉の除去、ノミやダニの発見、皮膚の異変を早期に気づくことができるなどメリットも多く、飼い主さんと愛犬のコミュニケーションのひとつでもあるので、できる限り毎日行っていきましょう。
まとめ
被毛がパサパサとして艶がないなど、毛並みが悪いと感じるときには、まずはブラッシングなどのお手入れを見直してみてください。
お手入れや食事の改善をしても被毛の状態が悪く、ベタベタまたはパサパサしているとき、痒がったり抜け毛が目立つ、フケが出るなどの気になることがある場合は、アレルギーや甲状腺の疾患、脂漏性皮膚炎などの病気が原因の可能性もあるので、動物病院を受診してください。