トイプードルの丸刈りのメリット
- 毛玉を予防できる
- お手入れが楽
- 清潔に保てる
- スッキリと健康的な見た目になる
毛玉を予防できる
トイプードルは、クルクルとした巻毛が特徴です。
巻が強いと、ふわふわもこもこの可愛らしい見た目になりますがその反面、毛が絡みやすく、毛玉ができやすいです。一度毛玉になってしまうと、その部分はカットするしかありません。
また、トイプードルは毛が伸び続ける犬種のため、毛玉を放置すると、伸びてきた毛がまた絡まり、どんどん大きくなってしまいます。
毛玉は汚れや皮脂なども巻き込み、不衛生になります。そこから、皮膚トラブルを起こしたり、皮膚が引っ張られるなど、犬自身にも大きな負担となってくるため、毛玉ができてしまったら、早めに対処する必要があります。
お手入れが楽
毛玉にならない為にも、日々のブラッシングは欠かせません。
ですが、仕事や家事などで忙しい飼い主さんの場合、こまめにブラッシングすることが難しいこともあるでしょう。そこで、トイプードルを丸刈りにカットすることで、お手入れの時短が可能になります。毎日のブラッシングの手間が省けると、とても楽ですよね。
また、シャンプー後や、プールや海などで水遊びをした後に、ドライヤーで毛を乾かす時間を短縮することができるのも、丸刈りにするメリットです。
清潔に保てる
クルクルとカールした毛は、お散歩などで砂や埃を巻き込んで汚れやすいです。埃や汚れを放置すれば、毛玉になったり、皮膚炎などの皮膚トラブルの原因にもなります。
そんな時も毛を丸刈りにすることで、被毛を清潔に保ち、皮膚トラブルを防ぐことができます。
また、毛を短くすれば、皮膚の変化に気付きやすくなり、アレルギーなど、皮膚トラブルが起こった時にも、すぐに発見しやすくなります。
スッキリと健康的な見た目になる
トイプードルは、カットによって様々な見た目の変化を楽しむことができるのも魅力の一つです。
特にふわふわもこもこからの丸刈りは、見た目のインパクトもあります。また、暑い時にふわふわもこもこの毛があるよりも、丸刈りにしてスッキリとした見た目の方が涼しげなため、夏場にトイプードルを丸刈りにする方も多くいます。
トイプードルの丸刈りのデメリットと注意点
- バリカン負けからの皮膚トラブル
- 日焼け
- 体温調節ができない
- 毛質が変わる
- 虫に刺されやすい
ここまで、トイプードルを丸刈りにするメリットについてお伝えしてきましたが、丸刈りにすることは良いことばかりではありません。実際に愛犬を丸刈りにする前に、デメリットもしっかり把握しておきましょう。
バリカン負けからの皮膚トラブル
犬のバリカン負けは、人間でいうカミソリ負けのようなものです。
バリカンで丸刈りにする際に、皮膚にバリカンを強く当てすぎてバリカン負けをしてしまうことがあります。トリマーさんの経験が浅かったり、飼い主さん自身でバリカンを使う際には特に注意が必要です。
また、その子がバリカンを使ってのカットが初めてだったり、アレルギーやアトピーなどで元々皮膚が弱かったりなど、犬の状態によっても、バリカン負けをしやすくなります。
バリカン負けをすると、皮膚が赤くなり、痒みが出たり、酷いと血が滲むこともあります。特にお腹周りや首から顎にかけた首周りは皮膚が薄いため、バリカン負けしやすい部分です。放っておくと、痒みから掻きむしって出血したり、炎症が広がり化膿してしまうこともあります。
バリカン負けを発見した場合は、人間用のイソジンやマキロンを5倍に薄めて消毒したり、ワセリンで保湿するなどで、応急処置をすることができます。しかし、これはあくまで応急処置ですので、気になる症状を発見した際は必ず動物病院に行くようにしてください。
そして、トイプードルを初めて丸刈りにする際は、事前にトリマーさんに相談して、短くし過ぎない等の工夫をしましょう。
日焼け
意外かもしれませんが、犬も日焼けをします。普段は全身を覆う被毛が紫外線から皮膚を守っていますが、丸刈りにすると地肌に直接紫外線があたり、日焼けをしやすくなります。
特に丸刈りは夏場にすることが多く、夏の強い紫外線に直接晒され続けると、人間と同じように皮膚が赤く炎症を起こし、痛みや痒み、フケが出たり、繰り返すとシミができることもあります。
元々皮膚が弱かったり、症状が酷いと色素沈着や潰瘍を起こし、稀に皮膚癌を発症する可能性もあります。丸刈りにしたら、UVカットの服を着せたり、紫外線の強い日中の外出は控えるなど、これまで以上に気を付ける必要があります。
体温調節ができない
夏の熱中症対策として丸刈りにする飼い主さんも多いですが、犬の被毛は寒い時は保湿と保温、暑い時には直射日光を防ぎ、熱を遮断するという、体温調節の役割もあります。それを丸刈りにするということは、その機能が失われるということになります。
トイプードルのもこもことした見た目は、一見暑そうに見えますが、その被毛が熱を遮り、犬自身は飼い主さんが思うほど暑くなっていないこともあります。
また、丸刈りにすることで、エアコンの冷気などが直接当たってしまい、かえって冷えすぎてしまう場合もあります。特に冷気は下に落ちる為、人よりも低い位置で過ごす犬は、飼い主さんが思ってる以上に冷えてることもあります。
犬が丸刈りにして震えることがあれば、服を着せたり、毛布かけたり、対応してあげましょう。時には、丸刈りをやめる選択も必要です。
毛質が変わる
ポメラニアンやシェットランドシープドッグなど、アンダーコードが豊富で、ある一定の長さまでしか伸びない犬種は、丸刈りにすると毛周期が変わり毛質が変わったり、伸びなくなる犬もいます。
それに比べて、トイプードルはシングルコートで毛が伸び続け、絶対にカットが必要な犬種であるため、1度や2度丸刈りにしても毛質が変わることはあまりありません。
ですが、短く丸刈りをした後は、癖がついたり、繰り返してると、カールが弱くなったり、毛が退色(色が変わる)するといったことが起きることもあります。
虫に刺されやすい
犬は全身を被毛で覆われてるため、蚊に刺されるときは、大抵毛が短くて少ない鼻の近くや耳などが狙われやすいのですが、丸刈にすると、全身が虫に刺されやすくなります。蚊からすればラッキーです。蚊はフィラリア症という、命を脅かす危険な病気を媒介します。
また、犬も蚊に刺されれば痒みがでます。後ろ足で体を掻く時、毛が無い分地肌を直接引っ掻いてしまい、掻きむしって出血したり、炎症が起こってしまうこともあります。
そのため、今まで以上に虫対策が必要です。
サマーカットにしても熱中症対策は必要
サマーカットとは、本来、お腹や脇の下、後ろ足の付け根などを中心に、普段より少し短めにカットし、毛をすいて被毛の密度を低くして、通気性を良くすることで、熱がこもるのを防ぐというものです。
地肌が見えてしまうほどの丸刈りには、デメリットも多くあり、専門家の間でも賛否が分かれているところです。
そして、室温管理などの基本的な熱中症対策を怠れば、たとえ丸刈りにしていても、熱中症にはなってしまいます。丸刈りにしたから熱中症対策は大丈夫、と過信しないようにしましょう。
丸刈りは注意点を理解した上で行う
犬は被毛で体全体を覆われている分、皮膚がとてもデリケートです。
皮膚の一番外側にある表皮は、人間と比べると犬は1/3〜1/5程度の厚さしかないと言われます。人間の赤ちゃんの表皮が大人の半分ほどの厚さと言われるので、犬の皮膚は赤ちゃんよりもデリケートなのです。その為、外部からの乾燥や刺激にとても弱いです。
丸刈りにするという事は、そんなデリケートな皮膚を守っている被毛、バリアをはぎ取ってしまうということに繋がります。
それを理解した上で、トイプードルを丸刈りにする際はどの程度の短さにするか、トリマーさんや獣医さんに相談してから行いましょう。
また、丸刈りの長さの定義はトリマーさんによっても違います。初めてでどの程度の長さが良いか分からない場合は、8ミリくらいの少し長めからお願いすると良いでしょう。
まとめ
トイプードルの丸刈りは、お手入れの楽さや見た目の可愛さなどメリットもたくさんありますが、デメリットも色々あります。それをしっかりと理解してから、行なってあげてくださいね。