犬の性格の見分け方
明るく外交的な性格を見分ける
初対面のときに、飛びついてくるような行動をとる子犬なら、明るく外交的な性格が多いです。前足を突き出して姿勢を低くするポーズを取り、軽く吠えるようなら、常に構ってほしいタイプかもしれません。
活発な性格なので遊び相手や、アウトドアに連れていくのに向いています。また、人見知りしないタイプが多いので、来客が多い方や公園や広場などアクティブに犬と行動したい方にもおすすめ。
ただし、人見知りせずに愛想を振りまくので番犬には向きません。また、上手にしつけをしないと構ってほしいなど、わがままになりやすいタイプでもあります。
監修ドッグトレーナーによる補足
物怖じしない元気な犬は、噛み癖や無駄吠え、引張り癖など問題行動を起こしやすいこともあり、トレーニングに時間がかかる場合があります。
ただし、焦らずにトレーニングを繰り返すことで、しっかりと覚えてくれるようになります。飼い主さんがイライラしたり諦めるのはNG。できなくて当たり前です。次に上手にできたらしっかりと褒めてあげましょう。
愛情深い性格を見分ける
他の子犬と遊んでいるときに、横からじゃれてきたり足元にくっついてくる犬は、積極的で愛情深いタイプ。人と接することが大好きで、飼い主さんのことを深く愛してくれるでしょう。また、飼い主さんを守ろうとする意識が強いことから番犬にも向いています。
ただし、自己主張が強いタイプのため、しつけを間違えると主従関係が逆転してしまう可能性も。このタイプは独占欲も強いことから、多頭飼育にはあまり向いていません。
賢くて慎重な性格を見分ける
みんなで一緒に遊んでいる時に、輪に入ろうとせず一匹だけで隅の方にいたり、遊んでいる子犬たちを遠くから眺めていることが多いなら慎重で大人しいタイプです。犬を初めてお迎えする方などに向いているかもしれません。
飼い主さんの言うことをよく聞き、理解してくれる素直さを持ち合わせています。ただし、臆病さから知らない人に吠えてしまったり、大きな音に怯えてパニックを起こしてしまう可能性も。子犬のうちに社会化トレーニングをしっかりと行うことが大切です。
また、多頭飼育の場合は先住犬に慣れるまでに時間がかかるかもしれませんが、相性がどうしても合わない場合以外は、少しずつ慣れていくので焦らず接することで多頭飼育も大丈夫なタイプです。
監修ドッグトレーナーによる補足
このタイプは人間の様子を観察して行動する賢いタイプが多く、飼い主さんの言うこともよく理解してくれるでしょう。
ただし、あまりにも臆病な性格の場合は、初めて犬を飼う方にはあまり向いていないかもしれません。
生まれ持った犬の性格とその後の性格
人間と同じように、犬も生まれ持った先天的性格と、育っていく環境でできる後天的性格があります。
子犬の頃は、先天的性格が大半を占めています。後天的性格は、育っていく環境や関わる人間や他の犬との接触など、さまざまなことが影響して性格が形成されます。
例えば、先天的に臆病な性格でも、多くの人や犬、さまざまな音やなどに触れたり経験することで、臆することも少なくなり、活発で人懐っこい性格に変わることも考えられるのです。また、自己主張が強い性格も、飼い主さんの愛情としつけなどで穏やかな性格に変わることもよくあることです。
子犬からお迎えする時には、先天的な性格が一つの判断材料にはなりますが、後天的な性格を作るのは人間だと言うことも忘れないようにしましょう。とはいえ、「こういう性格になってほしい」と人間の思い通りになるわけでもありません。
後天的性格は、育つ環境などが影響して形成されていくものです。無理強いしたり、思い通りにしようと間違ったしつけをしても、理想の犬になりません。犬はとても賢く、自分の意思も持っています。
環境が変わったり、しつけをしても、子犬のときの性格が強く残る場合もあります。犬の性格をしっかりと理解し、その子に合ったしつけ方法を行えるかは飼い主さん次第です。
監修ドッグトレーナーによる補足
何よりも子犬の気持ちを尊重することを忘れないでくださいね。
子犬の性格としつけ
犬のしつけは、お迎えしたその日からスタートします。とはいえ、全てを一度に始めることは難しく、簡単に覚えてくれるわけでもありません。まずはトイレトレーニングから、少しずつ慣れてもらうことが大切です。
しつけは早く始めるにこしたことはありませんが、できないからと焦るのは禁物!ゆっくりと時間をかけ、上手にできたらたくさん褒めて犬とコミュニーケーションを取りながら行うことです。
犬の性格をみながらしつけの方法を考え、試していくことは大切なことです。大きな声でびっくりしてしまい動けなくなるような臆病な犬には、大きな声で叱るよりも無視をしたほうがしつけが上手くいくようなこともあります。
愛犬の行動をよく観察し、その子のペースに合わせてしつけを行いましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
しつけは一進一退、昨日できても今日はできないことはよくあります。飼い主さんが焦ってしまうと、悪い結果を招いてしまうことも。
子犬へのしつけは、子犬が楽しいと思えるよう無理なくゆっくりと進めましょう。子犬に限らず、しつけは簡単ではありませんが、飼い主さんの根気と諦めないことが大切です。
まとめ
しつけや遊びなどのコミュニーケーションを取る上で子犬の性格はとても重要です。その犬の性格に合わないコミュニーケーション方法では犬のストレスがたまり、犬にとっても飼い主さんにとっても良い結果を生むことはありません。
初めて子犬と会ったときの、子犬の反応で生まれ持った大体の性格の区別はつきます。しかし子犬の性格はずっと同じというわけではなく、育つ環境によっていくらでも変わっていきます。どういう性格になるかは飼い主さん次第、というところもありますね。
それぞれの犬の性格を把握してしつけやコミュニーケーションにいかしていきましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
性格に「良い」も「悪い」もありません。持って生まれた性格は、その子の一つの特徴です。
大事なのは「飼い方」です。犬の習性に配慮した環境作りや性格に合った接し方に心がけることで少しずつ問題も解決していくでしょう。
愛犬との信頼関係をしっかりと築きましょう。