犬が飼い主以外に懐いてくれない理由
飼い主にはとてもよく懐いており、家の中では甘えてくるという可愛い愛犬も、家に知らない人がやって来たり、散歩中に他の人と会うとまったく懐かず、警戒するような態度を見せるということはありませんか?なぜそのようになってしまうのか、そこには理由がありました。
1.警戒心の強い性格
まずはその犬が他の犬に比べて非常に警戒心が強い性格であるという理由が考えられます。ちょっとしたことで怯えてしまったり、あるいは物音に非常に敏感に反応するということはありませんか?
元々犬は防衛本能が強い動物です。集団で行動していた歴史を持つため、自分はもちろん、仲間を守ろうという意識が強い傾向にあります。
その中でも一際警戒心が強い性格をしていると、やはりリーダーとして認識している飼い主には懐きますが、知らない人や仲間として認めていない相手に対しては警戒心を剥き出しにしたり、見向きもしないという態度を出すのです。
2.飼い主を守ろうとしている
先ほど元々集団行動をしており、自分や仲間を守るために警戒心が強い動物に育ったという話がありましたが、群れで行動する際、リーダーは皆から見て非常に重要な存在です。敵から襲われそうになったとき、リーダーを守ろうとする意思が働きます。
今の生活の中では、そのリーダーが飼い主に当たるため、犬は飼い主に何か危害が及ぶようなら自分が守ろうという使命感を強く持っていることがあります。
犬種の影響も少なからず影響しますが、忠誠心が強く、勇敢な性格を持つ犬はこの傾向が非常に強く出るため、知らない人が飼い主に近付いてくるのを見て「飼い主さんは守らないと」と警戒する姿勢をとっているのです。結果的に「他人に懐かない」という印象を受けるのでしょう。
3.他の犬や人と触れ合う機会が少なかった
幼少期に他の犬や人と触れ合う機会が極端に少なかった場合、どうしても他の人と接することに慣れていないため、シャイな性格に育ってしまう傾向があります。
ブリーダーさんやペットショップによっては、社会性を高めるために他の犬と接する機会を設けるなど、なるべく他の犬や人と触れ合う機会を持たせる工夫をしているところも多いですが、そのようにしていない所もまた多いです。
するとやはり家に迎えた後、飼い主以外には懐こうとせず、自分から積極的に他の犬や人と触れ合おうという姿勢すら見せない子になってしまうのです。
他の人にも社交的に!対処法は?
警戒心が強い、飼い主を守ろうという使命感を持っている、社交性が低いといった特徴を持つ犬は飼い主以外の人に懐きにくいですが、やはり人間の共存するためには他の人にもなれる習慣を付けておくことは大切です。どのような対処法があるのでしょうか。
危険な存在でないことを犬に理解させる
まず犬に対して相手が危険な存在でないことを理解させる必要があります。最も手っ取り早い方法が、犬が信頼している飼い主がその相手と仲良く話している様子を見てもらうことです。
自分の大切な飼い主が他の人と仲良さそうにしているところを見ることで、「この人は飼い主さんに危害を加える人じゃない」「怖い人じゃないのかも」といった認識になります。
すぐに懐くということは難しいかもしれませんが、何度も家に来訪するような友人であれば、毎回上記のように接することで、徐々に愛犬も歩み寄ってくれるでしょう。
他の犬や人と触れ合う機会を設ける
今まで警戒心が強く、他の犬や人に自分から積極的に近付こうとしなかったという子の場合、「うちの子は怖がっちゃうから」「他の犬に吠えちゃうから」という理由から、飼い主さん自身も無意識に他の犬との関わりを減らしてしまっている傾向があります。
しかし、他の犬や人と触れ合う機会を減らしてしまうと、より接し方を覚えなくなってしまい悪循環です。無駄吠えや攻撃性をなくすためにしっかりとしつけをし、なるべく多くの犬や他の飼い主さんと触れ合うことで、自然と社交性が身に付きます。
中にはしつけ教室で他の犬や飼い主さんと触れ合うことができるイベントも各地で開催されていますので、積極的に参加してみるというのも良いでしょう。
犬の習性や心理を伝えておく
犬を飼っている人であれば、ある程度犬の習性や心理を理解しているため、犬が嫌がることはしないでしょう。しかし、犬を飼っていない人は、当然ながら犬の習性や心理に関する知識を持っていないことがほとんどです。
これから愛犬と会う機会が多いであろう友人や親戚などには、予め犬の習性や心理について、簡単にで良いので教えておくと、犬が嫌がる行動をしてして嫌われてしまったという状況を未然に防ぐことができます。
「いきなり頭を撫でない」や「まず匂いを嗅がせて安心させる」「目をジッと見つめない」といった基本的なことでいいので、伝えておくことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬が他の人に懐かない理由には、幼少期の経験不足や犬ならではの性格・習性が関係していました。これらを理解した上で、その犬に合った対処法を実践し、少しずつ他の人にも慣れていけるように努力しましょう。