犬は褒められるのと撫でられるの、どっちが好きなの?【研究結果】

犬は褒められるのと撫でられるの、どっちが好きなの?【研究結果】

犬は「いい子だねえ」と言われるのと、黙って撫でられるのはどちらが好きか?飼い主にとっては気になる問題ですね。そんな犬の気持ちをリサーチする研究が発表されました。

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言葉で褒められること、体を撫でられること、犬が好むのは?

撫でられている白い犬

私たちは犬が何が望ましい行動をした時に「いい子だね」「かしこいね」と犬に向かって褒める行動をしますね。そして多くの人はそれが犬にとっても喜ばしいことだと考えています。

しかし、当たり前のことですが犬は言葉がわかりません。言葉で褒められることは犬にとって本当に嬉しいことなのでしょうか?体を撫でられることとどちらが嬉しいのでしょうか?

そんな疑問を解き明かす研究がアメリカのキャロル大学とアリゾナ州立大学の研究チームによって発表されました。

犬と報酬について、すでに分かっていること

笑ってこちらを見ているシェルティ

犬の望ましい行動に対しての報酬として、私たちが一番最初に頭に浮かぶのはご褒美のトリーツですね。これに関しては過去の研究から、犬は言葉で褒められたり撫でられたりするよりもトリーツをもらう方が好きということが明らかになっているそうです(当たり前と言えば当たり前ですね)。このことは、様々なトレーニングにおいてトリーツがとても有効なツールとして使われる理由でもあります。

今回の研究では、食べ物が絡まない時に犬は言葉で褒められることと、体を撫でられることのどちらが好きかが調査されました。

実験の概要

振り向いているマルチーズ

実験には114匹の犬が参加しました。犬種はミックスから純血種まで多岐にわたります。またシェルターにいる保護犬と家庭で飼われている犬の両方が含まれ、両者の反応の違いも調査のポイントのひとつでした。実験の様子は録画され、犬と人間との接触の時間や回数、犬のボディランゲージなどの分析の結果から結論を出しています。

第1の実験

最初の実験では、1匹の犬に2人の人間が付き、一人は撫でようとし、もう一人は言葉で褒めるという行動を示しました。5分後、人間が撫でると褒めると役割を入れ替えて繰り返します。その時の犬の様子からどちらの人間の行動が好まれたかを観察します。

犬たちは撫でる人の方を好む傾向がはっきりと見て取れたそうです。そして驚くことに、言葉で褒める役割の人が飼い主であった場合でさえ、多くの犬は知らない人から撫でられる方を好んだのだそうです!また、シェルターの保護犬は撫でられることに対して家庭犬よりも強く興味を示したとのことでした。

第2の実験

次の実験では、1人の人間が「撫でる」と「言葉で褒める」の行動を示しました。さらに同じ状態で、撫でも褒めもしないで何もしないという行動も追加されました。

この場合もやはり犬は撫でられることにたいして好む様子を示しました。また言葉で褒められることと、人間が何も行動を起こさない場合の間には違いが見られなかったそうです。

犬はやっぱり撫でられるのが好き!

撫でられて気持ちよさそうな犬

実験の分析の結果、研究者は犬にとって撫でられることは重要な意味があると結論づけました。撫でられることは犬にとって社会的な行動で、人間との間の愛情や絆を築くのに役立っているということです。特にシェルターの保護犬にとっては、撫でられることはストレスの軽減に大きな役割を果たします。ただし、この実験に参加した犬たちはみな社会化された犬でした。人間を怖がったり社会化ができていない犬ではまた違った結果が出るだろうとも言われています。撫でられる場所も犬によって好みがあり、多くの犬に人気があったのは「胸の脇」と「あごの下」でした。

言葉で褒めることには意味がない!?

上を見上げているジャックラッセルテリア

一方で犬にとって言葉で褒められることはほとんど意味がないという結論も出されました。犬が「いい子ね」と言われて喜んでいる様子を見せるのは、「いい子ね」の後にトリーツがもらえると経験から学習している場合です。褒められる=トリーツの予告という条件付けがされていれば、犬にとって褒め言葉は嬉しいものになります。

ただ今回の研究では「言葉で褒めること」には意味がないという結論が出ましたが、別のブラジル大学とリンカーン大学の共同研究では、犬は人間の顔が怒っているか笑顔なのかには意味を見出すことがわかっています。怒った顔で褒める言葉を発した場合には犬は不安を感じる仕草を見せ、笑顔で叱る言葉を発した場合には平静であったというものです。つまりトリーツ以外で犬を褒める時には、笑顔で犬が好きな場所を撫でてやるのがベストということですね。

まとめ

舌を出しているポメラニアン

新しい研究で、犬にとって人間から言葉で褒められることには意味がないという、ちょっと寂しい結果が発表されました。けれど、犬は人間から撫でられることが好きで心理的にも社会的に大きな意味があるという嬉しい結果もわかりました。

犬を撫でることは、犬と人の関係において大きな役割を果たしていると聞くと、愛犬を撫でる手にいっそうの愛情がこもる気もちになりますね。

《参考》
https://www.companionanimalpsychology.com/2015/01/do-dogs-prefer-petting-or-praise.html

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    50代以上 男性 匿名

    ウチの子、ボーダーコリー2歳と散歩する時はイロイロ話しをしながらしますが、突然道路に座り込んでこっちをじっと見つめてくる時があります。
    そんな時体中をわしわしたなぜてやると散歩の続きか再開されます。
    匿名の投稿画像
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