どうして取っ組み合うの?わんこのキモチ
飼い主さんの目からするとハラハラしてしまうわんこ同士の取っ組み合いですが、わんこにとっては珍しいものではなく、多くの場合はコミュニケーションの1つでいわゆる「お遊び」です。あまり神経質になって止めに入る必要はありません。
子犬の取っ組み合いは社会化の一環
特に子犬の場合には、取っ組み合いは単なるお遊びである以上に、社会化の一環になっています。お互いに身体をぶつけ合うことで、「どこまでは相手に許されるのか」「噛んでいいのはどの強さまでなのか」を学んでいます。子犬の成長過程ではむしろ必要な行動なので、むやみに止めることは逆効果ともいえます。
多頭飼いや友達同士の取っ組み合いは順序付け
友達わんこ同士や、特に多頭飼いのわんこが行う取っ組み合いには、どちらが優位なのかを明らかにするための順序付けの意味もあります。今後、円滑なお付き合いをしていくために、一度順序を明らかにしておく必要がある場合もあるのです。こういった場合には、激しい取っ組み合いは初回だけで済むことがほとんどですから、見守ってあげましょう。
見守りでOK!わんこ同士で遊んでいるとき
前述したように、わんこ同士が取っ組み合いを始めたとしても、多くの場合はただのコミュニケーションなので心配する必要はありません。特に、以下のような特徴が見られた場合には、お遊びのサインなので、ハラハラせずに見守ってあげましょう。
しっぽが上がっている
しっぽは、わんこの感情が最も良く表れる部位の1つです。しっぽがピンと上がっていたり、フリフリと動いている場合には、遊びを楽しんでいる合図です。
プレイバウをしている
プレイバウというのは、わんこが上体を地面に着けてお尻をツンと突き上げている、いわゆる「遊んでポーズ」のことです。わんこが相手にこの姿勢をとっている場合には、遊びに誘っている合図ですから、心配はいりません。
高い声で吠えている
取っ組み合いの最中、わんこが声を出すことがあると思いますが、この声が高い声の場合には喜んでいたり楽しんでいたりする証拠です。
前脚をよく動かしている
取っ組み合いの中で、お互いに前脚をバタバタとするボクシングのような行動は、わんこ同士の遊びの中でよく見られる仕草です。
こんなときは要注意!わんこが本気でケンカをしているとき
一方で、コミュニケーションやお遊びの域に留まらない、本気のケンカの取っ組み合いも存在します。この場合は、放っておくとお互いに怪我をしたり、下手をすれば命を奪ってしまいかねないので、早急に止めに入ることが必要です。わんこ同士の取っ組み合いで以下のような行動が見られたら、すぐに仲裁に入りましょう。
しっぽが下がっている
しっぽが下がっていたり、後ろ脚の間に挟まっていたりする場合には、わんこが恐怖や不安を感じている表れです。取っ組み合いが本気になっているか、相手は遊んでいるつもりでも本気で怖くなってしまっている表れですので、止めに入ってあげましょう。
低いうなり声を出している
遊びで取っ組み合いをしている場合でも、最初の威嚇の段階のうなり声が低いことはありますが、遊んでいるうちに高い声になるものです。いつまでも低い声でうなったり吠えている場合は、本気のケンカに発展している可能性があります。
お互いに常ににらみ合っている
自然界では、お互いの目を見つめ合うことは威嚇行動であり、戦闘モードに入る合図でもあります。取っ組み合いの最中、わんこ同士が常に見つめ合って目線を逸らさない場合は、戦闘モードに入っている可能性が高いです。
毛が逆立っている
ここまで来るとかなり明らかですが、背中の毛が逆立っている場合には、かなり強い敵意や警戒心の表れです。
常に牙を剥き出している
マズルにしわを寄せて牙を剥き出すのも、強い攻撃性の表れです。お遊びの中でも一時的に牙を剥くことはありますが、常に牙を剥きだしている場合には、すぐにでも噛み付いてやろうという気持ちの表れです。
ケンカの取っ組み合いの場合には、遊びの場合と違って、「相手に噛み付く」ことが最優先になります。噛み付きに執着しているようすが見えたら、すぐに止めに入りましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?じゃれている取っ組み合いはわんこ同士のコミュニケーションの1つとして微笑ましい光景ですが、ふとしたことでスイッチが入ってケンカに発展してしまうこともあります。
いずれにしても、わんこ同士が遊んでいる場合には、飼い主さんは常に注意深く見守ってあげることが大切ですね。