犬が急に唸るのは何故?
愛犬が唸ってしまった際にどのように制止するべきなのかという対処法を知る前に、まずはなぜ犬が唸ってしまうのかという心理状態について理解するべきです。犬の気持ちをしっかり理解していなければ、正しく対処することはできません。では、いったいどのような理由で急に唸ってしまうのでしょうか。
1.「飼い主さんを守らなきゃ」
まずは誰かが家にやってきた際、それが知らない人であれば、「飼い主さんが襲われてしまうかもしれない。守らなければ」という心理が働いています。
野生として暮らしていた時代、犬は集団行動をし、お互いを守り合い、助け合って生きてきました。その習性が今もまだ色濃く残っているため、知らない相手には警戒心を示し、敵と見なすことが多いのです。
そのため、「敵から仲間を守る」という習性が働き、結果的に吠えるまで到達せずとも唸ってしまうということがあります。
2.自分の物を盗られると勘違い
続いて、飼い主さんが愛犬のおもちゃやごはんを片付けようとした際に、急に唸りだしたという状況であれば、「それは僕の物なのに、どうして盗ろうとするの」と勘違いされ、唸るという行為に繋がっている可能性があります。
特に空でないごはん皿や、遊んでそのままにしているおもちゃである場合、犬には何かしらの思惑があって残している可能性が考えられるため、それを移動された、持って行かれたとショックを受けているのです。
しかし、そもそも飼い主さんに向かって唸ってしまうということは、飼い主さんのことを自分より上の存在として認識していないことになります。今一度、上下関係の見直しを検討した方が良いでしょう。
3.遊びに夢中になってつい唸ってしまう
「唸る」と聞くとネガティブなイメージばかりが挙がってしまいますが、実は犬の場合、楽しい時にも唸ってしまうことがあるのです。
例えば他の犬と、あるいは飼い主さんとおもちゃで遊んでいる時に、つい夢中になってしまい、「ヴ~、ヴ~」といった唸り声を上げてしまいます。これは「楽しい」や「嬉しい」といった感情の表われですので、特に問題はありません。
この場合の唸りは、鼻や目の周りにしわが寄らないことが多いので、唸っている時の表情も怖いと感じないはずですよ!
4.外で他の犬が鳴いている
家の中にいる時、家の中では何も変わったことが怒っていないにもかかわらず、急に「ヴ~」と唸りだした場合、原因は外にあることがあります。特に散歩の時間にさしかかっているのであれば、他の犬が散歩していることが多いので、散歩中に鳴き声を上げた犬に対して呼応している可能性が考えられます。
唸る前に、何か犬同士の鳴き声が聞こえませんでしたか?または鳴き声が聞こえなくとも、聴覚の優れている犬には他の犬が唸った声すらも聞こえている可能性があります。
家の中にいる飼い主である私たちには聞こえない鳴き声の可能性もあるため、「なんで急に唸ってるの?」と思ってしまいがちですが、犬同士のコミュニケーションの1つである可能性があります。
犬の唸りを止める方法とは?
4つの急に唸る理由を理解したところで、対処法を知っておきましょう。唸るという行為は、始めは「つい唸っちゃった」という程度であっても、それを放置しておくと唸ることが癖になってしまい、少しのことでも唸る犬となってしまいます。これは「嬉しい」という感情からくる唸りでも同じです。
少しのことで唸っていては、来客があった際、必ずと言って良いほど唸ってしまいますので、お客さんに失礼に当たってしまいます。
まず遊んでいる際に唸ってしまった場合には、一旦遊びをストップし、また再開するという方法を繰り返します。これを何度か繰り返すことで「なぜ飼い主さんは遊ぶのを止めるのだろう」という疑問を持ち始め、最終的に自分で「これをした時に遊びを止めている」という結論に行き着かせます。
おもちゃを盗られたと勘違いし唸る場合には、まずは上下関係の見直しが必要です。上下関係を見直す第一歩として、基本動作(お手、お座りなど)をしつけるという方法があります。これをまずマスターさせることが大切です。他にも犬からの要求に毎回応えないなど、飼い主側が上である事を理解させる行動が求められます。
またおもちゃを片付けようと手にし、唸った時の対処法として、唸ることを止めるまでその場で待機してください。唸ることを止めたら、2~3秒経った後、大げさに褒め、ご褒美を与えてあげましょう。
他の状況で唸る場合には、基本動作を指示し、一度冷静さを取り戻させることが大切です。この方法には飼い主と犬との信頼関係が求められますので、日頃からしっかり上下関係を築き、信頼を得ることが重要となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。このように犬が唸る理由には大きく分けて4つあり、それぞれの気持ちを理解した上で対処法を実行するべきです。唸ってしまった愛犬は、どの理由に当てはまるのかをしっかり判断し、正しい対処法を実行しましょう。
ユーザーのコメント
40代 女性 WOOF
相手に対する「警告」にあたります。
人が犬から「唸る」という手段を取り除いてしまうと、警告なしに咬みつく犬になってしまうという危険があります。飼い主さん相手に愛犬が唸る場合は、そこには必ず不安感、不信感、恐怖心、もしくは痛みなどの感情が隠れています。
誤解しやすいのは、この問題を上下関係の見直しで改善しようとし、より犬の敵対心を煽ってしまうことです。なぜ愛犬は不安がっているのか、どうすれば唸らずに安心してもらえるのか.... 必要なのは上下関係ではなく、信頼関係の見直しだと思います。