犬が八つ当たりしている?
例えば犬におやつを上げなかった際に、オモチャを振り回したり、噛み付いたり、まるで「八つ当たり」をしているような行動を見せることはありませんか?これらの行動はまさに人間の八つ当たりと同じような行動だと考えられます。
いったいどういう時に八つ当たりをするのでしょうか。また、それをやめさせる方法を調べてみました。
「転位行動」と「常同行動」とは?
犬はカーミングシグナルといって、ボディランゲージで「相手と自分」をなだめる行動を取ることで知られています。自分の気持ちを落ち着かせ、同時に相手の気持ちも落ち着かせるための行動です。実際の動きとしては「あくび」や「首・身体を振る」といった動きです。
このカーミングシグナルの一つとして、前述した転位行動を見せます。犬は「転位行動」をすることで自分を落ち着かせたり、ストレスを解消したりします。自身のストレスが極限に達して、どうすればいいかわからなくなった時に転位行動、つまり「全く関係のない動作」をすることで気を紛らわすのです。
この転位行動がまさに人間の八つ当たりと同じ行動です。人間も気持ちが追い詰められて頭を掻いたり、ストレスで壁を殴ったりすることがありますよね。これらの行動自体には意味はありません。しかし、元をたどればどうすればいいかわからなくなった状況が理由で引き起こされる動きです。
犬の転位行動としては次のような行動が知られています。
- 尻尾を追いかける
- ぐるぐるとその場を回る
- 前足を舐め続ける
- 穴を掘る
- 近くに落ちているものを噛む
犬はこれらの転位行動で気を紛らわしたり、ストレスを解消しているのです。
「常同行動」とは?
転位行動はその瞬間に見られる行動ですが、これが継続的に見られるようになったら注意が必要です。この転位行動を継続して行うことを「常同行動」と呼びます。
先に説明した通り、転位行動はストレスを感じた時に見せる行動で、行動自体に意味は持ちません。この意味を持たない転位行動がずっと続いている場合、「常にストレスが溜まっている」ことが考えられます。限界に達することで転位行動を行いますが、それが常に続くということは限界を超えていることが考えられます。
転位行動が常同行動まで達すると、尻尾を追いかけて尻尾を噛みちぎる、前足が腫れて血が出るまで舐めるといった自傷行為にまで発展してしまいます。
原因とやめさせる方法
- 退屈
- 不安、孤独
- コミュニケーション不足
- 環境の変化
- 体罰などの恐怖
常同行動が起きる原因として、これらの「長期的」なストレスが考えられます。そのため常同行動を抑えるには、これらの原因を取り除く必要があります。
ストレスがかかっている理由を探り、そのストレスを取り除くことでした解消はできません。犬に意味のない行動が連続して見られた場合、この常同行動であることを疑って、ストレス環境にさらされていないか観察をしてください。
なお、常同行動に対して叱ることは逆効果になります。やめさせようとするのではなく、ストレスの原因を探って、それを取り除いてあげましょう。
まとめ
犬の八つ当たりである「転位行動」。転位行動からは犬が何にストレスを感じているのかを知ることができます。また、「常同行動」にまで発展した場合、それは犬が精神的に追い詰められている証拠です。愛犬のおかしな行動が見られる場合、飼い主さんはその原因を取り除くことを考えてあげてください。