犬の態度が人によって変わる理由とは?
犬を飼っていると家族一人一人に対して態度が違うことがありませんか?
例えば、お父さんが座っていると必ずと言って良いほど膝の上に乗りたがるのに、お母さんの膝には全く乗りたがらないなど。
なぜ、一緒に暮らしている家族の中でも人によって態度を分けるのでしょうか。
犬の「本能」が関係している
相手によって態度を変える主な理由としては、群れで生活を送ってきた犬の本能にあります。一つの群れの中でもリーダーがいて、他のメンバー同士にも順位づけがされており、この習性が現在の家庭犬にも表れているからなのです。
犬は人間の行動を良く観察しており、家族間のやり取りを見て「この人は自分より上だから指示に従おう」など自分も含め家族の順位付けを行います。自分より下だと認識している人に対しては、ほとんど言うことを聞きません。
何気ない行動で順位づけされている?
家族を群れと認識し、それぞれの順位を決めていると述べました。しかし、家族間のやり取りを見て、単純にそれを元に順位付けしている、という訳ではないようです。
生後1年過ぎたあたりからさまざまな順位づけの行動が見られるようになります。
具体的にどのような行動なのか見ていきましょう。
甘噛みをする
指先など甘噛みして相手の反応を見る行為です。可愛いと思ってそのまま許してしまうと「自分より下」だと判断されてしまいます。子犬の頃から甘噛みをした場合は「ダメ」としっかり叱ることが大切です。
散歩中に飼い主を引っ張る
自分が飼い主よりも先に歩いている、自由に動き回っている場合は飼い主よりも自分が優位に立っていると認識している証拠です。まず散歩に行く際は、飼い主が先に玄関を出てその後に犬が外へ出るようにすることから始めましょう。
物を渡さない
家族の物を取って遊んでいる犬が、その物を渡さない状況も順位づけがされているといえます。この場合は強引に奪い取るのではなく、犬が興味のある別の物を与えて、その隙に取り上げるようにしましょう。強引に取ってしまうとさらに犬の所有欲は増えてしまうので注意が必要です。
犬のマウント行為
飼い主に対して交配する時と同じ動作をする場合、発情しているのかな?と思うかもしれませんが、実はこれも順位づけの行動の一つです。オス犬はメス犬が発情している環境下にいないと、同じように発情しません。
発情期以外でこの行動が見られる場合は、優位性を誇示する為の行動と捉えて良いでしょう。この行為はオス犬メス犬関係なく行います。飼い主に対して行った場合は、きっちりと叱りすぐにやめさせるようにしましょう。
愛犬に信頼されるリーダーとは
前述では犬の順位づけの行動をいくつかご紹介しました。それでは犬に信頼されるリーダーになる為にはどうすれば良いのでしょうか。
言葉や態度を統一させる
叱る時は「ダメ!」「コラ!」などと家族の間でも言葉を統一させましょう。その時の気分で叱る態度を変えるのも止めた方が良いです。いつも低い声で叱っているのに、突然甲高い声で叫んだりなど犬が混乱するようなことは控えるべきです。
また、叱る時に犬の名前を呼んでしまうのもNGです。毎回叱られる度に名前を呼ばれていると、普段呼ぶ時にも「叱られているんだ」と誤解してしまいます。
指示に従った時はちゃんと褒める
しつけは叱るばかりではいけません。ちゃんと指示に従った時には、優しくあごや首筋を撫でて褒めてあげたり、おやつなどご褒美を与えたりしてあげましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。人によって態度を変える理由は犬の習性である順位付けから来るものでした。
犬よりも上の立場の人がいれば良いですが、犬が一番上だと認識している場合だとやりたい放題になってしまうので子犬の頃からきちんとしたしつけが必要です。成犬にしつけようとする際は、時間もかかり忍耐力も重要になりますが、愛情を持って「こうしてほしいんだよ」という気持ちを伝えていけば愛犬も応えてくれるでしょう。