犬の困り顔には意味がある
ワンちゃんは、ドッグフードが転がってしまいうまく取れない時や誰も構ってくれない時など、日常のさまざまな場面で困っているような表情をすることがあります。
困り顔で見つめられると、何かを訴えているのでは?と感じる飼い主さんもいるでしょう。
今回は「困り顔」の時どんな気持ちなのか、その表情に意味はあるのかをお伝えしていきます。
犬の顔や体のパーツから気持ちを読み取ろう!
- 耳
- 目
- 鼻
- 口
- 尻尾など
わんちゃんホンポでも他のサイトでも、ワンちゃんの表情には意味があるという記事がいくつか公開されているように、人間と同じようにワンちゃんは感情を表情豊かに表してくれます。
ここでワンちゃんの表情や気持ちを読み取るためには、体のパーツの動きをよく観察することが重要です。
犬の困り顔の表情とは
いわゆる「困り顔」の表情というと
- 「垂れた耳」
- 「眉を下げたような目」
- 「一文字に結んだ口」
が思い浮かびますが、これらは「心配」「不安」という気持ちを表しています。
つまり「困り顔」の時はそのまま「困っている」という気持ちとして受け取って良いといえるでしょう。
顔のパーツの動きでわかる犬の気持ち
前述ではパーツの動きをよく観察することで、その時のワンちゃんの気持ちがわかるとお伝えしました。
さらに詳しくパーツごとの動きや、そこから見えてくるワンちゃんの気持ちをご紹介します。
犬の目から気持ちを読み取る
じっと見つめる
相手をまっすぐに見つめる場合は、威嚇や敵対心を表していますが、優しい目で相手を見つめている時は信頼や好意の気持ちを伝えています。
優しい表情のときは、ワンちゃんの目がアーモンド型に変化するのでそれで判断が可能です。
目をそらす
相手と目をそらす場合は、服従心や不安な気持ちの表れです。飼い主さんに怒られている時も目をそらしますよね。
これはワンちゃんが人間の怒っている表情を苦手とし、大きな不安を感じるからでもあります。
オーストリアのウィーン獣医大学で、画面に人間の笑っている顔と怒っている顔の写真を同時に映し、24匹のワンちゃんを2つのグループに分け、それぞれの写真を選ばせるという実験を行いました。
上記実験の結果の中に、
「笑った顔の写真を選ぶ方が時間がかからず、怒った顔の写真を選ぶことはおやつを与えようとしても嫌がった」
という記述がありました。
このことから、人間の怒った顔が苦手、不安を感じるという点について納得ができます。
ふし目がち
目線を落としふし目がちの時は、何かを心配していたり、気持ちが落ち込んでいることがあります。
犬の口から気持ち読み取る
口元が緩い
口元が緩んでいる状態は、眠い時や甘えたい時に多く見られます。どちらか判別するのは目をよく見るとわかります。
目がトロンとしていれば眠い時、目を見開いてこちらを見ている時は甘えたい時といえます。
固く口を閉じている
一文字に口を閉ざしてる場合は、表情が強張っていたり気持ちが沈んでいることが多いです。
犬の耳から気持ちを読み取る
耳に力が入っていない
力が入っていない状態で立っている時はリラックス状態といえます。
耳が後ろに垂れる
信頼している人に対して尻尾を振りながら近寄った時に、耳を後ろに垂らすように伏せている場合は行為を示していることになります。
反対に全身が強張っている状態で耳を後ろに伏せている時は警戒心を表しています。
この2つの気持ちを耳だけで見分けるのは少し難しいので、尻尾の動きにも注目してください。
尻尾の先が下に向いたまま付け根から振っている時は好意を示していて、尻尾の先が上に向いてピンと立っている時は敵意を示しています。
犬の表情の豊かさは昔から?
困り顔以外にもたくさんの表情を見せてくれるワンちゃんですが、人間と一緒に暮らし始めた頃から同じように表情が豊かだったのでしょうか。
人とオオカミの関係
人間が初めてオオカミを飼い慣らし、共に生活していたと判明したのは今からおよそ3万年前といわれています。
当時オオカミは人間にとっても脅威の存在でしたが、同時に外敵が近寄った際に吠えることで周囲に知らせる能力は魅力的でもありました。
オオカミの子供を飼い慣らすことで、人間に抵抗がないオオカミとして飼育し、さらに繁殖させていくことで「イヌ」という個体が造られたと推測されています。
オオカミからイヌとして人との生活
人間の生活や文化が発展していくと共に、イヌとの生活は密になっていき仕事の補助だけでなく精神的にも支えてくれる存在になっていきました。
その過程で、人間の表情を理解しようと進化してきたといわれており、現在の私たちとワンちゃんの関係性にまで発展したのです。
共に生活し始めた頃は今よりも表情が豊かではなかったでしょう。
しかし、現在の人間とワンちゃんの遺伝子を調べると伝達機能や代謝などの遺伝子に共通点があることが判明しています。
これはお互いに密接して、支え合いながら歴史を歩んできたからともいえますし、その結果ワンちゃんも人間と同じように表情豊かになったのではないかと推測できます。
まとめ
「困り顔」の気持ちやパーツごとの気持ちの読み取り方をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
日々いろいろな表情を見せてくれるワンちゃんたち、目や口だけではなくパーツそれぞれの動きを総合的に観察して気持ちを読み取ることが大切です。