過活動の原因と対策
犬の過活動とは
わんちゃん達が常に落ち着きがなくて興奮状態、集中力がない、行動が激しくて制御がきかないなどの状態を専門用語では「過活動」と呼ぶそうです。
私が初めて犬を飼い始めた時、まだ生後数か月の子犬だった愛犬が急に部屋中を走りまわって遊ぶ姿や、すぐに興奮して何にでも飛びついたり噛みついたりする姿に、「この子、ADHD(注意欠陥多動性障害)では?!大丈夫かな??」と恥ずかしながら心配になった事があります。(今思えば、子犬の頃のそれは正常な行動ですものね!)
子犬の場合は適度なしつけと生活環境、成長と共に次第に落ち着いてきますが、そんな状態が成犬になっても続いていて、常に興奮状態で制御不能の場合は、過活動症になっているとも考えられるそうです。
ただ、犬種によっては正常行動の範囲内である事もあります。
過活動によって引き起こされる事態
そういった興奮状態があまりにエスカレートしてしまうと、飼い主さんの言うことをきけずに家の中を荒らしたり、落ち着いて散歩ができない、他の方や犬に飛びついてケガをさせてしまうなど、問題行動につながってしまいます。
また、呼吸器系や心臓病になってしまった時に、あまり興奮状態になるのは病気を悪化させてしまうので良くありません。
過活動になってしまう原因は?
運動量がたりていない
散歩や遊びなど、その子に適した運動がたりていない。サークルやクレートにとじこめられている時間が長い、長時間の留守番が続いてストレスがたまっているなど。
精神的に安定できていない
五感への刺激が少ない生活で退屈に過ごしている、コミュニケーション不足で寂しい思いをしている。
周りで人が慌ただしく動いていたり、騒音などの落ち着かない環境など、わんちゃん達の不安、恐怖などのストレスも大きく関係しているようです。
また、言う事をきかないからと大声で怒鳴ったり、罰したり、「ダメ」「イケナイ」を連発する厳しいしつけなども、その時には一時的に治まったようには見えたとしても、良い結果をもたらしません。
このようなわんちゃん達の不安をあおるような方法は、かえって逆効果です。
ハイパーアクティブ?
人間でいうADHD(注意欠陥多動性障害)という脳障害がわんちゃん達にもみられ、それが原因で過剰な動き『ハイパーアクティブ(多動症)』になっているというケースもあり、見極めるには中枢神経刺激薬を投与して心拍数、呼吸数、行動が軽減されるかで診断する方法があるそうです。
でも、わんちゃん達の過活動は環境要因が原因でみられるケースがほとんどの様ですし、多動だからといってADHDとは言い切れません。
強いお薬を使う前に、それそれの個性をよく理解して、興奮状態にしてしまう背景を見直してあげる事が大切だと言われています。
過活動をおさえていく為には?
その子に適した運動量を
犬種や年齢も考慮した上で、その子にあった適度な運動量が必要です。
小型犬でも多くの運動量を必要とする子もいますし、大型犬ではなおさらです。
ただ過活動の子にとって、ドッグランなどでの激しい運動は喜んでいるように見えても、かえって興奮させてしまってストレスレベルを上昇させてしまう事もあるので、普段の散歩や遊びで運動量を増やしたり、自然の中などでゆっくりと探索活動を楽しむなどの方法の方が、五感の刺激にもつながり、リラックスできるようです。
愛犬への接し方を変えてみる
動物は言葉を使わない分、人の「気」を察する事が得意です。飼い主さんの不安や緊張感もわんちゃん達はすぐに察します。
まずは私たちが心に余裕をもって、大声を出したりせずに静かに声をかけるようにしてみます。
また、ゆったりとした落ち着きのある動作を心掛けて、わんちゃん達を動揺させないようにしてみましょう。
叱らずに無視をしてみる
愛犬が興奮した時には、「止めないと」と思ってつい叱ってしまいがちですが、飼い主さんのリアクションを逆に「はしゃげば、かまってもらえる」と勘違いをして再び繰り返すこともある様です。
それだけわんちゃん達は家族に関心をもってもらえる事が嬉しいんですね。
あまりひどい行動でない場合は、見て見ぬふりをして、落ち着いてから褒めるという方法が良いそうです。
静かに褒めて落ち着く事を教える
過活動の子達にとっては大げさにほめるよりも、静かに褒めて興奮させない方が効果的です。
また、落ち着いている時にも褒めてあげる事で「大人しくしている=褒められる」を覚え、リラックスできるようになっていきます。
ただ、愛犬が寝入っている時にまで顔をのぞきこんだり、なでて褒めたりするのは逆に落ち着かなくなってしまうので良くありません。
まとめ
わんちゃん達も、ストレスでいっぱいの時には少しでも興奮するとセーブがきかなくなり、暴走してしまいます。
内向的だったり、やんちゃだったり、その子の持って生まれた個性もあるあると思いますが、こうして調べていると我が家の愛犬もどちらかというと興奮しやすいタイプなので、かまいすぎる等の自分の反省点も多々あるなあと感じています。
今の環境を見つめなおして、わんちゃん達のストレスレベルを下げて興奮状態にもっていかないようにしてあげる事が大切なんですね。