マーキングには理由がある
オス犬が高く足を上げてオシッコをするのは自分の縄張りを誇示するために、より高い場所にオシッコをかけたり他の犬のオシッコがかかっているところに自分のオシッコをかけたりするためだそうです。
マーキングをするのは主に片足を上げてオシッコをするオス犬ですが、発情期に入ったメス犬にも見られます。
オスのマーキングはテリトリーの主張なのですが、メスのマーキングは自分の発情をオスに知らせる意味があります。
また、マーキングには縄張りを他の犬に伝える以外にも、自分が来たことがある、安心して散歩できるよう場所を確認するための印としても用いられます。
犬も初めて行く場所は不安なので、新しい場所に自分のオシッコを来たことがある印としてつけようとするのですね。
このようにオシッコによりマーキングするのは犬の本能なのでやめさせることはできませんが、電柱やよそのお宅の塀などにオシッコをかけるのはまずいですよね。
愛犬と散歩するときは水を入れたペットボトルを常備して、きれいにするように心がけてください。
去勢済みの犬がマーキングする要因
オス犬は個体差がありますがだいたい生後8ヶ月頃からマーキングするようになります。 初めはメス犬のように座ってオシッコするのですが、だんだん片足を上げるようになります。
飼い主さんとして一番心配なのは、家の中でカーテンなどにマーキングされることですよね。本能なので強く叱ることもできないし…と頭を抱えている飼い主さんもいると思います。
獣医師の話によると、去勢手術したオス犬のほとんどは困ったマーキング行為が改善されるそうです。しかしながら中には去勢手術しても改善されない犬もいるということですよね。。
実は屋外でのマーキングは他の犬との「コミュニケーション行動」であり、屋内でのマーキングはストレスによる「不満の代償行動」の場合があります。屋内でストレスを抱えている愛犬が不満を代償行動に変えないよう、飼い主としてはその要因を取り除く必要があります。
1.主従関係ができていない場合
飼い主と犬との関係が出来ていない状態を「アルファシンドローム」というのですが、それによる困った行動の一つが家の中でのマーキングです。
犬は本能的にリーダーを必要とするのですが、リーダーである飼い主がちゃんとしつけをしていないことによって犬が言うことを聞かなかったり、呼んでも無視したり、さらには咬んだりという立場が逆転した状態になってしまいます。
犬が家の中でマーキングするのは自分が偉いということを飼い主に示している可能性もあるので、そうならないために日ごろから適切なしつけを行うことが大事です。
2.環境が変わった場合
以前は家の中でマーキングしなかったのに、引っ越し後に急にするようになる犬もいます。これは自分の周りの環境が変化することで愛犬が不安な気持ちになり、ストレスからマーキングをするようになるためです。
引っ越した後はなるべく愛犬の匂いが染み付いた布などを身の回りに置き、できるだけひとりにさせないようにして不安を取り除いてあげてください。
3.同居人が変化した場合
例えば「結婚して同居人が増えた」「赤ちゃんが生まれた」「親の介護をするようになった」など、以前よりも自分がかまってもらえない状況になると犬は面白くないと思い始め、そのストレスにより家の中でマーキングをしたりします。
同居人が増えても今までと同じように接してあげてください。
4.飼い主の生活パターンが変わった場合
以前はいつも愛犬のそばにいられたのに、最近就職してあまり家にいる時間がなくなってしまった…など生活リズムが変わったという飼い主さんもいると思います。
犬はもともと群れで生活する動物なので、ひとりで家にいることが苦手です。急に独りになることが増えるため、ストレスを感じてマーキングする犬もいます。
仕事で外出するのは仕方ないですが、プライベートな時間は思いっきり犬に愛情を注いでストレスを感じさせないようにしてあげましょう。
まとめ
いくら大好きな愛犬でも、トイレ以外の場所でオシッコをされると気分が落ちてしまいますよね。散歩中のマーキングは水をかけることができますが、家の中はそうはいきません。
愛犬と一緒に快適に暮らすためにも飼い主としての威厳をしっかり持って、愛犬のストレスを少しでも取り除いてあげるよう心がけてください。