先住犬が子犬に吠える理由は?対処法と上手な多頭飼いのコツ

先住犬が子犬に吠える理由は?対処法と上手な多頭飼いのコツ

先住犬のためにも仲良くする姿にも憧れて後輩犬を迎えたけれど、思っていたのと違って先住犬は吠えてばかり…。その理由や対処法はどんなものがある?今回はそんな疑問や対処法についてご紹介します。

先住犬が子犬に吠える!どうすればいい?

先住犬が子犬に吠える!どうすればいい?

犬を1頭迎えると、その愛らしさや人懐っこさに心奪われて、どうせなら兄弟・姉妹も…なんていう考えから、2頭目を迎えたという方も少なくないのでは?

いざ子犬を迎えてみると、先住犬との相性がイマイチでなかなか慣れずに、子犬の姿を見るだけで吠えてしまうわんちゃんもいることでしょう。

だからといって落ち込まないでください。先住犬の立場からしてみたら、突然自分が暮らしてきた家に見知らぬ子犬が来るという状況はとても困惑するものです。

特に先住犬がある程度年齢を重ねた子で、迎える子が子犬だとテンションの高さの違いから、先住犬の生活ペースが崩されてしまうため、思わず吠えてしまう結果に繋がってしまうことがあります。

そこで今回は、子犬を迎え入れたのはいいけれども多頭飼いが初めてだったり、先住犬との相性があまり良くないと頭を悩ませていたりする飼い主さんに、その理由や対処法などをご紹介します。

先住犬が子犬に吠える理由

先住犬が子犬に吠える!どうすればいい?

先住犬が子犬に吠える、主な理由にはどんなことが考えられるのかをここではご紹介します。

犬を多頭飼いする場合には、いくつか注意しなければいけない事柄がありますが、その中でもよく挙げられる理由を一つずつ確認してみましょう。

警戒心が強く縄張り意識が強い

先住犬が後輩犬に吠えてしまう理由の一つ目として挙げるのは、警戒心が強く縄張り意識の強いわんちゃんです。

先程も少々触れましたが、犬の年齢が高ければ高いほど、先住犬の生活するペースやお気に入りの場所、縄張り意識など確立されていきます。

そのため子犬を迎えて早々、先住犬と引き合わせようとすると、先住犬にとってその子犬は自分の縄張りに勝手に入ってきた不法侵入者と認識してしまう可能性があります。

その結果、その不審者をこれ以上近づけまいとして、元はあまり吠えなかった子でも、しっぽを立てて歯をむきだしで威嚇し、子犬に向かって吠えてしまったり、その後継続的に吠えるようになってしまったりします。

性格的に臆病、またはマイペース

犬の性格的な部分が関係してくるのですが、先住犬の性格がもともと臆病かマイペースな場合が挙げられます。

臆病またはマイペースな性格をしたわんちゃんは、そもそも他の犬と接点のあまり無かったり、自分のペースを乱されるのが何よりも嫌がったりする場合が考えられるものです。

散歩先でも他のわんちゃんたちと距離をとる子の場合、子犬を迎えてから恐怖心によって耳を下げ、重心が後ろのめり状態で唸ったり、吠えてしまったりするケースがあります。

また、基本的に他のわんちゃんに対して興味を示さないような子であった場合、自分のペースを乱されたことで気分を害し、臨戦態勢な前のめりな状態から子犬に向かって吠えたり、噛み付いたりする可能性があります。

そもそも多頭飼育に適さないような犬種

先住犬が吠えてしまう理由として、そもそも犬種が多頭飼育には適していない場合があります。ただ、こちらは性格に個体差があるため、必ずしも適さないという訳ではありません。

しかし、それでも多頭飼育に不向きと言われている犬種は存在するもので、例えば柴犬といった日本犬や昔から闘犬として飼育されてきたピットブルがそれに該当します。

こういった多頭飼育に適さないと言われる犬種には、比較的気の強い子だったり、他の犬に対して排他的な性格の子だったりする傾向があります。

そして、飼い主の身の安全や自分の地位を確保するために、相手の目を見つめたまま唸ってから、子犬に向かって吠えることがあります。

以上のことから、多頭飼いが難しいとされている犬種の飼い主さんが新しく犬を迎えい入れたい場合には、十分にその子の性格を理解しておく必要性があるでしょう。

先住犬が子犬に吠える時の対処法

先住犬が子犬に吠える時の対処法

ここからは、先住犬が子犬に吠えてしまうような関係性で悩んでいる場合、どんな対処法が存在するのかをご紹介します。

基本的に子犬を後輩犬として迎え入れた時には、先住犬との相性はもちろんですが、年齢が離れている場合は体力の違いなどにも着目して、対処法を一つ一つ確認してみましょう。

先住犬が子犬に吠えても叱らず、穏やかに見守る

もし先住犬が子犬の後輩犬に吠えてしまっても、先住犬を叱ることはせずに、2頭のことを静かに見守ってあげてください。

先住犬の性格にもよりますが、先住犬が子犬を迎えた直後から子犬に対して吠える場合は警戒心だけではなく、不信感や疑問感など多くの要因が考えられます。そして、後輩犬に直接的な危険性がないのであれば、2頭共々まずは見守って、先住犬を叱らないようにしてあげてください。

吠える行為というのは、言葉を話せない犬にとっては大切な意思表現です。自分の縄張りに突然現れた後輩犬を不審がって吠えるのは不思議なことではないので、先住犬が慣れるまでは静かに見守ってあげるよう心がけておいてください。

子犬と触れ合う時間は短時間から始めて慣らしていく

基本的に後輩犬となる子犬を迎えた際には、仲良くしてほしい逸る気持ちは一旦鎮めて、先住犬との距離感を取るように注意しましょう。

犬のパーソナルスペースというのは人同様、犬種ごとに違うため、子犬との距離があまりにも近すぎると、警戒して吠え出す可能性が考えられます。

そのため、先住犬と後輩犬をどうしても顔合わせしたい場合には、特に臆病な性格の子に対しては、最初の頃は短時間だけに留め、徐々に時間を伸ばしていくようにしてください。

何事も先住犬を優先して安心感を与える

この対処法は内向的な子、警戒心の強い子、どんなに社交的な子などでも言えることですが、子犬の後輩犬を迎えた場合には、必ず先住犬を優先するように心がけましょう。

犬は人と同じ一夫一妻制の群れで行動する動物で、子育てなど助け合って生活してきた動物です。しかし、それはあくまで血の繋がった家族の場合です。

幼い頃から飼い主さんに可愛がられ、家族同然に暮らしてきた先住犬にとって、その空間に見知らぬ子犬がやってくることは、大変不思議で不安なことでしょう。

そのため、後輩犬を迎え入れた際は、常に先住犬を優先し、嫉妬心やストレスを与えないように心がけましょう。

特に多頭飼育が難しいとされている犬種の場合は、この事項はとても重要になってきます。後輩犬にはできる限り、早急なしつけに取り掛かると同時に、どんな時でも先住犬を不安がらせないように優先してあげてください。

また体格に大きな差があるのであれば、そういった点も注意する必要があるので、愛犬たちの状況をよく観察するように気をつけてあげてください。

先住犬と子犬を上手に多頭飼いするコツ

先住犬と子犬を上手に多頭飼いするコツ

先住犬の生活ペースや後輩犬の性格など、いくつか考慮する点に気をつけながら、その愛犬たちに合った付き合い方を見つけてあげる参考になればと思います。

先住犬だけで静かに過ごせる場所と時間を確保する

先住犬と子犬を上手に付き合わせる1つ目のコツは、先住犬にとって安心して過ごせる空間を与えてあげることです。

例えば、もし先住犬にとって安心できる場所がゲージであるなら、その空間はもちろんのこと、先住犬が静かに過ごせる時間を確保すると共に、その間は子犬が近づけないような状態も確保してあげましょう。

そして、先住犬が気に入って一日の大半を過ごすような場所があるなら、慣れるまではそこにはできる限り、子犬を踏み入れさせないようにしてあげてください。

また、もし仮にリビングフリーで先住犬を飼っているのであれば、その先住犬のテリトリーは広範囲に渡っている可能性があります。ワンフロアのご自宅(マンションなど)なら、部屋の一角に子犬用のゲージを設置し、それ以外は慣れるまで子犬を別の部屋でお世話するといった工夫をしてあげてください。

先住犬に今まで通りの生活サイクルを送らせてあげる

先住犬と子犬を上手に付き合わせる2つ目のコツは、先住犬に今までと変わらない生活サイクルを送らせてあげることです。

先住犬と迎えた子犬との年齢に大きく差がある場合、体力の差にもちろん違いがありますが、睡眠時間の違いも散歩の時間も違ってきます。そのため、先住犬の生活サイクルを乱さないような工夫が必要です。

例えば、先住犬が寝ている時に子犬の後輩犬が起きているなら、なるべく先住犬の邪魔にならないようなところで、後輩犬と遊んであげるように心がけたり、お散歩の時も先住犬からそれぞれ1頭ずつ散歩に行ってあげるようにしましょう。

先住犬が慣れた後であれば一緒に散歩も可能かもしれませんが、後輩犬に対して不信感を抱いている間であるなら、無理に2頭同時に連れていくのは、逆に関係を悪化しかねないため注意しましょう。

犬のお世話はそれぞれに十分な時間をかける

最後にご紹介する先住犬と子犬を上手に付き合わせるコツは、それぞれに対する時間のかけ方です。

どんなに警戒心が強い子でも時間をかければ、いずれ慣れて後輩犬にも心を開いてくれる時が訪れるものだと思いますが、時間のかけ方や接し方によってはその「慣れる」時に差が出てきます。

そのため、犬のお世話をする際には、どんな時も先住犬を優先にしつつも時間を見つけて、子犬の後輩犬の相手もするように心がけましょう。

決して1頭だけに時間をかけすぎないように注意し、褒める時にはどちらにも平等に、そして褒める時は先住犬から。そんな気持ちを念頭におきながら、先住犬と子犬の後輩犬との多頭飼育ライフを過ごしてあげてください。

まとめ

いかがでしたか?先住犬と新米の後輩犬は、普段テレビで見る仲の良い映像とは違った姿を見せることがあり、それは時としてケンカの要因にもなるものです。

しかし、先住犬にとっては今までの1頭での生活が180°ガラッと変わる出来事であることも事実なので、もう既に後輩犬を迎えていて対応に困っていると言った飼い主さんであれば、先住犬に対する対応を今一度見直してみてあげてください。

もしかしたら、先住犬が後輩犬に対して吠える原因には、飼い主さんが関係しているかもしれません。

新しく迎え入れた手のかかる子犬を放っておけない気持ちも分かりますが、先住犬に対しても十二分に気にかけることを心がけるのを忘れないようにしてあげてくださいね。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい