犬が飼い主の膝に乗りたがる心理
1.飼い主に甘えたい
もともと人とのスキンシップが好きな犬は多く、大抵の犬は人に撫でてもらうことで安心感を得ています。特に子犬のころは体も小さいためちょくちょく膝にのせて撫でていた人も多かったのではないでしょうか。子犬のころにそのスキンシップ方法を学んだ犬は、大きくなっても人の膝に乗って撫でてもらうことが大好きになります。
ひとりで遊んでいても、お散歩の後でも、お留守番のあとでも、何かの折にふと飼い主をみて撫でてもらいたくなった犬は飼い主に近寄って甘えますね。体の一部を飼い主にくっつけるように寄り添って来たり、あごをちょっと手の上や膝の上に乗せてきたりしませんか?
それだけではちょっと物足りない、もっと甘えたいと思った犬は子どものころに学んだように、膝の上に載って撫でてもらうともっとほっとできると思っているのかもしれません。小型犬ならひょいと膝の上に滑り込んで撫でてもらう体制になったり、大型犬の場合もよっこらせと大きな体をねじ込んできて撫でてもらおうとしたりします。
また何かしらの不安を感じた場合に膝に乗りたがる子もいます。これも自分が感じた不安やストレスを解消し安心したいという気持ちの表れです。強い不安を感じている場合は甘えさせてあげてストレスを解消してあげましょう。
しかし常に膝に乗っていることが当たり前になってしまうと、いざ降ろされたときに分離不安などの症状を引き起こす可能性もあるため匙加減がむずかしいところです。
毎回犬の気が済むまで膝にのせてあげるのではなく、やはり人のタイミング乗っていい時間と乗ってはダメな時間を教えてあげることも大切です。
2.「自分の場所」と思っている
家の中には犬が安心してくつろげる場所がいくつかあると思います。
ハウスの中、犬用のベッドの上、お気に入りのおもちゃがある部屋など、お家によってさまざまな場所があるかと思います。犬にとっては外部の刺激に邪魔されることなく、ゆったり眠ったり遊んだりできるリラックススペースです。
大抵の場合、これらのスペースは犬のために用意されている「場所」なのですが、犬によっては人の膝の上をこのスペースと勘違いしていることもあるようです。
撫でてほしい、甘えたいという気持ちとの違いがどこかといえば、犬がひとりでおもちゃ遊びをしていたり自分のしたいことだけをしている様子があることでしょうか。自分が優位と思っている可能性もあるため、しばらく膝に乗せるのを控えて様子を見ることも必要です。
3.マーキングのため
犬に限らず動物は自分のテリトリーににおいをつけて縄張りであること、所有物であることをアピールします。これは人に対しても同様で、犬の場合は自分の飼い主に自分のにおいを付けて「自分の飼い主である」=「自分のものである」というアピールをしています。
つまり飼い主が座るソファや座布団に自分が座ったり、あるいは膝の上に直接乗ってお尻のにおいをつけて他の犬に対して所有権を主張しているのです。特に外出から戻ったときやよその犬のにおいを付けて帰宅したとき、あるいは新しい服を着たときなどにこういった行動が見られることがあります。
普段からしっかりコミュニケーションをとることでこのマーキングが収まることもあるので、しつこくにおいを付けられている場合はいつもより丁寧に犬に接してあげてください。
まとめ
犬が人の上に乗りに来るパターンは、まだまだいろいろなことが考えられます。自分の優位性を示すためにマウンティングをしにきたり、一緒に遊ぼうと誘いにきたり、またはおしりを向けて膝にのって背中からマウントしてほしがったりといったように、理由は犬にによって様々です。
甘えたいのか、ちょっと威張りたいのかなど、犬の様子をよく観察してよりよいコミュニケーションにしてあげてくださいね。