犬が落ち込むことってあるの?
今回は犬が落ち込んだときにしている表情や態度をご紹介していきますが、そもそも犬が落ち込むことはあるのでしょうか。結論から言うと、犬も落ち込むことがあります。
人間のように「落ち込んでいる」と明確な概念を持っているわけではありませんが、「嫌だな」「がっかりだ」などという感情はしっかり持っているため、その度、落ち込んだ表情や態度を見せるのです。
具体的に、以下のような原因で落ち込むことが多いです。
- 飼い主に叱られた
- 飼い主にかまってもらえない
- 期待していたことが起こらなかった
- 老化によって今までできていたことができなくなった
主にこの4つの原因によって落ち込むことが多いです。
特に、最後の『老化による失敗』に関しては、犬自身も「今までできていたことができなくなってしまった」と自覚しているため、大きな喪失感を感じています。そのため、落ち込むだけでなく、活力も奪われ、鬱や認知症を発症する原因となってしまうこともあるので、注意が必要です。
監修ドッグトレーナーによる補足
人と同じで犬も暗い感情を持ち続けることはよくありません。胸の中にモヤモヤが広がったままだと最適な行動を取りにくくなってしまう可能性があります。頭の中が不安や心配事でいっぱいになりかねません。その結果、問題行動を引き起こしてしまうかもしれません。
しっかりとフォローをして回復させてあげましょう。気持ちがポジティブな方向へと進めば愛犬に笑顔が戻り、行動にもいい変化が望めるでしょう。
犬が落ち込んでいるときにしている表情や態度
愛犬が落ち込んでいるときは、普段自分が愛犬の存在に救われているように、何か助けになってあげたいと思いますよね。ここでは、犬が落ち込んでいるときにしている表情や態度をご紹介していきます。
1.背中が丸まる
犬は落ち込んだとき、普段よりも背中を丸めるような仕草を見せます。人間も落ち込んだときや自信のないときに、自然と猫背のように背中が丸まってしまうことはありますよね。犬も同じです。
例えば、飼い主から叱られている時、下を向きながら時々チラチラと飼い主の方向を上目遣いで見てくる犬は多いです。この時、よく観察してみると背中を丸めている状態であることが大半です。
「飼い主さん怒っている。怖いな」「もう解放してほしい…嫌だな」といった落ち込んでいる状態が態度や仕草に表れているのです。叱っている時であれば、あまり責めすぎず、一定の所で解放してあげてくださいね。
2.地面の匂いを執拗に嗅ぐ
なぜか愛犬がずっとクンクンと地面の匂いを嗅いでいることはありませんか。「何か匂いがするのかな?」と思ってしまいがちですが、実は犬が何かを失敗してしまったときに見せるサインの1つです。
地面の匂いを嗅ぐ行動は、犬の本能的行動とも言えます。そのため、地面の匂いを嗅ぐことで自身の焦りや不安を落ち着かせる効果があるのです。
「今までできていたトイレを別の所でしてしまった」と自分の失敗に気付き、落ち込んでいる犬は、このような本能的行動をとることがあります。「やってしまった…」と落ち込んでいる証拠なので、責めないであげてくださいね。
3.前足を舐める
「こんなにアピールしているのに、飼い主さんはまったく僕をかまってくれない…」とストレスと落ち込みを同時に感じている際に見せる態度です。
ペチャペチャと音がする方向を見てみると、愛犬がずっと前足を舐めているという光栄を見たことがある飼い主さんは珍しくないでしょう。これも自分のイライラを少しでも和らげようと行っています。
しかし、前足を舐める行為は、エスカレートしてしまうと皮膚炎を発症してしまいます。犬の『自傷行為』の一種ともいわれているため、やめさせる必要があります。
監修ドッグトレーナーによる補足
叱っている時に下を向く。この行動は反省しているように見えますが、実際は違うケースがほとんどです。犬は自分のした行動を思い起こし、その行動が間違いだったとは考えていないことが多いのです。叱っている飼い主さんのことが怖くて、その顔を見たくないために顔を背け下を向くという動作が出ます。その状態が人の目には反省に見えているだけということですね。
では、どうすればいいのでしょうか?本文を読み進めていきましょう。
愛犬が落ち込んでいる…どうやって元気づける?
今回は犬が落ち込んでいるときに見せる態度や仕草など、代表的な事例を3つ挙げました。皆さんの愛犬が上記3つの中の態度を見せている場合、何らかの原因で落ち込んでいる可能性があります。
落ち込んでいる状態をそのまま放置してしまうと、そのままうつ病のような状態に移行してしまうなどの2時被害が現れる恐れがあります。そのため、飼い主は落ち込んだ愛犬をできる限り励ましたり、ポジティブにしてあげたりする努力をしましょう。
叱っている最中であれば、あまり長々とは責めず、「これはダメでしょ」と一言強めに言い、黙々と片付けることで、愛犬の落ち込みを軽減することができます。また、しつけ上、愛犬に『ダメなこと』として学習させるためにも効果的です。
失敗してしまい落ち込んでいる様子であれば、「大丈夫だよ」などと優しく声をかけてあげ、そこから気分を変えるためにおもちゃで一緒に遊んだり、マッサージをしてあげたりすることで、落ち込みを軽減させてあげましょう。
愛犬が落ち込んでいる様子を見せているとき、飼い主だからこそできることが多くあります。普段の愛犬の行動や様子を見ながら、どのようなことをしてあげることで立ち直らせることができるのかを考えてみましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
叱ることは簡単にできます。ただ叱ればいいだけ。ではどのタイミングで叱り終えるのかは決めていますか?実は適切なタイミングが存在します。それは「悪い行動を止めた時」です。
タイミングを決めていないといつまでも叱る状態が続いてしまい、人にも犬にも悪い影響が残ります。叱り終えたらその気持ちは切り離すようしてみましょう。大きく深呼吸を数回するだけでも効果があります。そして本文に記載されているフォローをしてみて落ち込みを軽減させてあげましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬も落ち込むことがあり、その状態が続いてしまうとうつのような状態に移行してしまう恐れもあります。そのため、落ち込んでいる様子を見せているときは、飼い主なりにできる励ましをしてあげましょう。