犬に『ありがとう』という感情はあるの?
今回は犬が飼い主に『ありがとう』を伝えている時の仕草をご紹介していきますが、その前に、犬に『ありがとう』という感謝の気持ちはあるのでしょうか。
結論から言ってしまうと、『感謝』という限定的な概念は持っていないと考えられています。現段階では、犬が人間に対して感謝することがあるのか否かを明確に検証することができていないからです。
しかし、『感謝』という概念を持っていなくても、飼い主に対して『愛情』があることは判明しています。「大好きだよ」「こうしてくれて嬉しかった」というような愛情表現は、犬にとって感謝を表現していると言っても良いのではないでしょうか。
そんな『ありがとう』にも似た愛情表現は、さまざまな仕草や行動で愛犬から発されていることに気が付いていますか?一生懸命伝えようとしてくれている愛犬に気付き、こちらも感謝の気持ちを返してあげたいですよね。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬の気持ちを理解する上で大切なのは「人間特有の考えに囚われない」があります。
人間同士では感謝を伝えない人は敬遠されがち。しかし犬には感謝と概念はない。ならば犬に感謝を求めるのは違うという事になります。犬に合わせて理解をしてあげましょう。
犬が飼い主に『ありがとう』を伝えている時の仕草
犬には『ありがとう』という概念はないものの、愛情表現や「嬉しい」といった感情や概念は存在します。そのため、ここでは『感謝』に類似する愛情表現を伝えている時の仕草をご紹介していきます。
1.深いため息を吐く
『ため息』と聞くと、呆れていたり不満だったりとネガティブな印象を受けてしまいますよね。しかし、犬の場合は、ため息を仕方で意味がまったく異なります。
短く「ふぅ」とため息を吐いた場合は、不満を表しているサインですが、「ふぅーっ」と長いため息を吐いた場合は、満足しているサインになります。
例えば、ごはんを食べ終わった後、飼い主さんの近くにやって来て、「ふぅーっ」と深いため息を吐くことはありませんか。これは「お腹いっぱいだよ。ありがとう」「美味しかったよ」と伝えてくれているのです。
2.飼い主の顔周りを舐める
犬の愛情表現の1つに、相手の顔周りを舐めるという行動が挙げられます。これは、子犬が母犬に対してする行動の1つで、甘えている相手や愛情のある相手にのみ行います。
そのため、「飼い主さん大好き」と愛情表現を伝えてくる時に、飼い主の口元や口の周りなど、顔付近を舐めてくる、あるいは舐めようとすることはよくあります。その時の気持ちを言い換えるならば、「いつもありがとう。大好き」とも捉えることができますね。
しかし、飼い主がごはんを食べた後など、飼い主の口から美味しい匂いが漂っている場合は、単純に「美味しそうな匂いがするな」と匂いに誘われてきているだけでしょう。
3.しっぽを振りながらアイコンタクト
左右にしっぽをゆらゆらと揺らしながら、飼い主のことを見る時の表情を思い返してください。目尻が少し垂れ下がり、口元も緩んでいるような表情ではありませんか。
このどことなく微笑んでいるような柔らかい表情で飼い主の目を見つめている時は、愛情を伝えようとしてくれている証です。「大好きです」「ありがとう」など、普段の飼い主の接し方や行動を見て、それに対し愛情を伝えてくれているのです。
ただし、アイコンタクトが必ずしも良い意味を持っているわけではありません。飼い主以外の知らない人をじっと見つめている場合は、『警戒』の意味が強いので、突然飛びかかることがないよう、しっかり見張っておきましょう。
愛犬からの愛情には感謝を込めた愛情で返して
犬が飼い主に『ありがとう』と感謝にも似た愛情表現をしている時の仕草や行動をご紹介しました。このような仕草や行動を見かけたら、飼い主側も精一杯の愛情と感謝を伝えてあげてください。
言葉で「ありがとう」と言うことも大切ですが、犬は人間の言葉を理解することが難しいため、愛犬にも伝わるようなスキンシップで愛情を伝えることが重要です。
愛犬が喜ぶようなマッサージをしてあげたり、一緒に遊んだり、単純に傍に寄り添い撫でてあげるだけでも、十分愛情を伝えることは可能です。自分なりの愛犬が喜ぶコミュニケーション方法で、日々の感謝を伝えてくださいね。
監修ドッグトレーナーによる補足
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬に『感謝』という概念はないものの、これに似た『愛情表現』は多数あります。ぜひこの愛情表現を見逃さず、飼い主である私たちも、日頃の感謝を積極的に伝えていきましょう。