犬が飼い主のことを『鬱陶しい』と感じている時の仕草
いつもは飼い主に甘えてくる愛犬。「私のいるのがそんなに好きなのね」と愛らしく感じますよね。しかし、24時間365日、常に飼い主と一緒にいたいと思っているわけではありません。時には、スキンシップを求めてくる飼い主に対し、『鬱陶しい』と感じていることも…。
ここでは犬が飼い主のことを『鬱陶しい』と感じている時の仕草や行動をご紹介します。下記のような仕草が見られたら、しばらくそっと1匹の時間を過ごさせてあげましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
意外だと思われる方もいるかもしれません。愛犬も自分の時間や、自分のしたいことを優先したい時だってあるのです。そんな時にはサインを出して知らせてくれます。
人を優先しないからといってわがままになったり、反抗的になる訳ではありません。純粋にタイミングの問題だったり、ちょっと待てばすんなりとこちらの問いかけに応えてくれるようにもなるんです。愛犬の自由も認めてあげて、お互い心の余裕を持って接してみましょう。
1.飼い主から離れた場所に行く
「○○ちゃ~ん」と近付いていくと、そんな飼い主さんをサッと避けるように、飼い主から遠ざかるような行動をとることはありませんか。「あれ?」となんだか寂しくなってしまいますよね。
これは「今は1人でいたいんだよね」「鬱陶しいなぁ」というサインの表れです。常に誰かと一緒にいたいわけではないため、たまには1匹でのんびり静かに過ごしたいと考えているのでしょう。
わざわざ飼い主から離れた場所に移動しているので、その後を追ったり、わざわざ近寄り抱きしめたりはせず、そっと遠くから見守ってあげましょう。
2.目を逸らす
犬が目を逸らすのには、さまざまな意味があります。例えば、「こちらに敵意はないですよ」と攻撃の意思がないことを相手に伝えている時にも、目を逸らす仕草を見せます。
しかし、中には「嫌だなぁ」というネガティブな感情を抱いている時にもこの仕草をします。飼い主さんに叱られている時にこの仕草を見せるのも、「怖いな。もう怒られたくないよ」という意思表示です。
その中に、「鬱陶しいなぁ」「今はかまわないでほしいな」といった感情が含まれていることもあります。愛犬のその他の行動と組み合わせて、「もしかしてスキンシップを断られているのかも」と感じたら、すぐに離れてあげましょう。しつこくすると嫌われる原因になることも。
3.唸る
少々攻撃的な犬であったり、あまりにも飼い主がしつこかったりすると、「鬱陶しいなぁ。それ以上しつこくするなら攻撃するぞ」という意味を込めて、静かに唸る犬もいます。
唸るという行動は威嚇行動の一種であることは、犬を飼っている人であればご存知でしょう。そのため、すぐに「あ、嫌がっているな」と判断できるはずです。
しかし、それでもしつこくスキンシップを求めたり、追いかけたりすると、噛みつくような仕草を見せたり、最悪の場合、信頼を損ねたりする恐れがあるので、注意が必要です。
4.ぶるぶるっと体を左右に振る
愛犬とスキンシップをとっていたら、突然、愛犬が体をぶるぶるっと大きく左右に揺らすような仕草を見せることはありませんか。この仕草は、犬のカーミングシグナルの一種で、「イライラ」を表しています。
つまり、前述したような状況の場合、「もういいよ」「もうやめてほしい。イライラするなぁ」と飼い主のことを『鬱陶しい』と感じている可能性が高いです。
ぶるぶるっと左右に体を振った後、飼い主から少し離れた場所で休もうとする犬も多いので、しつこくせず、「今は1匹でいたいんだな」と察してあげてくださいね。
5.短いため息を吐く
犬のため息にはいくつか意味があります。ため息を吐いたからといって、必ずしもネガティブな意味が込められているわけではありません。
しかし、「フンッ」というような短いため息を鼻から出した場合、不満やイライラが募っているサインです。飼い主がかまっている時に、短いため息を出された場合は、「鬱陶しいな」「もういいんだけどな」といった心理状態であることを察しましょう。
反対に、飼い主と遊んだ後に「フーッ」と長いため息を吐いた場合、「満足した!」というポジティブな意味を持ちます。ごはんを食べた後も同じです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬も飼い主から少し離れ、1匹でのんびり過ごしたいこともあります。今回ご紹介したような仕草を参考に、愛犬が『鬱陶しい』と感じている事を察したら、静かに過ごせる環境を整えてあげましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
どうでしたか?愛犬達の仕草にはひとつひとつ意味が含まれていたりします。何気なく見ていると見過ごしそうですね。しっかりと観察をして気持ちを受け取ってあげることも飼い主の重要なスタイルだと思います。
他にも愛犬が自分を優先したいという仕草があるんですよ。「呼んでも耳だけ動かして寄って来ない」「呼べばゴロンと転がる」「くしゃみをする」。これらが見られたら、大きな心を持って見守るのもひとつの接し方ですね。そしてタイミングをずらしてもう一度問いかけてみましょう。愛犬が安心できる環境を整えてあげると、時間が経ってから言うことを聞き入れてくれやすくなりますよ。