顔や頭を掻く仕草から愛犬の気持ちが分かる!?
人間は体のどこかに違和感や痒みがある場合、その箇所を手でさすったり掻いたりしますが、犬は足を器用に動かして掻きます。足が届く範囲であればどこでも掻くので、愛犬が前足や後ろ足を使って顔や頭を掻いているところを見かけることもあるでしょう。
愛犬が顔や頭を掻いている時は、違和感や痒みを感じているのかもしれません。でも、そうではない場合もあります。じつは顔や頭を掻くことで、その時の気持ちを示していることがあるのです。そこで今回は、犬が顔や頭を掻いている時の心理をご紹介していきたいと思います。
犬が顔や頭を掻いている時の心理
心理①満足
犬が後ろ足で顔や頭を掻いている時は、満足の気持ちを表していると言われてます。食事のあとや散歩のあとなどに後ろ足で顔や頭を掻いている時は、きっと「あ~満足!」と思っているのでしょう。
穏やかな表情と共に後ろ足で顔や頭を掻いている愛犬を見かけたら、「よかったね」などと声をかけてあげたいですね。
心理②不満
後ろ足ではなく前足で顔や頭を掻いている時は要注意です。なぜかというと、顔や頭を掻くのが前足か後ろ足かによって全く違う気持ちを示しているという説があり、それによると前足で顔や頭を掻くのは、不満の表れとされているからです。
例えば、飼い主さんがスマホやテレビなどに夢中になっている時に、愛犬が前足で顔や頭を掻いていたら、「退屈」とか「つまらない」といった不満を示しているのかもしれません。
心理③気を引きたい
前足で顔を掻いている愛犬を見て「かわいい!」と言ったり、後ろ足で頭を掻いている愛犬に「どうしたの?」と声をかけたりすると、「こうすると飼い主さんが注目してくれる」と愛犬が覚えて、飼い主さんの気を引きたい時に顔や頭を掻く仕草をするようになることがあります。
飼い主さんの目の前や、飼い主さんを横目でチラチラ見ながら顔や頭を掻いている場合は、飼い主さんの気を引きたくてこの仕草をしている可能性が高いです。このタイミングでかまってしまうと、ますます掻く仕草を繰り返すようになるので、掻く仕草をしていない時にかまって満足させてあげましょう。
病気が原因で顔や頭を掻くことも…
顔や頭を掻くのが頻繁である場合は、病気によって痒みが生じている可能性があります。犬が顔や頭をよく掻いている場合、どのような病気が考えられるのでしょうか?
目を掻いている場合
しきりに目を掻いている時にまず疑われるのは、結膜炎です。結膜炎は細菌やウイルス、アレルギーなどによって起こる目の病気です。目が充血したり、涙や目やにが増えたりします。目の痒みから、顔を床などに擦りつける仕草を見せることもあります。
ぶどう膜炎や緑内障など目に痛みを伴う病気の場合も、目を掻く仕草をすることがあります。
顔周りの皮膚を掻いている場合
アレルギー性皮膚炎、疥癬、膿皮症、マラセチア皮膚炎といった皮膚病が、顔の周辺に発症するケースは少なくありません。こうした皮膚病は痒みのほか、脱毛や発赤も見られることが多いです。
耳を掻いている場合
耳をしょっちゅう掻いている場合は、外耳炎を起こしていることが多いようです。外耳炎になる原因は、細菌やマラセチアの繁殖、耳ヒゼンダニ(耳ダニ)の寄生など、さまざまです。
外耳炎になると、ベトベトしてにおいのある耳垢がたまります。また痒みや痛みを伴うため、しきりに耳を掻いたり、頭を振ったりします。垂れ耳や耳道内に毛が多く生えている犬は耳の中が蒸れやすいため、外耳炎になりやすい傾向にあります。
まとめ
愛犬が顔や頭を掻いている時は、違和感や痒みを感じているのではなく、満足や不満、飼い主さんの気を引きたいといった心理が働いているのかもしれません。前足で顔や頭を掻いている愛犬を見かけたら念のため、不満の原因になるようなことはないか考えてみましょう。
頻繁に顔や頭を掻いている場合は病気を疑って、動物病院を受診することをおすすめします。