犬の「じっと見るときの心理」は愛情や要求
ふっと気が付くと、愛犬にじーっと見つめられていた経験がある飼い主さんも多いと思います。犬は言葉で私たちに気持ちを伝えることはできませんが、ボディランゲージや様々な行動で、その豊かな感情を伝えてくれます。熱い視線で見つめてくるのもそのひとつ。
犬が飼い主さんを見つめるのは、愛情表現や何らかの要求があるときの行動といわれています。大好きな相手をじーっと目で追ってしまうのは、犬も人間も同じのようですね。穏やかな優しい瞳で見つめられると飼い主さんも幸せな気持ちになると思います。
しかし、食事中に見つめてくるときの心理はどうでしょう?「ボクも食べたい!」「落としたら素早く食べてしまおう!」などと思っているかも。
人間はもともと他者からの視線に敏感な生き物。食事している最中に、あまりにも見つめられると気になるものだと思います。愛犬は何を感じながら、飼い主さんの食事風景を見つめているのでしょうか。
犬が食事中の飼い主をじっと見るときの心理3つ
1.分けてほしい
人間は美味しそうな物を食べている人を見ると、同じ物を食べてみたい気持ちになりますよね。美味しそうな香りの中、楽しげに食事をする飼い主さんを見て、愛犬は「ボクも食べてみたい…」と感じていることでしょう。犬は人間と比較すると圧倒的に味覚が鈍く、いつもの食事は「ニオイ」で楽しんでいるといわれています。香りの強い料理が食卓に並んだ日は、特に興味津々に見つめているのではないでしょう。
また、犬の胃袋は容量が大きいため、私たち人間のように満腹感を得ることがあまりありません。これは犬が野生時代に狩りをして生きていたころ、食いだめできる胃袋が必要だったからのようです。毎日しっかり愛犬にご飯を与えていも、「もう食べられないくらいお腹いっぱい」と感じることはほとんどないのでしょう。お腹がペコペコでなくても、いつでも食べたい気持ちはあるようです。
2.仲間に入りたい
犬はもともと群れで生活する生き物なので、単独行動を好みません。家族のみんなが揃って食事をしているとき、自分だけ仲間に入れないことを寂しく感じている可能性もあります。ましてや美味しそうな香りの中、自分以外のみんなでおしゃべりしながら、楽しく食事をしていると、その気持ちは強くなってしまうかも。日頃から家族が楽しげに話をしていると、間に割って入ってくる子はこの傾向が強いかもしれません。
3.「またもらえるはず」と思っている
飼い主さんの食事中、1度でも食卓から食べ物を分け与えてしまったことがある場合、その経験から学習してしまい「じーっと見ていればもらえる」と思っている可能性も。飼い主さんとしては「今日だけ特別だよ」や「1回だけなら…」という気持ちで与えた場合でも、愛犬にその気持ちは理解できないのです。
熱い視線に耐えかねて、また何となく可哀想な気持ちになって与えてしまうかもしれませんが、愛犬にとってはその後、もらえないことの方が辛くなります。食事中にじーっと見つめられるのを防ぐには、最初から何も与えず無視しておくのが一番です。
飼い主さんの食事中の「犬の問題行動」とは
穏やかに待っている犬は大丈夫
犬にとっての食事は「楽しい」ものでもあり、もちろん「大好き」なものでもあります。飼い主さんの食事であっても、食べ物に対して強い興味を持ち、見つめてくるのはごく自然な行為でもあります。飼い主さんの食事中、じーっと見てくることはあっても、激しい要求をすることなく、穏やかな表情で見てくるようであれば、特に大きな問題はないと思います。
騒ぐ犬には教えてあげましょう
しかし、飼い主さんがゆっくり食事ができないほど、騒いだり要求吠えをしたりしてしまうようであれば、一度対処法を考えた方がいいですよね。食事中に騒いでしまう子は、基本的に食卓に上っている料理が「人の食べ物」ということを理解できていません。
子犬のうちから、食卓に上った物を与えないよう徹底すると、「自分が食べられるものではない」と学んでくれます。いっぽう1度でも食事を分け与えてしまった犬に対しては、一から教えてあげる必要があります。基本的には吠えて要求してきても無視をし続けるのが一番です。家族全員で徹底しましょう。誰か一人でも分け与えてしまうと意味がなくなります。時間はかかると思いますが、「これは食べられないもの」と諦めるまで何日でも続けてください。
まとめ
食事は犬にとっても飼い主さんにとっても楽しいものですよね。食卓に上った物を分け与えるのは、しつけの面を考えただけでなく、人が食べる物は犬が食べると中毒症状を起こしてしまう物もあります。もちろん、野菜や果物など犬にとって安全な食べ物もありますが、誤って調味料を使った料理を与えてしまうなどの危険性を考えると、食卓に上った物を与えるクセはつけない方がいいですね。愛犬には愛犬の食事を思う存分楽しんでもらいましょう。