犬のしぐさで気持ちが分かる!
犬のしぐさや行動には、さまざまな意味が込められているのをご存知ですか?犬はボディランゲージを通して、自分の感情を相手に伝えることがあります。犬のボディランゲージは「カーミングシグナル」とも呼ばれ、犬自身や他者を落ち着かせるためにとるしぐさだと考えられています。
飼い主がしぐさの意味を知ることができれば、愛犬への理解が深まり、コミュニケーションが取りやすくなります。犬の気持ちがわかるしぐさにはどのようなものがあるのでしょうか。
犬の気持ちが分かるしぐさ①飼い主の顔を舐める
甘えたい
犬が飼い主の顔を舐めるしぐさは、かまってほしい時や甘えたい気持ちの表れと言われています。なつく相手にとるしぐさのひとつなので、愛犬が顔を舐めてきたらたくさん甘えさせてスキンシップを取り、「飼い主が好き」と言う気持ちに応えてあげましょう。
信頼している
犬のしぐさで飼い主や他の犬の顔を舐めるのは、自分より強い相手への挨拶だと言われています。これは犬の代表的なカーミングシグナルで、信頼している相手に対しての愛情表現のひとつです。口元を舐められたら、愛犬から信頼されていると捉えてよいでしょう。
お腹が空いている
お腹が空いている時や落ち着かない時にも、犬が飼い主の口の周りを舐めるしぐさをします。これは子犬の頃の習性で、母犬に空腹を伝える時に口元を舐めていたためです。また、飼い主が食べたもののにおいを感じて、口元を舐めることもあります。
犬の気持ちが分かるしぐさ②体を擦り付ける
においをつけたい
飼い主に体を擦り付けてくるという犬のしぐさは、自分のにおいを大好きな飼い主に付けたいという心理の表れです。ソファや床などにスリスリして体を擦り付けているしぐさは、好きなにおいを自分につけたいと感じているためかもしれません。体を擦り付けるという行為は、他のにおいをつけて自分のにおいを消すことで獲物に気づかれないようにするという、野生時代の名残とも考えられています。
満足した気持ち
犬は満足した気分の時に、仰向けになって床に背中を擦り付けるしぐさをします。食事の後や飼い主にたくさん遊んでもらった後に、犬が床に寝転がって喜ぶ様子で背中を擦っていたら「満足した」というサインだと受け止めましょう。
自分の方が上だと思っている
犬がスリスリしてくるしぐさは基本的には愛情表現と捉えられますが、飼い主が床に寝そべっている時に頭や顔に体を擦り付ける時は注意が必要です。犬は「自分の方が上だ」と主張する相手に、自分の頭や体を擦り付けることがあるからです。犬に主導権を握られていないか愛犬との関係を見直しましょう。
体がかゆい
犬のしぐさでも犬が異常に体を擦り付けてきたり、何度も体の一部だけこすりつけたりしている時は、体がかゆいのかもしれません。ノミやダニの寄生や皮膚病、アレルギーなどの症状の可能性も考えられますので、気になる場合は早めに獣医師に相談しましょう。
犬の気持ちがわかるしぐさ③飼い主の膝に乗る
安心している
飼い主の膝に乗ってくるという犬のしぐさからは、安心して身を任せており、居心地が良いという心理を読み取ることができます。甘えたい時やかまってほしい時にも飼い主の膝に乗ることがあるので、愛情不足にならないようしっかりとスキンシップをとるようにしましょう。
不安を感じている
犬が膝に乗りたがる時は、何か不安に思うことや、ストレスを感じている可能性があります。落ち着きがなく飼い主のそばを離れないといったしぐさを見せる場合は、原因を探り、不安やストレスを取り除いてあげることが大切です。
自分の方が上だと思っている
犬を飼い主の膝からどかそうとした時に、唸ったり噛んだりするしぐさをした時は、自分の方が上だと誇示している場合もあります。飼い主の指示を聞かないことが続くようであれば、犬との信頼関係の見直しが必要かもしれません。
犬の気持ちがわかるしぐさ④あくびをする
気持ちを落ち着かせたい
犬があくびをするしぐさは、相手や自分の気持ちを落ち着かせるためのカーミングシグナルのひとつと言われています。犬は他の犬と一緒にいる時、お互いの緊張をほぐし敵意が無いことを伝えるためにあくびをするときがあるようです。
反省している
犬を叱っている最中にあくびをしたら、反省しているという意味だと考えられます。基本的に、犬が過去を振り返って反省することはありません。しかし、あくびは犬が緊張をほぐすためにしている場合があるので、このしぐさが見られたら叱りすぎることのないよう注意しましょう。
退屈している
犬も眠い時や退屈な時のしぐさであくびをします。人間のあくびと同じように、飼い主があくびをすると犬にもうつるという研究結果もあるそうです。長いお散歩の後やたくさん遊んだ後、眠そうな時は静かな環境を作ってあげてください。退屈そうにあくびをしている時は、時間を作って一緒に遊んであげるとよい気分転換になるでしょう。
犬の気持ちがわかるしぐさ⑤犬が唾を飲み込む
緊張している
犬が唾を飲み込むしぐさは、緊張している時やストレスを感じている時によく見られる行動です。唾を飲み込むだけでなく、鼻を舐めたり、口を開け閉めしてパクパクさせたりしているのも緊張しているサインです。犬の様子をよく観察して、緊張やストレスの原因を取り除くようにしましょう。
口腔内や喉に違和感がある
犬が唾を飲み込むしぐさをする時は、吐き気や口腔内の違和感など何らかの体調不良であることも考えられます。唾を飲み込むしぐさと合わせて吐く、ぐったりしているなどの様子が見られた場合は、異物を誤飲している可能性もあるので注意が必要です。様子がおかしいと感じたら早めに獣医師に相談しましょう。
犬の気持ちがわかるしぐさ⑥足を上げる
かまってほしい
犬が飼い主に向かって片足を上げるしぐさは、かまってほしくて気を引いているのだと考えられます。前足を上げるしぐさは「パピーリフト」とも呼ばれます。これは子犬の頃に、母犬に母乳を催促するための行動の名残です。
敵意がないことを伝えている
犬が手招きするように前足を上下に動かすしぐさは、相手を落ち着かせたり、敵意がないことを伝えるための行動です。カーミングシグナルのひとつと言われており、片足を上げるしぐさをすることで、自分も落ち着こうとしています。
しかし、片足だけ上げたまま歩いているようであれば、足を痛めているのかもしれません。様子を観察して早めに動物病院を受診しましょう。
まとめ
いかがでしたか?犬のしぐさには色々な意味が込められています。同じしぐさでも、状況によっては喜びや親愛の表れであったり、ストレスが原因であったりと反対の意味を持つ場合もあるようです。気持ちを理解したい時は、愛犬の様子をよく観察してみましょう。そして今まで以上に心を通わせ合えるといいですね。