犬がイスやテーブルに乗る心理とは?
犬が飼い主が使っているテーブルやイスの上に乗ってしまうという話は珍しくありません。飼い主としてはしつけの一環としてもやめてほしいと思いますが、なぜ犬はテーブルやイスの上に乗ろうとするのでしょうか。
1.食べ物の良い匂いがテーブルに残っている
テーブルの上に犬が乗ってしまう場合、多くがテーブルに食べ物の良い匂いが残っているという理由が挙げられます。もしも犬がテーブルの上に乗った際、テーブルの上の匂いを嗅ぎ廻っているのであれば、食べ物の匂いを嗅いでいるのでしょう。
犬は飼い主の行動をよく見ています。「飼い主さんはいつもこの場所でごはんを食べている」「美味しそうだな」という気持ちから、ついテーブルの上に乗ってしまう食欲旺盛な犬は少なくありません。
もちろん、テーブルの上に乗る際は食べ物がない事を理解していますが、それでも「少しでも匂いが残っているかも」と期待を持って乗ってしまうのです。動物的本能とも言えますね。
2.敵に狙われないようにという本能
犬は人間と共存し長らく経った今でも野性時代の習性や本能が残っています。現在は家の中であり、基本的には危険な敵はいませんが、野生として生きていた頃の「敵には注意しろ」という本能が残っています。
そのため、テーブルやイスに犬が乗ってしまうのは、敵に狙われないよう、少しでも高い位置に行こうとする犬の本能が関係していることもあります。
現在は「敵はいない」と理解している犬ですが、元々遺伝的に持っている習性として、敵に狙われない高い位置にいると安心する犬もいるようです。
3.見張り番のために高い位置に上ろうとする
こちらも野性時代の名残の1つです。犬は仲間と群れで行動を共にしていました。その中にはリーダーやリーダーを守る役目の犬など、役割もしっかりあったと考えられています。役割の1つに仲間が敵に襲われないよう見張りをする犬もいたという説があります。
見張り番の犬はなるべく高い位置に移動し、敵が近くにやって来ていないか、あるいは敵がどこにいるかを聴覚や嗅覚から気配をキャッチし、敵が近くにやって来たらいち早く仲間に知らせることができるように行動していたのです。
そのため、人間の家族となった今でも「家族の見張り番」として責任感を持った犬は、なるべく高い位置に居ようとするのではないか、と考えられています。部屋の中で高い位置は限られているため、テーブルやイスを選択してしまう子もいるということです。
4.飼い主の真似をしてイスに上る犬も
犬の中には自分を飼い主と同じ人間だと思い込んでおり、人間の子どものように飼い主の真似をしようとする犬もいます。飼い主が食べている物と同じ物が食べたい、飼い主と同じ所に行きたい、そして飼い主と同じ事をしたいという気持ちです。
犬は飼い主がいつもテーブルを使っているところ、イスに座っているところを見ています。そのため、「僕も飼い主さんと同じ事をしたい」という気持ちから真似してテーブルやイスに乗ってしまう犬もいるのです。
特にまだ関係性を理解していない子犬に多く、早い段階から「テーブルやイスには乗ってはいけない」と教えることで、このような行為をやめさせることができます。
犬がイスやテーブルに乗らないようにするために
犬がイスやテーブルに乗ってしまう理由には、誘惑や本能的な習性、さらに飼い主に近付きたいという心理が関係しています。しかし、あくまでテーブルやイスは人間が使う家具です。したがって、これらに乗ることはダメなことと教えなければいけません。では、どのように「ダメなことである」と理解させるのでしょう。
コマンドで学習させる
既に「ダメ」「お座り」「待て」のコマンドを学習している犬であれば、低い声で「ダメ」と合図しテーブルの上から降りるよう指示します。その後、一度お座り、待てを指示し、この一連の流れが上手にできたら褒めてあげてください。これを繰り返すことで「テーブルの上に乗ることはダメ」と学習することができるでしょう。
子犬の場合は恐怖体験を与える
しかし子犬の場合、まだこのコマンド自体を覚えていないことも多いでしょう。その場合は、「テーブルの上に乗ったら怖い思いをする」という恐怖体験をさせ、やめさせる方法があります。もちろん、体罰はいけません。
よく行われるしつけ方法として、悪い事をしたらその度に大きな音を出すという方法があります。普段から嫌いな音がある場合はその音を利用したり、新聞紙で他の場所を強く叩き音を出すという方法もあります。
これを繰り返すことで「テーブルの上は嫌なところ」と学習させ、テーブルに乗らないようにしつけることが可能です。
まとめ
いかがでしたでしょう。犬がテーブルに乗ってしまうのは、決して「飼い主を困らせよう」という意図からではありません。しかし、テーブルに乗ることはマナー違反です。ダメなことはダメとしっかり教え、より愛犬とのコミュニケーションの向上に繋げましょう。