子犬の鳴き声から分かる気持ち
ワンワン
「ワンワン」と高いトーンでリズムよく鳴いている場合は、子犬が嬉しい時です。キラキラと目を輝かせたり機嫌よくしっぽを左右に振ったりするので、飼い主もわかりやすいのではないでしょうか。
反対に、低いトーンで連続して「ワンワン」と鳴くのは警戒している気持ちが強い時です。来客があった時や郵便配達のバイクの音などに反応する場合にこのような鳴き声になります。
また、低く短く「ワン」と鳴く時は制止、鋭く「ワンワン」と鳴く時は何かの要求の表れであることがあります。鳴き声のトーンや回数で、子犬がどのような気持ちなのかを見極めるとよいでしょう。
キャンキャン
子犬の「キャンキャン」という鳴き声にはおねだりの意味があり、ごはんや散歩を待っている時にこのような鳴き方になります。飼い主が応じすぎてしまうと要求がエスカレートすることもあるので注意しましょう。
短く「キャン」と鳴く、悲痛な様子があるなどの時は急な痛みや病気を訴えている可能性もあるので、連続して鳴く場合は体に異常がないか確認するとよいでしょう。
クーン
子犬が弱々しく「クーン」と鳴く場合には、不安や恐怖の気持ちが含まれています。初めての場所に行ったり苦手なものを見たりした時に鳴くことが多く、同時にしっぽを足に巻き付けたり耳を垂らしたりすることもあります。
高い声で「クーン」と伸ばしている鳴き声の時は、飼い主に対して心を開いているという気持ちの表れです。お腹を見せて服従のポーズを見せることもあります。
その他、遊んでほしい時など要求をするために甘え鳴きをすることがあります。どの程度まで対応するかは、その時の状況によって判断しましょう。
クンクン、キュンキュン
子犬がかまってほしい時は、高めの鼻にかかったような声で「クンクン」または「キュンキュン」と鳴きます。食べたいものや欲しいものが目の前にあったときにこのような鳴き声を出す場合は、要求の表れです。
一方、弱々しく「クンクン」と鳴く時は寂しい気持ちの表れかもしれません。落ち着きがなくうろうろしたりしながらこのような声を出すことがあるでしょう。
ウー
「ウー」という鳴き声は、子犬が警戒している時や威嚇をしている場合に発せられることが多いです。鳴き声とともに、歯を剥きだしにする、しっぽを高く上げて前傾体勢になるなどの態度をとっている場合は手を出すと噛まれる危険もあるので注意が必要です。
おもちゃの引っ張り合いなどで、自分のものだと主張するために唸ることもあります。欲しいものに執着しすぎて攻撃をしてくるようであれば、しつけの見直しをしましょう。
子犬の鳴き声がやまない原因
甘えている
かまってほしい、寂しいなどの甘えの気持ちを表している時に子犬の鳴き声がやまないことがあります。犬舎やペットショップなど母犬や兄弟犬、仲間のいる環境から離れ、家に連れてこられた初日や、夜飼い主と離れて眠る時によくあるようです。
体調が悪い
子犬が鳴き続ける時は、ケガをしている、喉がかわいたなどの体調不良が原因となっている場合もあります。鳴き声が弱々しい、食欲がない、動きがおかしいなど普段の様子と違うと感じたら、早めに医療機関を受診させましょう。
居心地が悪い
子犬の鳴き声がやまない原因が精神的理由や体調不良でない時は、生活環境が要因の場合があります。部屋や小屋が広い、狭い、暑い、寒いなど、これまでの環境と異なったり温度に適応できなかったりすると鳴き続けることがあるようです。
子犬が鳴きやまない時の対策
鳴いても応じない
子犬が甘え鳴きや要求吠えをし続ける場合は、鳴いても相手にしないのが一番です。応じてしまうと鳴き声がやまなかったり要求がエスカレートしたりする可能性があるので、きちんとメリハリをつけた対応をする必要があります。
飼育スペースを確認する
生活環境が要因で子犬の鳴き声がやまない場合は、すぐに対策をとることができます。トイレに汚物がないか、飲み水があるか、周囲に刺激のあるものはないか、部屋の温度は適温かなど一度飼育スペースを確認し、子犬が生活しやすい環境を整えてあげましょう。同時に、健康状態やケガの有無を確認することも大切です。
防音グッズを活用する
子犬の鳴き声がうるさい時は、防音ボードや防音マット、防音カーテンなど、音漏れをシャットアウトできる便利なグッズを使用するのも方法の1つです。夜の遠吠え対策など近隣への対策としてこれらを活用するのもよいかもしれません。
ハウス(クレート)を飼い主のそばに設置する
子犬が安心するように、鳴き声がひどい時はハウスやクレートを飼い主のそばに設置するという方法もあります。子犬が安心して鳴き声が落ち着いてきたら、徐々に距離をとっていくとよいでしょう。
子犬の鳴き声に関するしつけ方
子犬には、鳴き声の種類に応じて適切なしつけをすることが大切です。
要求吠え
ごはんやおやつ、散歩などの要求吠えには、我慢させるしつけをしましょう。甘え鳴きや警戒吠え、遠吠えなどに対しても同様です。鳴き声に対して飼い主が応じてしまうと、子犬は学習してどんどん要求を通そうとしてきます。逆に言えば自分の要求が通らないことがわかると鳴き続けるのをやめるようになるので、「鳴いたら何かをしてくれる」と子犬に思い込ませないようにしましょう。
無駄吠え
来客時のチャイムの音やサイレンの音などに対する警戒心からくる無駄吠えには、「吠えると嫌なことが起こる」と学習できるしつけが有効です。子犬が吠えたらそばに物を落とす、大きな物音を立てるなどして驚かせ、警戒することを忘れさせましょう。
この時、飼い主がその行為に関わっているとわからないようにするのがポイントです。子犬が吠えるのをやめたり思いとどまっったりしている時は、大袈裟に褒める、ご褒美をあげるなどして「吠えなければよいことがある」とわからせましょう。
練習方法の1つとして、スマホなどで苦手な効果音を小さめの音量で流し、吠えなければ褒め、徐々に音量を上げるなどして音に慣らしていくのもよいでしょう。他にも子犬が吠えそうな時に別の音を出したりコマンドを指示したりすることで、吠える音から気をそらす方法もあります。
飼い主にとっては根気のいることではありますが、子犬のうちからきちんとしつけをすることでその後飼いやすくなることも確かです。体調面や環境面に気を配りながらも、鳴き声に応じてきちんとしつけをし、子犬との信頼関係を深めていきましょう。
まとめ
子犬は鳴き声を使い分けることで様々な気持ちを表しています。子犬の要求が行き過ぎると無駄吠えになってしまうので、近所迷惑にならないためにも、夜鳴きでノイローゼにならないためにも、飼い主が犬の気持ちを汲み取り、適切な対応をすることが大切です。鳴き声の原因は何かを考え必要な対応としつけをすることで、子犬との生活がより楽しくなるとよいですね。