犬が外に出たがらないときの心理とは?

犬が外に出たがらないときの心理とは?

犬は外で元気よく走り回ったり、お散歩に行きたい!連れていって!とおねだりをするイメージが強いですよね。しかし、中には外に出たがらない犬も結構存在するんです。そこで、今回は犬が外に出たがらないときの心理とはどんな状態なのかご紹介していきます。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬が外に出たがらないときの心理は大きく分けて4つ

リードを引っ張られて拒否するダックスフンド

犬は基本的にお散歩が大好きな動物ですが、何らかの理由で外に出たがらないときがあります。
では、犬が外に出たがらないときの心理はいったいどのような状態なのか、一般的に考えられるものを1つずつお教えしましょう。

外が怖い

子犬の頃によくあることですが、「初めてお散歩に連れていこうとしたら怖がってしまった」なんて経験を持っている人は少なくないと思います。子犬の頃に外で怖い経験をしてしまうと、ずっとその経験が染みついてしまって、成犬になっても外に出たがらなくなってしまうことがあります。

しかし、今までは普通に外に出たがっていたのに、ある日突然外に出たがらなくなることもあります。そんなときは、そうなる前に何か驚いたり、怖い経験をしたりしなかったか思い出してみましょう。

体調不良や体に痛みがある

病院で診察を受ける犬

特に怖い経験をしたわけでもなく、犬が突然外に出たがらなくなったら、もしかすると体にどこか異常がある可能性があります。
そんなときは、元気・食欲はあるか?どこか痛がる場所や触らせたがらない場所があるか?など、いつもと違った様子がないかよく観察してみてください。もし、様子がいつもと違うと感じたらすぐに動物病院へ連れていきましょう。

首輪がきつい・嫌い

大きな首輪をかけた子犬

しつけをする上で首輪は非常に適したツールであり、同時に犬をかわいらしく見せるおしゃれアイテムになることも少なくありません。
しかし、適した首輪を付けてあげないと首輪が嫌な刺激となって、外に出たがらなくなってしまうこともあるでしょう。
また、最初からすんなり首輪を付けさせてくれる子ならいいのですが、もしそうでない子なら子犬の頃から首輪に慣れさせるトレーニングが必要です。
もちろん、成犬でも首輪に慣れてないのであれば、同じようにトレーニングをすることで時間はかかったとしても慣れることができるので、大好きなおやつなどを使って首輪トレーニングをしましょう。
首輪以外にも、ハーネスが嫌だ、雨の日に着るレインコートが嫌だ、などということもあります。

飼い主への甘え

外に出たがらないというよりも、「外に出てもいいけど、外に出たいけど、抱っこじゃなきゃやだ」といった場合もあります。
これは単純に飼い主に甘えて大好きな抱っこをして欲しい、ということであり、それに応えてあげることでさらにその甘え(ワガママ)を助長させてしまうことがあります。
何か怖い思いをしたことがある、外に苦手なものがある、首輪やハーネスが嫌だ、などの他の原因がなさそうで、抱っこが大好きだから外に出てもずっと抱っこしていて欲しいと思っているようであれば、犬が少しでも自分で歩いた時にほめたり、室内で行っている大好きな遊びを外でもやってみたりして、外で体を動かすことを楽しいことだと思わせましょう。

犬が外に出たがらないときの心理を読み取って対処しよう

青いリードを咥える犬

犬が外に出たがらないときの心理で一般的に考えられるものをあげましたが、理由もなく外に出たがらない犬は存在しません。外に出たがらないにはそれなりの理由が必ず存在するので、まずはなぜ出たがらないのかをしっかり見極めて、それに合った対処をするようにしましょう。

また、正しく社会化ができていないと「飼い主や家の中以外は怖い!」となってしまうため、子犬が外を怖がっているようであればまずは抱っこでいいので少しだけ外に出て、外の雰囲気に慣れさせてあげるといいですね。

犬が外に出たがるようになるトレーニング方法

クリッカーとオヤツを持った飼い主と訓練中の犬

犬が外に出たがらないときの心理として最も多いのは、外に対して怖いイメージがあることです。
何がきっかけで怖いイメージをもってしまったかがわからなくても、とにかく「外に出ても怖いことは何も起こらない」「外は楽しい!」といった経験さえ重ねていけば問題ありません。外で何に怖い思いをしてしまったかが分かる時は、もちろん同じことが起きないようにすることも重要です。
外に慣れさせる段階では、犬が外に出た時に少しでも怖い思いをしないことがとても重要です。人通りや車通りが少ない時間帯や場所を選んで外に慣れさせるトレーニングを行いましょう。

ちょっと外に出るときに犬も一緒に出る

お散歩のときだけではなく、新聞を取りに出るときや庭に出るときなど、わずかでも外に出るときに、犬と一緒に外に出て、まずは外に慣れさせることから始めましょう。
こうすることで、外は嫌な場所ではないということを覚えさせることができ、外が日常的な場所の一つとして認識できます。
また、このときは慣らすことが目的なので、抱っこでも構いません。

自分の意思で外に出るようにする

飼い主と一緒に外に出ることに慣れてきたら、次は首輪にリードを付けて外に出るトレーニングをします。このトレーニングを行うまでに、室内で首輪とリードをつけて歩くことに慣れさせておきましょう。
このとき注意しなければいけないのは、「自分の意思で外に出るようにする」ということです。
決して「ほら行くよ!」と無理にリードを引っ張って外に出すのではなく、「おいで~!楽しいよー!!」と飼い主自身が楽しい場所へ犬を誘うようにします。
また、同時におやつやフードを使っても構いません。
すぐに出てくる子もいれば、時間がかかる子もいますが、自分の意思で外に出て飼い主の元まで来たら、必ず全力でほめてあげましょう。

毎日繰り返す

ずっと家にいる人であれば、一日に数回こうしたトレーニングの時間を作って繰り返すことをおすすめしますが、仕事などでなかなか家にいる時間が取れないといった方も少なくありません。
そうしたときは、ふだんは外に慣れさせることだけを意識して毎日できるだけのトレーニングを行い、首輪とリードを付けて外で歩く練習を行うのは、時間のあるお休みの日にしてみましょう。
大事なのは少しずつで良いので繰り返し継続して行うことと、必ず自分の意思で外に出てくるまで誘い出てきたらいっぱい褒めることです。

まとめ

おもちゃを咥えて走る3匹の犬

犬が外に出たがらないときの心理としては、外に対する恐怖心が大きいことが多いでしょう。

もちろん、それ以外にも体調不良や単なる甘えといったこともあるため、まずはしっかり室内での行動や外に出た時の反応を観察して原因を探ることが大事。

そして、恐怖心で犬が外に出たがらないようなら、「外に出ても怖いことは起こらない」ことを繰り返し経験させると同時に「外に出たら楽しいことが起きる」ことを経験させて改善することができるため、毎日のトレーニングで楽しい気持ちをどんどん増やしていってあげましょう。

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