犬は自分のことを人間だと思うのか?
家の中で暮らすことが主流となってきている日本の犬ですが、生活環境や飼い主との関係性の変化に伴い「犬が自分を勘違いしているのでは?」などということが言われるようになってきました。飼い主が「この子は自分を人間だと思っているのでは?」と感じる理由として多く挙げられるのが、行動や表情が犬らしくなく人間と同じであるというもの。
特に布団の中に入って枕を使って寝たがったり、食事時に椅子に座って家族に混ざろうとしたり、ソファに座ってテレビを見ていたりする様子を見ると、「まるで人間みたい!」と思っても無理はないでしょう。
また、子供と争うようにお母さんの膝の上を取り合う姿や、お母さんに抱っこされる子供に嫉妬のような表情を見せることなどからも、人間のようだと感じる飼い主さんは多いようです。
実際犬が自分を何者だと思っているかは正確にはわかりませんが、同じ空間で同じときを共有しているからこそ、自分も飼い主と同じ種類の生き物であると考えてもおかしくはありません。
群れ社会で生きることが本能的に刷り込まれている犬ですから、一緒に暮らしている者に対しては同種の仲間であると考えてもおかしくないでしょう。
そのため、飼い主家族がしている行動を真似て行動することがあり、そのことが「人間だと勘違いしている」と思われる要因になるのだと思います。
犬が自分を人間だと思うことの問題点
犬が自分のことを人間だと思っているような行動、仕草、表情というのは飼い主から見るととても微笑ましいものですよね。
では、犬が自分を人間だと思うことに問題や危険性はあるのかということを考えてみましょう。
犬が自分を人間だと勘違いして、人間と同じような行動や表情を見せること自体は特に問題となることではないと思います。
しかし、自分が飼い主と同等にある、もしくは飼い主よりも上の立場にあると思った場合、飼い主の指示に従わなくなったり、気に入らないことがあると威嚇や攻撃行動を見せるようになったりすることがあります。
そうなると飼い主との関係性がうまく築けなくなってしまったり、しつけが思うようにできなくなってしまったりして、トラブルや問題行動につながることも少なくありません。
犬に立場を勘違いさせてしまう飼い主の行動
犬が自分を飼い主と同じ種類の生き物、つまり人間だと勘違いしてしまうことは同じ空間で生活している場合、容易に起こりうることだと思います。
しかし、飼い主が適切な対応を取ることで、それらはある程度防ぎ「犬は犬、人間は人間」と必要な区別をつけることはできると思います。
犬が食事や睡眠、遊び、外出など生活の多くの場面で飼い主と時間を共有し、同じような行動をしていると、どうしても自分も人間と同じだと勘違いしやすくなります。
そのため、食事の時間や場所を分けたり、車に乗るときはケージやバッグの中に入れたり、寝るときも自分のベッドで寝かせるようにする、ソファには乗らせないなど、に地上的に人間との行動に違いを示していれば、犬も理解するようになるでしょう。
<まとめ>犬が自分を人間だと思うことについて
犬が自分のことを人間だと思っている姿は見ていて面白いですし、かわいらしいと感じるものだと思います。
しかしそれが行き過ぎてしまうと、場合によっては問題行動につながってしまうことがあるということも覚えておいた方がいいでしょう。
ただし、この記事で挙げたように「一緒のベッドで寝る」「食事は同じタイミングで」など、日常生活でのルールを守らないからと言って、必ずしも犬が自分も人間だと勘違いしたり、それに伴う問題行動を引き起こしたりするというわけではありません。
一緒にベッドに寝ていても、ソファに乗せても問題行動が見られない場合は、特に制限しなければならないというものではありません。
ですが、犬が飼い主の指示に従わない、飼い主に対して攻撃行動を起こすなどの問題があれば、このような日頃の接し方から改善する必要があるかもしれません。