お腹を見せる
わんこの降参ポーズとして一番よく知られているのが、お腹を見せるポーズ、いわゆる『ヘソ天』ポーズではないでしょうか。
わんこを含めた多くの動物にとって、重要な臓器が集まる上に被毛の少ないお腹は、襲われると致命傷になる急所です。
その急所をあえて相手にさらけ出すことで、「私はあなたに逆らう意思はありません。ほら、その証拠にお腹だって見せちゃいますよ」と伝えているのです。
このように、一般的には降参ポーズ、服従ポーズとして知られている『ヘソ天』ですが、実はそれ以外の意味もあるということをご存じでしょうか。
まず1つ目は、リラックスしているときです。
急所を全く気にしなくて良いくらいリラックスして気持ちが良いときも、わんこはお腹を出してしまいます。
また、2つ目は、飼い主さんに甘えているときです。
「お腹をなでて!」と訴えているので、そのときは思う存分可愛がってあげてくださいね。
監修ドッグトレーナーによる補足
実は怯えている時もお腹を見せます。この時に近づくと噛まれる可能性があるのを知っておきましょう。
ストレスの高い時にお腹を見せて来たなら、そっとしてあげましょうね。正に「窮鼠猫を嚙む」になってしまいますからね。
しっぽを内側に巻く
わんこにとって、しっぽは感情が最もよく表現される部分です。
しっぽをくるっと内側に巻いて、脚の間にしまってしまうポーズも、代表的な降参ポーズの1つです。
このポーズは、特に、相手に対して恐怖を強く感じて怯えているときに出やすいとされています。耳を伏せたり震えたり、わかりやすい降参ポーズですよね。
「しっぽを巻いて逃げる」なんて慣用句もありますが、この言葉もわんこのこの行動に由来しているといわれています。
目を逸らす
イタズラをした愛犬を叱っているときに、愛犬が目を逸らしたことはありませんか?
叱っている最中にこの行動をとられると、「よそ見してないで、ちゃんと聞きなさい!」と思ってしまいがちですが、対峙している相手からスッと目を逸らすのも、わんこの降参ポーズなんです。
本来、わんこにとって相手と長く目線を合わせるというのは、攻撃体勢を意味します。
そのため、対峙している相手から目線を逸らすことで「私はあなたと戦うつもりはありませんよ」と意味しているのです。
お説教中にわんこがこのポーズをとったからといって、あまり叱らないであげてくださいね。
監修ドッグトレーナーによる補足
お説教で目を合わすのはご法度!なぜなら噛まれる可能性が高まるからです。格闘技を想像してください。選手達の目線はどこを捉えていますか?相手選手ですよね。
つまり「相手を見る=攻撃」の図式が成り立つといえます。犬が人を噛む時も同じです。噛もうとしているところに目線が行きます。以上のことから、目線は逸らした方が安全だといえるのです。
おもらしをする
強い相手と出会ったときに、仰向けに寝転がっておもらしをしてしまうわんこがいます。
人間も恐怖を感じたときに、おもらしをしてしまうことがありますが、わんこの場合にはまた少し理由が違います。
実は、意外なことに、このおもらしにも降参の意味が含まれているのです。
わんこは赤ちゃんのころ、お母さんに陰部を舐めてもらうことで排泄を促してもらっておしっこをしていました。
そのため、おもらしをするということで「自分は赤ちゃんのように小さくて弱いので、攻撃しないでください」と訴えているのです。
監修ドッグトレーナーによる補足
精神が敏感な犬は成犬になってもおもらしが落ち着きにくい傾向があります。それは「ひとつの個性」として受け止めてあげましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
降参ポーズを知っておくことで、愛犬との意思疎通を円滑にして、良好な関係を保つ助けになるかもしれません。
また、特に他のわんこと遊んでいるときには、遊びなのかケンカなのか区別がつきにくい場合があります。
そんなとき、この降参ポーズを知っていれば、愛犬がどのくらい本気で追いつめられているのかがわかります。
事故防止のためにも、正しい知識を持つことが大切ですよ。