飼い主を不安にさせる!?犬の突然の大暴走
犬は時々、人間からすると不思議な行動を取ることがありますが、「突然走り出す」というのもそのひとつではないでしょうか。
愛犬が突然、マッハのスピードで部屋中を大暴走した後、ハァハァとパンティングをしながら床に伏せる一連の行動を目の当たりにすると、「何かに取りつかれたのでは?」「気が触れてしまったのでは?」と不安になる飼い主さんも少なくないでしょう。
わが家の4歳の愛犬もたまに、突然走り出して部屋を何往復も大暴走してから伏せるという行動を取ります。
たった数分間の出来事なのですが、9キロの柴犬ですので暴走のあとはラグがぐちゃぐちゃになっていたり、ソファがずれていたりしますし、換毛期には大量の抜け毛が床に散乱していたりもするので、掃除をした直後に暴走されるとちょっと泣きそうになります。
それにしても、突然走って伏せるという不思議な行動を取るときの犬の心理とは、一体どのようなものでしょうか?これが分かれば、飼い主さんの不安も軽減されるかもしれません。
ということで今回は、犬が突然走って伏せるときの心理について迫ってみたいと思います。
犬が突然走って伏せるときの心理3つ
犬が突然走って伏せるときの心理はひとつではないようですが、犬の表情や走り出す前の出来事からその心理を読み取ることができそうです。3つご紹介していきます。
①うれしくて興奮
飼い主さんが帰宅して、お利口にお留守番してくれていた愛犬をなでようと思ったら、突然愛犬が猛スピードで走り出してなかなか触れず、数分後に伏せて落ち着き、ようやくなでられた…という経験はありませんか?
犬はうれしいことがあると、興奮のあまり走ってしまうことがあります。
このときの犬の目はキラキラしていて、口元も緩んでいるので、うれしくて興奮していることが表情からも伝わってきます。
幼い子供がうれしいことがあると、「わーい!やったー!」と走り出すのと似ていますね。
②嫌な気分をリセット
うれしさから興奮して走るのとは対照的に、嫌な気分をリセットするために突然走り出すこともあります。何かストレスに感じるようなことがあったときに、その嫌な気分を走ることでリセットしようとするのです。このときの犬は、真顔または不満そうな顔をしていることが多いです。
愛犬が不満げな顔で突然走り出したときは、走り出す前の出来事を振り返ってみてください。
愛犬が苦手なシャンプーや爪切りをした、動物病院に行ったなど、愛犬がストレスに感じるようなことがあったのでは?
③エネルギーを発散
うれしくて興奮するような出来事や、嫌な気分になるような出来事が特にないにもかかわらず、突然暴走して伏せたときは、エネルギーを発散させたかったのかもしれません。
エネルギーに満ちあふれる子犬によく見られますが、エネルギーの発散不足の成犬にも見られます。しょっちゅう部屋の中を走り回ってエネルギーを発散させているようならば、日頃の散歩や遊びなどによる運動量が十分か、見直してみましょう。
愛犬が突然走り出したらどうすればいいの?
愛犬が突然走り出したとき、それを止めるべきかどうか悩む飼い主さんもいらっしゃると思いますが、猛スピードで一心不乱に走り回る犬を止めるのはなかなか難しいです。
制止しようとする飼い主の声すら、愛犬の耳には届いてないように思えます。
しかし犬の大暴走は数分で収まり、自分から床に伏せて落ち着くことがほとんどです。
ケガや事故の心配のない安全な場所なら、見守ってあげても大丈夫でしょう。
床は滑りやすくないか、ぶつかったら危険な物はないかなど、愛犬が暴走しても安全な部屋か、いま一度チェックを。
外で突然走り出すのは大変危険です。
愛犬が道路へ飛び出してしまったり、人に向かって走っていってしまったりしないように、リードは短めにしっかり持つなどして、十分に気をつけましょう。
また、オスワリやフセなど興奮を静めるトレーニングをする、苦手なお手入れなどはなるべく愛犬にストレスを与えないように工夫をする、十分に運動をしてエネルギーを発散させるといったことを日頃から行うことで、ある程度暴走回数を減らすことが期待できます。
まとめ
突然走り出したかと思ったら数分後には伏せて落ち着くという犬の行動は、飼い主さんにしてみれば不思議で、不安になるなどもします。
しかしこの不思議な行動にも、うれしすぎて興奮していたり、嫌な気分をリセットしたかったり、エネルギーを発散させたかったりといった犬の心理が隠されています。
犬が突然走り出しても数分で収まることがほとんどですので、安全な場所なら伏せて落ち着くまで待っても大丈夫でしょう。
屋外などの危険な場所で突然走り出すのは、大きなケガや事故につながりかねませんので、十分注意しましょう。