犬にとってアイコンタクトにはどのような意味があるの?
犬にとって、アイコンタクトには大きく分けて2つの意味を持ちます。
愛情表現
犬は、アイコンタクトで愛情表現をします。しかし、全てのアイコンタクトに愛情表現の意味が含まれているとは限りません。
知らない人などには愛情表現をしません。信頼している飼い主さんのみに愛情表現を行うことが多いようです。人間では大切に思っている同士がアイコンタクトをすることで幸福度が上がるという研究が発表されていますが、犬も同様です。
飼い主さんを見つめ、優しく見つめ返されることで絆を感じて「大好きだよ」「あなたのことを信頼してるよ」という愛情表現に繋がっています。
威嚇や警戒
アイコンタクトには愛情表現以外にも、知らない人や犬などに対してジーッと目を見つめる行為は、犬にとって警戒や威嚇の意味があります。
「お前は誰だ」「こっちに来たら攻撃するぞ」といった感情を持っていることが多く、このアイコンタクトの意味に気付かず近付いてしまうと、後退りをしたり、あるいは唸り始めるという子もいるでしょう。
基本的に犬同士の間のアイコンタクトは、威嚇や警戒の意味を持つことが多いですが、犬が人間に対して、あるいは人間が犬に対して行うアイコンタクトにも威嚇や警戒の意味を持つこともあることを理解しておきましょう。
犬と目を合わせない方がいいタイミングは?
犬のアイコンタクトには、愛情表現と威嚇・警戒の意味の2パターンがありますが、ここからは、犬と目を合わせない方がいいタイミングについてご紹介します。
1.初対面のとき
初めて会った際に、いきなり顔をのぞき込むようにアイコンタクトを取ってしまうと、犬は「威嚇されている」と感じてしまい、怯えることがあります。
初めて会った犬に対し、真っ正面から目を合わせようとしたら目を反らされた、という経験はありませんか?これは、「威嚇するのはやめて」「こっちは敵意はないよ」という犬からのサインです。
私たち人間にとってアイコンタクトは、威嚇などの意味合いがないため悪気なくアイコンタクトをしてしまいますが、初対面の犬にとっては特に恐怖心を煽られる行為となります。最初は体を横向きにし、目を合わせずに手の匂いを嗅いでもらいましょう。
2.無言で長時間見つめる
自分の犬ではない、あるいは初対面の犬ならもちろん、自分の愛犬であっても無言で長時間ジーッと見つめる行為はやめてあげましょう。犬にとっては大きなストレスとなります。
いつもは愛情表現としてアイコンタクトをしてくれる飼い主さん相手であっても、急にジーッと無言で目を見つめられてしまうと、「もしかして何か怒ってるのかな?」「なんで威嚇されているの?」と犬は不安になってしまいます。
愛犬だけでなく犬とアイコンタクトを取るときは、長時間ジッと見つめず、なるべく優しく声をかけながらアイコンタクトを取るようにしましょう。そうすることで、声のトーンなどから犬は人間の感情を読み取ってくれますよ。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬が「見つめられる、見られる」ことがストレスになることは、飼い主さんでも気づくのが難しい行動の一つ。
愛犬に目線を送るときは、ゆっくりとしたまばたきを意識するといいですよ。1秒ほどかけて目を開けると効果的です。また、安心感を与えるためにも愛犬の顔の少し斜め上あたりを見つめてみるのも◯。たまに目線を外すのも有効です。
3.叱っている最中
犬が何かいたずらをしてしまった、あるいはトイレを失敗してしまった時に、ジッとアイコンタクトをとりながら叱るという飼い主さんは少なくないでしょう。「威嚇」という意味で考えると、「これはダメ」と強く伝えることができるように思えて良い方法では?と考える人もいるかもしれません。
しかし、犬は自分が怒られているということを少なからず理解しています。その上で威嚇行為をしてしまうと、「悪い事をしてしまった」という考えよりも「怖い」という恐怖心が勝ってしまうため、しつけに良いとは言えません。
ただただ恐怖を植え付けてしまい、臆病な犬なら飼い主さんに対して恐怖心を抱く原因になってしまいます。叱る際は、威嚇ではなく適切な方法で理解させるよう努力しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
初対面の犬だけでなく、愛犬であってもタイミングによってはアイコンタクトが逆効果となってしまう恐れがあります。
愛犬とアイコンタクトを取る際には、声をかけるように心がけましょう。