チワワが吠える理由
臆病な性格のため自分を大きく見せようとしている
チワワは無駄吠えが多い犬種だと言われています。体が小さなチワワは他の犬よりも自分が弱いということを自覚しているため、警戒心が強く臆病な性格になりがちです。
少しでも自分を大きくそして強そうに見せるために、知らない人や犬に対して声を張り上げて吠えるのです。
強い縄張り意識から相手に威嚇している
チワワは縄張り意識も強いので、信頼していない相手には「これ以上近づくな!」と威嚇します。よく吠える犬は勇猛果敢に見えますが、チワワは臆病だからこそ一生懸命に吠えている場合が多いのです。
または「自分の群れである家族を守らなくては」という使命感から、気の強さを発揮して縄張りに侵入した相手に向かって吠えるというケースもあります。
気が強くリーダー気質なので使命感から吠えている
華奢で可愛らしい外見をしているチワワですが、実は気が強い一面もあり自分が群れのリーダーだと思っている子も少なくありません。
チワワは臆病さと気の強さという正反対の性質を合わせ持っていますが、どちらの性質も無駄吠えの原因になるのでよく吠える犬種だというのは納得ですね。家の中に他人が入ってきた時だけでなく、インターホンや外からの音に向かって吠えるチワワも多いので、集合住宅では困るかもしれません。
甘えん坊で要求吠えをする傾向がある
チワワは、甘えん坊な性格から「構って欲しい」「ケージから出して欲しい」など飼い主さんに対する要求があって吠えることもあります。
吠えたことで飼い主さんが要求に応じると「吠えると上手くいった!」と学習してしまい、その後も要求がある度に毎回吠えるようになってしまうでしょう。
吠えるとわがままが通ることを理解している
チワワは比較的賢い犬種で、悪いこともすぐに覚えてしまいます。最初から吠えるという形でのおねだりには反応しないのが理想的ですが、一度吠えることでわがままが通ると覚えてしまった場合は、しつけのやり直しを根気強く行っていきましょう。
ストレスが溜まっている
何かでストレスを感じ、発散のために吠えるチワワもいます。放置するとさらにストレスが溜まって体調を崩すことにもなりかねないので、吠える以外の方法でストレス発散をさせたいですね。
犬が吠える理由には、犬種を問わず共通している部分もあります。しかしチワワ特有の臆病さや警戒心の強さ、意外と気の強い性格などが無駄吠えの多さに拍車をかけているのです。 チワワの飼い主さんは無駄吠えのしつけに苦労するケースも多いかもしれませんが、どうしてチワワがよく吠えるのかを理解したうえで適切に対処していきましょう。
チワワの吠えをやめさせる方法
ストレスを発散させる
ストレスを発散させるには、散歩と飼い主さんとのコミュニケーションが重要です。
チワワの散歩は、毎日30分ぐらいで十分でしょう。しかし内容が重要です。地面の匂いや外の音などを感じることで好奇心が満たされます。車の通りがあまりない穏やかな場所がベスト。
飼い主さんとのコミュニケーションも犬にとってはストレス発散になります。なでたり声をかけたりしてあげると良いでしょう。マッサージも健康チェックを兼ねて行うのがオススメです。
飼い主さんとの信頼関係を築く
飼い主さんの言うことを聞くようになると、吠えたときにとめることができます。そしてそれを繰り返すことで「吠えたらだめなんだ」と学習します。そのためには飼い主さんとの信頼関係が重要です。この人のそばにいれば安全だ、ということを教えてあげましょう。
犬を安心させるには、飼い主さんは群れリーダーでなくてはなりません。犬からの要求にすべて応えるのはリーダーがすることではありません。主導権は常に飼い主さんにあることを意識してください。頼れるリーダーだとわかれば犬も安心します。その安心感から吠える回数も少なくなるでしょう。
叱り方を見直す
チワワが吠えた時は叱るのが基本です。しかし「ダメだよ」と言ったくらいでは、チワワが吠えるのをやめてくれるケースはほとんどないでしょう。
言葉だけで無駄吠えを止めることは難しいので、チワワの体を手で軽く抑えて自由に身動きできないようにしてみてください。動きを制御されることでチワワが大人しくなってくるはずなので、もうしばらくそのまま待ちましょう。静かになって気持ちも落ち着いてから、手を離して自由にしてあげてください。
この流れを繰り返すことで無駄吠えが少なくなっていくので、根気よくしつけをしていきましょう。注意したいのは、吠えるチワワに対して飼い主さんが大声で叱るというやり方は逆効果だという点です。飼い主さんが大きな声を出すと愛犬はますます興奮状態になってしまいますし、「飼い主さんが一緒に吠えてくれている!」と勘違いして余計にはりきって吠えるチワワもいます。
そもそも大声で怒鳴るという叱り方は、犬のしつけの方法として適切ではないのでやめましょう。
吠えないことを褒める
吠えないことを覚えてもらうには褒めることが一番です。
チワワが吠え始めたら片手で頭を、もう片方は腰辺りをおさえて自由に動けないようにします。必ず力を入れすぎないようにしてください。骨が弱いため人間の強い力で目一杯おさえると怪我をさせてしまいます。
自由を奪うことで「吠える=自由が奪われる」と学習します。そしてここで一番重要なのが、吠えるのを我慢したときにいっぱい褒めてあげることです。そうすることで犬は「吠えない=褒めてもらえる」と覚えて少しずつ吠える回数が減っていきます。犬にとって褒められることはご褒美になります。たくさん褒めてあげましょう。
吠えそうなときは一言かける
一緒に過ごしているうちに、チワワが吠えるタイミングがわかるようになってくるでしょう。
たとえば、散歩中に他の人や犬の姿が見えた時には「もう少し近づいたら吠えそう」と、愛犬の行動が予測できますよね。そういった時には、チワワが吠え始める前に飼い主さんが一言「吠えちゃダメだよ」など声をかけるようにしましょう。
大きな声で叱るのではなく、冷静に声かけをするのがポイントです。相手とすれ違うまでおすわりをさせるなど、気を逸らした状態で待つのも効果的ですよ。そして、吠えるのを我慢できた時には、思い切り褒めてあげてくださいね。
チワワの吠えを悪化させてしまうNG行為
チワワを甘やかして育てる
チワワのしつけにおいて、飼い主さんの立場が上だという主従関係を築くことはとても重要です。
気が強くてリーダー気質のチワワは、自分が飼い主さんよりも上の立場だと勘違いすると群れを守るために吠えるという行動が多くなります。無駄吠えをやめさせるためにしつけをしようとしても、適切な主従関係を築けていないとチワワは飼い主さんの言うことを聞いてくれません。
飼い主さんがリーダーだと認めてもらうためには、甘やかさずに育てることが大切になります。たとえば、「遊んで欲しい」などの要求があって吠えるチワワに対し吠えた時に要求に応じてしまうのはNGです。
どんなに愛犬がかわいくても、わがままを許しすぎないように気をつけてください。厳しく接するのはかわいそうだと感じるかもしれませんが、飼い主さんが信頼できる群れのリーダーでいてくれることは、チワワにとって頼もしく安心できることなのです。
ストレスの多い生活をさせる
ストレスによる無駄吠えは、チワワにできるだけストレスがかからない生活を送ってもらうことで改善します。ストレスの多い生活を続けている限り無駄吠えはなくなりません。
今までそれほど吠えなかったチワワでも、ストレスが溜まるとよく吠えるようになってしまう可能性があるでしょう。お留守番が多いことや運動不足、飼い主さんとのコミュニケーション不足などがストレスの原因になるので気をつけてください。
飼い主さんが散歩に連れて行ったり、一緒に遊んだりして気分転換をするなど、愛犬がストレス解消できるよう心がけましょう。
また、チワワは嗅覚や聴覚が鋭いので、人間には気にならない匂いや音が原因になる場合もあります。愛犬の生活環境にストレスの要因になるものがないか、改めて確認してみてください。ストレスは無駄吠えだけでなく病気につながるリスクもあるので、軽視して放置しないようにしましょう。
チワワの特徴
体の特徴
チワワは、小型犬で体高は15〜23cm、体重は1.5〜3kgととても小柄でつぶらな瞳と大きな耳が特徴です。
毛質の種類は「スムースコート」と「ロングコート」があります。スムースコートはシングルコートで毛が短く光沢がありますが、寒さに弱いです。ロングコートはダブルコートで毛が長く、ふさふさで少しウェーブの被毛が特徴です。
チワワは毛の色の種類が多いのですが、基本的には「単色」「2色」「3色」「規則正しい模様や目の上に斑があるタン」の4種類に分かれています。主な色としてブラック、フォーン、セーブル、チョコレート&タンなどがいます。
性格
チワワの性格は基本的に飼い主さんに忠実で勇敢、そして甘えん坊で一人の飼い主さんに愛情が偏りがちになり、家族内でも愛情に差が出る場合があります。
勇敢で大きな犬を目の前にしても怖気づかずに向かっていく勇気があります。縄張り意識が強く、警戒心も強いためよく知らない人には吠えてしまう傾向があります。
体は小さいですが番犬向きの性格とも言えるでしょう。甘えん坊で飼い主さんを独占しようとする傾向もあり、飼い主さんを守るために大きな犬や人間に向かって威嚇することもあります。
チワワの性格まとめ!オスメスの違いと犬種に合わせたしつけ方のコツまで
お手入れ
チワワは、暑さや寒さに弱い犬種なので必ず室内で飼うようにしましょう。適温は25℃前後を保てるようにしましょう。
スムースコートは抜け毛が多いので、定期的なブラッシングとシャンプーが必要です。ロングコートはアンダーコートが抜けやすいので、毎日のブラッシングが重要となります。シャンプーの後は必ずドライヤーを使いしっかりと乾かすことが重要。生乾きのままだと皮膚トラブルの原因になります。
また、チワワは目が大きく涙やその他の分泌物が多いので汚れたら拭いてあげましょう。涙は拭いてあげないと涙やけの原因になりますので注意してください。
まとめ
チワワは臆病で警戒心が強く、群れを守るリーダーでありたがる性格からよく吠えてしまう傾向があります。可愛いからと甘やかすと、吠えることでわがままを通そうとするようになったり、飼い主さんが吠えるのを叱っても言うことを聞かなくなったりするので気をつけたいところです。
愛犬が飼い主さんを信頼できるリーダーだと認識してくれるように、日頃の接し方から意識することが大切になります。頼もしいリーダーである飼い主さんがそばにいれば、チワワも他人がいても安心できるので吠える必要がなくなるはずです。
無駄吠えが多いのは、決してチワワの性格が悪く反抗的だからではありません。飼い主さんが上手くしつけをしていけば大丈夫です。吠える理由を理解して適切に対処できればしつけは成功するでしょう。吠えないようにしつけるのには根気が必要なので、焦らずゆっくりと行ってください。
また甘えん坊のチワワは飼い主さんに構ってもらえないとストレスを感じやすいので、ストレスが原因の無駄吠えに対処するためにも、愛犬がストレスを感じていないかどうか気にかけながら愛情を注いで育てましょう。