目の悪い犬がする仕草や行動
シニア期に突入すると、犬も人間と同じように、視力が以前よりも低下してしまうことがあります。また、病気が原因で視力が低下していることも考えられます。
では、目が悪くなってしまった犬は、どのような仕草や行動をとるようになるのでしょうか。
1.物にぶつかることが増えた
まず起こる変化として、見えているはずの物を認識することができず、目の前の電柱や飛んできたボールなどに、ぶつかってしまうという変化が起きます。
「あれ?今まではすんなりボールを避けたり取ったりしていたのに」
「今、目の前の電柱が見えてなかったのかな?」など、飼い主さんが違和感を抱くようになった場合は、視力が低下している可能性があります。
目が悪くなってしまえば、動体視力も落ちてきますので、徐々に動く物に対する反応も悪くなる傾向があります。
ぶつかってばかりでは怪我をしかねませんので、早めに獣医さんに相談しましょう。
2.段差を上手く昇降することができない
さらに大きな変化として、以前はすんなり昇降できていた階段や、小さな段差を怖がって降りようとしなくなる、あるいは昇ったり降りたりする際に、足を踏み外してしまうような場面が見られます。
やはり、犬自身も「見にくいな」という違和感から、階段や段差を昇降することに対して恐怖感を抱くようになります。
そのため躊躇したり、あるいは諦めて飼い主さんに助けを求めるような行動を起こしたりします。
目が悪いのであれば、小さな段差であってもつまずいてしまったり、シニア犬であればちょっとした足の踏み外しが、大きな怪我の原因になったりすることもあります。
無理はさせず、どうしてもそこを通らなければいけないのであれば、飼い主さんが抱っこするなどして助けてあげましょう。
3.近付くとビクッと驚くことが増えた
犬は、視覚よりも聴覚や嗅覚に頼ることが多いです。
そのため、基本的には誰かが近付いてきても、匂いや音で認識することが可能です。
しかし、視覚も全く使っていないわけではありません。
目が悪くなると、聴覚、嗅覚、視覚の3つの要素の内、1つが不自由になってしまいますので、以前よりも様々なことに対する反応が鈍る傾向にあります。
飼い主さんが近付いても、直前まで気付かないという変化も見られるでしょう。
したがって、すぐ側まで近付いた際に、「あれ?そんな近くにいたの?」というような驚いた反応をするようであれば、目に問題が生じている可能性があります。
4.前よりも警戒心が強くなる
先ほど、近付くと驚くような行動が増えるという話がありましたが、それと同時進行で見られる変化として、以前よりも警戒心が強くなるという性格の変化を見られることがあります。
やはり、視界が以前よりも悪くなる、視覚に頼ることができなくなるということで、少々怖がりになってしまったり、あるいは臆病な性格が見え隠れするようになったりすることが多いです。
そのため、飼い主さんが近付いているのに、すぐ近くに来るまで気付かず、少し唸るような行動を取る犬もいます。決して飼い主さんを嫌いになったわけではなく、「誰だ…」と警戒しているだけですので、この場合は近付いて名前を呼ぶと、ふと表情が柔らかくなります。
5.走るなど活発な行動が見られなくなる
目が悪くなることで、以前よりも活発な行動が見られなくなるという変化もあります。
やはり視力が低下していますので、走ったりジャンプしたりといった行動は、怪我をするかもしれないという恐怖から、犬自身も躊躇するようになります。
他にも、散歩中に軽快に歩いたり走ったりしていた犬が、ゆっくりと進むようになったり、以前よりも慎重に地面の匂いを嗅いだり、立ち止まって周りの音を聴いたりしながら進むという行動の変化も見られやすいです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
このように、目が悪くなると行動や仕草だけでなく、性格にまで影響してくることがあります。
怪我をしてからでは遅いので、「ちょっと変だな」と違和感を抱いたら、病院で診てもらうようにしましょう。