犬の老眼と行動
人も犬も高齢化が進んでいますが、犬も人と同じように老化に伴い視力が低下します。視力が低下すると行動にもいろいろな変化がみられるようになります。老眼になってしまった犬には、どのような行動や変化がみられるようになるのか、いくつかご紹介したいと思います。
犬の老眼による行動と変化①「物にぶつかるようになる」
家の中を歩いているとき、家具や壁にぶつかってしまうことがあります。全く見えていないというわけではないのですが、ぼんやりと見えていることで物との距離感を上手く把握することができないのだと思います。ソファーなどのやわらかいものであれば、ぶつかったときの衝撃もそれほど大きなものではないでしょうけれど、テーブルや棚や壁にぶつかったときの衝撃は大きいでしょう。とくにテーブルの角などは、ぶつかるととても痛いですよね。ケガをしてしまう可能性もあります。角にはカバーをつけるなどし、対策してあげましょう。
家具の配置は変えない方が良い
老眼によって視力が低下してしまっている場合、家具の配置を感覚によって把握しています。家具の配置を変えてしまうと、余計にぶつかりやすくなってしまいます。
犬の老眼による行動と変化②「音に敏感になる」
もともと音には敏感な犬ですが、老眼によって視力が低下するとさらに敏感になります。視覚が衰えてしまった分、聴覚や嗅覚を頼りにするからです。大きな物音や声に驚いてしまう犬もいます。
犬の老眼による行動と変化③「触られて驚く」
老眼によって視力が低下してしまった犬に触れるときは、声をかけてから触れてあげるのが良いと思います。急にカラダを撫でられてビクッとして驚いて立ち上がることがあります。その反動で転んでしまうこともあります。人の気配はしたものの、手が近づいてくることを見ることができず、驚いてしまったのだと思います。名前を呼んであげるなど触れる前に声をかけてあげることで安心できるのではないでしょうか。
犬の老眼による行動と変化④「歩くスピードが遅くなる」
手足に不自由はないものの、老眼によって視力が低下してしまうと歩くスピードが遅くなりがちです。肉球の感覚や聴覚や嗅覚によって安全を確認しながらゆっくりゆっくり歩くからです。そんなときは飼い主さんが目の代わりとなって安全をしっかり確認しながら誘導してあげましょう。何か危ないものは汚物は落ちていないかなど、足元の安全確認も必要です。犬が安心して歩くことができるように「曲がるよ」「まっすぐだよ」「止まるよ」などと常に声をかけてあげながら歩くと良いのではないでしょうか。
犬の老眼による行動と変化⑤「お水を上手く飲めない」
お水のある場所まではたどり着けたものの、水との距離を上手く把握することができず、鼻がお水の中に入ってしまったりすることがあります。お水を飲もうとしたらマズルがお皿に当たってしまい、お水を豪快にこぼしてしまうこともあります。お水との距離を上手く把握することができず、ペロペロとするものの、なかなかお水を飲めないでいることもあります。どのようにしたらお水を飲みやすくなるのか考えてあげなければなりませんよね。また、お水の場所を感覚で覚えているため、置く場所を変えないであげましょう。
まとめ
犬も老眼によって視力が低下してしまうと、行動にもいろんな変化が起きます。ちょっとした段差にもつまづいてしまいやすくなります。お家の中を自由に動けるようにしている場合、いろんな対策をしなければならなくなります。階段や玄関の段差を上手く把握することができず、落ちてしまうことがあります。立ち入れないようにしておいた方が良いでしょう。うちの亡くなった愛犬たちも、よく転んでは鼻を擦りむいてしまっていました。どんな対策が必要なのか、その子たちから学んだと思います。安全で快適な老後を送ることができるよう万全にしておきたいですね。