人の匂いを嗅ぐ
犬は視覚よりも嗅覚が優れているため、人の匂いを嗅ぐことで、この人は何者なのか?飼い主なのか?他人なのか?などの情報を収集します。
特に初対面の人に対しては、これでもかというほど匂いを嗅ぎます。性別や年齢まで分かるといわれています。
犬が飼い主さんの匂いを嗅ぐ理由は、「飼い主さんを知りたいから」です。「飼い主さんは元気かな?」「何を考えているのかな?」「どこに行ってきたのかな?」など、特に外出から帰ってきたときに執拗に嗅ぐ子が多いようです。
信頼関係を築いたり、コミュニケーションになったりもするので、愛犬が満足するまで嗅がせてあげましょう。
犬の匂いを嗅ぐ
人の匂いを嗅ぐことで、様々な情報を収集することができるとご紹介しましたが、それは他の犬に対しても全く同じです。
他の犬がしたオシッコや、お尻にある肛門腺の匂いを嗅ぐことで、年齢や性別、性格、病気の有無まで分かるといわれています。
犬同士の初めての挨拶は、最初にお互いの鼻と鼻をチョンっとくっつけたあと、「もっとあなたを知りたい!」と興味が湧いた場合、相手のお尻の匂いを嗅ぎ始めます。
つまり、あまり興味が湧かなかった犬に対しては、お尻を嗅がないというわけです。
犬のお友達ができると、一緒に散歩に出かけたり、ドッグランで走ったり、じゃれたり、様々な楽しい時間を共有することができます。
しかし、挨拶が苦手な犬種もいます。
例えば、他の犬種と比べてテンションが高いトイプードルや、あまり社交的ではない柴犬、体が小さいが故に警戒心が高いチワワなどは、他の犬から挨拶をされると、嫌がったり吠えたりすることがあります。
犬同士がケンカしてしまわないよう、飼い主さんは十分に気を付けてあげてください。
地面、草、空気の匂いを嗅ぐ
人間と共生している現代の犬は、嗅覚によって獲物を探したり、交尾の相手を探したりする、「探索欲求」を満たすことができず、その優れた嗅覚を持て余しています。そのため、散歩は探索欲求を満たす絶好の機会なのです。
散歩に出かけると、犬がずっと地面の匂いを嗅いで、ときには立ち止まってその場から離れないことがありますよね。これは「匂い嗅ぎ」といって、土やコンクリート、草、空気など、外の世界のたくさんの情報を収集しているのです。犬の探索欲求が満たされ、ストレス発散や頭の運動にもなります。
このとき、「匂いばっかり嗅いでないで早く歩いて!」と歩行を促そうと無理やりリードを引っ張ってはいけません。気になるものの匂い嗅ぎを途中で終わってしまうと欲求不満となり、ストレスが溜まってしまいます。
しかし、無制限の匂い嗅ぎも禁物です。散歩の主導権は飼い主さんが握り、数分程度で切り上げましょう。名前を呼んで、目が合ったらリードを軽く引き、歩き始めます。呼んでも反応がない場合は、オヤツで気を引くのも効果的です。
まとめ
犬の嗅覚は、人間の視覚と同じくらい重要な器官で、様々な場面で活躍しています。警察犬や麻薬探知犬、爆発物探知犬、災害救助犬、ガン探知犬など、私たち人間にとっても、生きていく上でかけがえのない存在です。
私たち人間は、犬が嗅ぎ取っている世界を体感することができません。嗅覚が優れている犬には、この世界はどのように映っているのかも、知ることができません。それゆえに、犬の匂い嗅ぎの重要性を見落としてしまいがちです。特に散歩の匂い嗅ぎに関しては、疎かにしてはいけません。好奇心旺盛な子犬は、たくさん経験させてあげましょう。
毎日きちんと散歩に出かけて、外の世界に触れさせてあげていますか?時間に余裕を持って、ゆとりを持って散歩していますか?飼い主さんの都合で、早足で散歩していませんか?