1.喜びの表現のひとつかも
犬がハイテンションになって壁に身体を擦りつけることがあります。
わが家の犬は、私たちより早い時間から起きて、家族が起床するまでベッドでおとなしく待っています。
私たちが起きると同時に、おもちゃやスリッパを咥えたり、壁に身体を擦りつけるなどして「朝から元気だね~♪」と感じさせることがあります。
また、食事の後やお散歩から嬉しそうに走りながら帰宅した時など、楽しかったことや満足感から壁に身体を擦りつけることがあります。
嬉しさの表現。わが家の犬にとって壁に身体を擦りつけるのは、嬉しさの表現のひとつのようです。
2.不安やストレスを感じている
過去に飼い主から遺棄されたり虐待された犬は、人間の周りにいることを恐れ、不安やストレスを感じている場合があります。
このような時に、出来るだけ安全な場所として壁に沿って歩くことがあるようです。 また、シャイであったり単独でいるのを好む性質の犬が、人や他の犬を避けるために壁沿いにいることがあります。
3.好きな匂いがする
犬は好きな匂いがあると、それを自分につけようとすることがあります。壁の場所によっても私たち人間の嗅覚では分からない匂いがあり、好きな匂いがする場所に自分の体をこすりつけて自分にその匂いをつけようとしているのかもしれません。
4.シャンプー後のにおいづけ
シャンプー後すぐに床や壁に体をこすりつけるのは、シャンプーによって失われた自分のにおいを取り戻そうとしたり、濡れている毛や皮膚を乾かそうとしていると考えられています。また、シャンプー後皮膚が乾いてから顔や身体を壁に擦りつける場合には、かゆみや不快感を感じているのかもしれません。 犬の肌質に合わないシャンプー剤を使用することで、皮膚にある油分が過剰に失われ乾燥して痒くなることがあります。
わが家の愛犬は、シャンプーよりドライヤーの音が苦手で、しきりに壁に頭を擦りつけます。
ドライヤーのスイッチをオフにするとピタリと止むので、ドライヤーの音が苦手なようです。
5.結膜炎
顔や目を壁に擦りつけることはありませんか? わが家の愛犬は短頭種のため、マズルが短く鼻の上の凹んだ部分をしきりに壁に擦りつけることがあります。
壁のあちこちに目ヤニが付着しているので、飼い主の目が届かない時に擦りつけていることもあるようです。
こんな時は、必死に痒みや違和感何とかしようとしているようです。涙や目ヤニで目の周りが汚れていたり濡れている時は、結膜炎の可能性があります。
白目が充血していたり、まばたきが多いような場合は、掛かりつけの動物病院で診察してもらいましょう。
6.寄生虫や皮膚炎
犬が壁に身体を擦りつけるのは、寄生虫や皮膚炎による痒みに苦しんでいる可能性もあります。 痒みの原因には下記5つが挙げられます。
1.寄生虫
皮膚の角質中に寄生するヒゼンダニ(疥癬)や、毛穴の中に寄生するニキビダニ(毛包虫、アカラス)がいます。ニキビダニでは痒みがあることもないこともありますが、ヒゼンダニでは強烈な痒みが起きます。
2.細菌・真菌
膿皮症は皮膚に付着している細菌が原因となって赤い発疹や円形の赤みなどが見られ、痒みを伴います。 マラセチア皮膚炎は、酵母(カビの一種)が原因で皮膚の赤みとべたつき、独特の臭いが特徴です。
3.ノミアレルギー
ノミの唾液に対するアレルギー反応で、主に犬の腰や背中に発疹が現れ、強い痒みを伴います。
4.食物アレルギー
フードやおやつに含まれる成分に対して起こるアレルギー反応で、皮膚に症状が現れる場合には発疹や強い痒みを伴います。
5.アトピー性皮膚炎
寄生虫・細菌・真菌・ノミ・食物アレルギー以外に、アトピー性皮膚炎が原因で痒みを引き起こすことがあります。特に目や口の周り、胸やお腹をとても痒がる場合は、アトピー性皮膚炎の可能性もあります。
最後に
犬が壁に身体をこすりつける行為は、喜びや不安・恐怖・ストレスなど心理的要因によるもの、痒みや痛みなど疾患による場合とがあります。
皮膚に赤い発疹があったり広い範囲で赤みや痒みがあれば、寄生虫や皮膚疾患による痒みのせいで壁に擦りつけている可能性があります。 少しでも異変を感じたら、掛かりつけの獣医師の元で診察してもらうことをおすすめします。