犬は飼い主の機嫌をうかがうことがある?
犬は人間、特に飼い主の気持ちを察する能力が高い動物といわれており、それは人間と共存してきた歴史が非常に長いからだと考えられています。では、犬は飼い主のその時の気持ちを察し、飼い主の機嫌をうかがおうとすることがあるのでしょうか。
怒られた時には反省しているような仕草を見せる
「犬は飼い主の機嫌をうかがうことがある」と感じる飼い主さんは少なくないでしょう。特に愛犬が何か悪い事をしてしまった際、トイレを失敗してしまった際などにしつけの一環として叱ることがありますが、この時に仕草や表情からそう感じる人が多いです。
たしかに思い返していると、「このゴミ箱を漁ったのはあなたね!ダメでしょ!」などと叱った際、愛犬は少し俯き気味に、上目遣いでこちらを見てくることがあります。また目を合わせないようにすることもあります。
このように飼い主から見ると「反省しているのかも?」「罪悪感があるのかな」と思ってしまいそうな行動をとることがあります。
「怒ってない?」というように顔などを舐めてくる
また上記で紹介したような「目を反らす」「少し俯き気味に上目遣いでこちらを見てくる」といった行動だけではなく、飼い主の機嫌が悪いと感じると顔や手を遠慮気味に舐めてくることもあります。
これは犬のカーミングシグナルの一種で、「そんなに怒らないで」「もうわかったから」といった心理が隠されています。つまり、犬も怒られていること、悪い事をしたことは理解しているのです。
その上で大好きな飼い主の機嫌を良くしようとこの行動に出ていると考えられます。これは人間と犬の共存期間が非常に長いことも関係しているでしょう。
機嫌をうかがってる?本当の理由
このように飼い主さんに叱られている時、あるいは飼い主さんが怒っているように感じてしまった場合、犬は「怒ってる?」というように少々気まずそうな表情をしたり、仕草を見せたりします。では、実際は反省しているのでしょうか。この時の犬の気持ちを探っていきましょう。
1.「怒っているのかな…」
まず1つ目に考えられる心理的理由として、「怒っているかどうかは不透明だけれど、なんだか飼い主さんの機嫌が悪い気がする」と犬が感じている可能性があります。この時は遠くからジッと飼い主さんの様子を伺うような姿を見せてきます。
しかし、この場合は実際に飼い主さんが怒っていないことも多く、犬の勘違いである事もあります。愛犬にではなく、ただ単に飼い主がイライラしていることも察する犬が多いため、このような勘違いが起こることも珍しくありません。
本当に犬に対して怒っているのであれば、一定時間無視をするなどの行動をとるべきですが、もしも実際は怒っていないようであれば、「どうしたの?」「おいで?」などと優しい言葉をかけてあげるようにしましょう。
2.「早く終わらないかなぁ」
なんだか申し訳なさそうな表情・仕草をしているから、反省しているのかもしれないと飼い主さんが思うような行動をとることがありますが、実際に犬は反省しているのでしょうか。結論から言うと答えは「NO」です。
犬は「悪い事をしてしまった」という罪悪感を感じることはありますが、「ごめんなさい」といった反省するという概念は持ち合わせていません。
したがって、この場合は反省しているのではなく、「早く終わらないかな」と思っていたり、「怒られるの嫌だなぁ」「怖いなぁ」と感情的な理由からこのような表情・仕草を見せているのです。
3.「実は悪いことしちゃったんだよね…」
飼い主さんがふと気がつくと愛犬が遠くからジッとこちらを見ている、あるいはどことなく飼い主の表情を伺うような上目遣いをしてくるなど、「どうしたんだろう?」とこちらが疑問を持ってしまうような状況はありませんか?
1つ目に紹介した理由のように「もしかすると怒っているのかも」と愛犬が勘違いしている可能性も考えられますが、もう1つ、飼い主さんが気付いていないだけで「実はイタズラしちゃったんだよね…」などと何かしら罪悪感を抱いている場合もあります。
1~2度声をかけてもこちらに寄って来ないようであれば、もしかするとどこかでイタズラをしてしまった、あるいは何か失敗をしてしまっている可能性がありますので、原因の元となる現場を探してみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬が飼い主のご機嫌をうかがうタイミングというのは、犬が飼い主が機嫌が悪いと察しているからという理由が最も大きいです。そこからは様々な心理的理由が考えられるため、状況や様子から理由を考えてみましょう。