犬は優れた観察力の持ち主!
犬は視力が低く、0.2~0.3程度と言われていますが、優れた観察力を持っています。相手の行動やしぐさをよく観察して、相手の気持ちを読み取ることができるのです。
相手が犬の場合は、相手の犬の目、耳、口元の動きや尻尾の位置などを観察して、その気持ちや状況を判断し、争いを避けたり仲良くなったりします。そして相手が人の場合は、人の声のトーンや口調、表情からその感情を読み取ることができると考えられています。
愛犬が何となく落ち着かない様子でチラチラと視線を投げてきたり、じっと見つめてきたりして、こちらの様子をうかがっているようなしぐさを見せることはありませんか?この時、愛犬は優れた観察力を駆使して、飼い主さんの顔色をうかがっていると思われます。
では、犬が人の顔色をうかがっている時の心理とはどのようなものなのでしょうか?4つご紹介していきます。
心理①不安を感じている
「この人は安全な人?それとも危険な人?」「これからどうなるの?」などと不安な時、犬は人の様子や顔色をうかがいます。
犬がゴローンと仰向けになるのは、「なでて」というおねだりであったり、服従のポーズであったりしますが、手足をぎゅっと折り曲げて力が入っているのであれば、不安や緊張を感じています。とりあえず仰向けになってお腹を見せて人を油断させながら、じつはその人を観察して、様子をうかがっているという状況です。
尻尾を下げて力を抜き、ゆっくり左右に振りながら人をじっと見ている時も不安を感じていて、その人の様子や顔色をうかがっています。
心理②警戒している
飼い主さんが愛犬を呼んだ時に飼い主さんの元へすぐに来ないで、少し離れたところから飼い主さんの顔色をうかがうようにじっと見つめたり、チラチラ見たりしてくることはありませんか?
飼い主さんが愛犬を呼んだあとに叱ったり、愛犬が苦手なこと(シャンプー、歯磨き、ブラッシング、爪切りなど)をしたりすることが続くと、愛犬は「呼ばれてそばに行くと、嫌なことが起こる」と覚えてしまいます。
そのため、飼い主さんに呼ばれると「嫌なことが起こるのでは?」と警戒して、飼い主さんの顔色をうかがったり、様子をうかがったりするようになるのです。場合によっては、呼んでも無視するようになることもあります。
心理③おねだりをしている
「ごはんがほしい」「おやつがほしい」「かまってほしい」「散歩へ連れて行ってほしい」など、何かおねだりをしたい時、犬は飼い主さんの視界に入る位置でオスワリをして、じっと見つめてきます。
前足でタッチをしてきたり、膝にあごを乗せてきたり、キューンと鳴いたり、キャンキャン、ワンワンと吠えたりするのも何かを要求する時の行動です。愛犬は飼い主さんの顔色をうかがいながらこうした行動を見せて、お願いを聞いてもらおうとしているのです。
心理④怖がっている
犬にしつけは必要ですが、やみくもに叱ったり体罰を与えたりするのはいけません。犬は飼い主さんに対して恐怖心を抱くようになり、萎縮してしまいます。その結果、常に飼い主さんの顔色をうかがいながら生活することになります。愛犬がいつも飼い主さんの前でオドオドした様子を見せている場合は、要注意です。
まとめ
犬が人の顔色をうかがっている時の心理を4つご紹介しました。
人の顔色をうかがいながらおねだりしている時の犬の表情はとてもかわいいので、ついつい何でも言うことを聞いてしまいたくなります。しかし、無条件に愛犬の要求に応じていると、どんどんエスカレートしてワガママになってしまうことがあるので注意が必要です。
愛犬が常に飼い主さんの顔色を見ながら生活するのは、お互いに幸せとは言えません。愛犬が精神的に安定した生活を送れるように、愛犬に愛され信頼される飼い主になりましょう。