犬のお腹を触ると足がバタバタ動く!?
「犬がお腹を見せて仰向けになる」、よく見る光景ですよね。飼い主さんに叱られているときや、叱られそうになったときにこのポーズをする犬もいます。叱られたりしていない場面で飼い主さんにお腹を見せてゴロンと仰向けになるのは、「なでて~」というおねだりアピールだったりもします。
愛犬のおねだりに応えてお腹をなでてあげたときに、後ろ足がバタバタ動いていることに気づいたことはありませんか?
これに気づくと、「なぜ犬はお腹を触られると足をバタバタさせるの?」と疑問に思いますよね。何となく、気持ちのいいツボを押されて「あ~そこそこ!」と表現しているようにも思えますが、どうやらそうではないようです。
犬のお腹を触ると足がバタバタするのは「ひっかき反射」が起こるから
犬のお腹に触ると足がバタバタするのは、自己防衛的な反応のひとつです。犬にとって有害な虫や刺激物質から身を守るために無意識に起こる反応で、「ひっかき反射」と呼ばれています。
犬の皮膚下には脊髄につながる神経が集中してる箇所がいくつかあり、この神経が刺激を受けるとすぐにその信号が脊髄に送られ、脊髄から足を動かすように命令が出て足がバタバタ動く、というのがひっかき反射の仕組みです。
例えばノミやダニなどが犬の体を這い回ったときには、ひっかき反射によってそれを払い落とすことができます。そして、お腹など脊髄につながる神経が集中している箇所をなでられたり、くすぐられたりしたときにも、ひっかき反射が起こり、後ろ足がバタバタと動きます。
ひっかき反射は、人間が熱いやかんに触れてしまったときに、「熱い」と感じる前に、無意識に手を引っ込める反射と似ています。犬のひっかき反射も人間の反射も、大脳を経由せずに脊髄から命令が出ています。どちらも、身の危険を素早く回避するための無意識の反応なのです。
寝ているときに犬の足がバタバタするのはどうして?
「なぜ犬はお腹を触られると足をバタバタさせるの?」という疑問は、「ひっかき反射が起こるから」ということで解決しましたが、犬は寝ているときにも足をバタバタさせることがありますよね?我が家の愛犬も、よく寝ながら足をバタバタさせたり、ピクピクさせたりします。これは一体なぜなのでしょうか?
寝ているときの足のバタバタは夢のせい!?
成犬の1日の睡眠時間は12~15時間程度と言われており、犬は1日の大半を寝て過ごしています。しかし、犬の睡眠時間の8割は眠りの浅いレム睡眠で、眠りの深いノンレム睡眠はたった2割と考えられています。
レム睡眠は体は眠っているけれど脳は活動している状態、ノンレム睡眠は体も脳も眠っている状態で、夢を見るのは主にレム睡眠の間です。そして、犬も人間と同じようにレム睡眠中に夢を見ると考えられています。
犬は夢を見ているとき、寝言のようにクンクン鳴いたり、足をバタバタさせたりすることがあるようです。一体、愛犬がどんな夢を見ているのかとても気になりますが、残念ながらそれを知る方法はありません。でも足をバタバタさせているときはきっと、どこかを走り回っている夢でも見ているのでしょうね。
まとめ
愛犬のお腹に触ると足がバタバタ動くのは、ひっかき反射が起こるためです。ひっかき反射が起こる箇所をなでられるのが好きな犬もいれば嫌いな犬もいるようなので、愛犬がどちらなのかは普段のふれあいの中で見極めていってくださいね。
寝ているはずの愛犬が足をバタバタさせるのは、夢を見ているせいだと考えられます。愛犬が寝言を言っていて、寝ているのに体のどこかが動いていると「起こした方がいいのでは?」と考えてしまいますよね。
しかし、睡眠中は脳がその日の出来事などの記憶を整理したり、成長ホルモンが分泌されたりと、犬にとって大切な時間ですので、起こさずにそっと見守ってあげることをおすすめします。愛犬がどんな夢を見て寝言を言ったり、体を動かしたりしているのか想像するのも楽しいですよ。