ペットシーツを噛んではいけない理由とは?
ペットシーツの材質と構造
ペットシーツは、基本的に人間用のおむつと同じ構造で、5つの素材からなる6層構造をしています。
一層目となる表面は、吸い取った水分を逆流させない性質もつ不織布が使われます。
次の二層目は、三層目の素材と、一層目の不職布のつなぎとしての役割を果たす給水紙が使われます。
三層目は、吸収した水分をゼリー状に変え、高い保水力を持つ材質の物質「給水ポリマー」で構成されています。
四層目は、二層目と同じ役割の給水紙、五層目は、給水ポリマーが吸い込んだ水分が逆流しないよう、一層目と同じ不織布が使われます。
六層目は、ポリエチレンフィルムで、給水ポリマーが吸い込んだ水分が外へ漏れ出さないようにポリエチレンフィルムが使われます。
いずれも、食べることを想定して作られている製品ではないので、「食べてしまっても全く危険はない」とは絶対に言えません。
ペットシーツを噛むことで考えられるリスク
食道や腸が詰まる
ペットシーツに使われている「給水ポリマー」は、水を吸うとゼリー状に膨らんで、固まる性質があります。
もちろん、胃や腸で消化されるような素材でないので、大量に食べてしまうと、胃や腸が詰まってしまう恐れがあります
また、ペットシーツに使われているポリエチレンは、体外へ押し出される腸の動きによって、腸の内部を移動していきます。その時、腸の内部を傷つけることがあるので、給水ポリマー同様、犬の体の中に入ったポリエチレンは、非常に犬の体にとって有害な物質と言えます。
ペットシーツを噛んでしまったことで、起こる犬の体調不良
- 元気がない
- 食欲がない
- 嘔吐
もし、ペットシーツを食べたと確信できた後、排泄した便の中に「給水ポリマー」などが含まれていても、上記のような症状が改善されない限り、出来るだけ早く獣医さんの診察を受けて下さい。
ペットシーツを噛んでしまう原因
ストレス解消
お留守番の時間が長かったり、慢性的な運動不足でストレスが溜まって、そのうっぷんをトイレシーツを破くことで晴らしている、と考えらるケースです。
空腹を紛らわす
ドライフードを丸のみしたり、体重管理のために食事を減らしたりしていると、あまりにもお腹が空いてしまって、側にあるトイレシーツを食べてしまうというケースです。
飼い主さんの気を引きたい
トイレシーツを噛んだり、噛みちぎったりしたら、飼い主さんが「やめなさい!」「ダメ!」と大きな声を出すので、「飼い主さんが自分を構ってくれた!」、あるいは、「これをぐちゃぐちゃに噛んだら、飼い主さんが喜ぶんだ!」と犬が勘違いしたケースです。
飼い主さんを困らせようとしているのではなく、むしろ、飼い主さんが大好きだからこその悪戯だと言えますね。
ペットシーツを噛まないようにする対処法
トイレシーツを挟むタイプのトイレトレイに替える
交換したり、汚れやニオイがつかないようにする手間が増えますが、トイレシーツを
網状のプレートで抑えて挟むタイプのトイレトレイを使うようにします。
あるいは、トイレトレイにバーベキューなどで使う金網を、動かないようにかぶせる、と言う方法もあります。
おもちゃやおやつなどで気をそらせる
お留守番の時に退屈してトイレシーツを噛んでいるのなら、長く噛めるガムなどを与えてみましょう。
また、お留守番の時に眠るようにしっかりと散歩させたり、飼い主さんと10分ほど全力で遊ぶと満足して、トイレシーツを噛む、ということでストレスを発散することもなくなるかもしれません。
食事の量や時間などを調整する
もしも、ダイエット中であれば、食事の内容や量、与える回数、時間などを考慮してみましょう。
一日に与える量はそのままで、食事の回数を増やしてみたり、おやつをカロリーの低いものにしたりといった工夫をすれば、空腹を紛らわせることが出来ます。
トイレシーツで遊び始めたら、黙って取り上げて、その場から立ち去る
「飼い主さんの気を引くためにトイレシーツを噛んでしまう」というケースで効果的な方法は、「トイレシーツを噛んでも、飼い主さんは無関心」だということを愛犬にわからせる方法です。
トイレシーツを噛んでしまう、という悪戯に限ったことではありませんが、飼い主さんが大好きな犬ほど、一番つらいのは、飼い主さんに大声で怒られることではなく、「飼い主さんに完全に無視される」ことです。
飼い主さんの目が届く場所で、愛犬がトイレシーツを噛みはじめたら、すぐに「マテ」と犬の動きを制して、トイレシーツを取り上げます。
そして、全く犬に目線を合わせず、静かにその場から立ち去ってしまいます。
そして、完全に片付けてしまったあと、何事もなかったかのように別にオモチャで愛犬といつもどおりに遊びます。
まとめ
ペットシーツを噛んでしまうことで悩んでいる飼い主さんは、以外に多いと思います。
少量食べたくらいなら、普段の排泄で食べてしまったトイレシーツの一部が出てくると思いますが、それでも度重なれば、命に関わるような事態になり、全身麻酔をかけ、開腹手術をしなければならなくなる恐れもあります。出来るだけ早く、トイレシーツを噛むのを止めるよう、飼い主としてできる最大限の努力をして欲しいと思います。