犬が円を描きながら近づいてくるときの心理
- 「敵意はないですよ」というキモチを表す
人間が通常するような真っ直ぐ近づいてくるのではなく、柔らかに半円を描くように相手に近づく行動を犬はします。このような私たちが不思議に感じる、ちょっとした犬の行動にもちゃんと意味があったのですね。この行動の意味はカーミングシグナルに基づいて考えました。
カーミングシグナルとは?
カーミングシグナルとは、犬どうしのコミュニケーションを円滑にするためのジェスチャーのようなものです。ノルウェーの動物学者が提唱したもので、27種類の仕草にどのような意味があるのか解明されています。
(例1)あくびをする
→緊張している、相手を落ち着かせようとしている
(例2)目線を逸らす
→敵意はないですよと伝えている、仲良くしたい気持ちの表れ
(例3)体をブルブル振る
→少し嫌なことがあって自分を落ち着かせるため
その他の近づき方や行動
真っ直ぐ一直線に近づいてくる
上にも書きましたが、犬が敵意を持たずに他の犬に近づく場合、カーミングシングルという半円を描くように近づきます。それなのに半円を描くのではなく、真っ直ぐ一直線に、更にその際お互いの顔を見合っていた場合どうなるでしょうか?
まっすぐ犬同士が近寄った時に、目線も一直線だった場合お互いを威嚇しあっている可能性があります。
そしてどちらかが目線を逸したらそこには上下関係が出来上がり、攻撃してお互いが傷つけ合ってしまうかもしれません。低い声で唸ったり、歩く速さが変わったりするなど、犬の様子に異変を感じたら近づく前にその場を離れる必要があります。
犬によってはこのような状況が一度でも起こるとトラウマになってしまい、攻撃された側か攻撃する側になってしまったり、他の犬や人と接するのが嫌いになってしまったり、散歩自体が嫌になってしまうかもしれません。
お互いのオシリのニオイを嗅ぐ
犬が他の犬に会ったとき、言葉が話せないので人間のような挨拶が出来ません。そのためお互いのオシリの臭いを嗅ぐのは犬にとっての挨拶のような行為です。それに、臭いを嗅ぐことによってお互いが危険ではないと学習したりもします。
また、オシリの臭いを嗅ぐのはお互い緊張してストレスを溜め込まないためにも行っているとも言われています。そのため、体格差や興奮状態にもよりますが臭いを嗅ごうとしていたらちゃんとリードを掴んで、犬同士の挨拶を見守ってあげてください。
お互いの情報が伝わりあったらやがて友情が築かれ、仲良くなれると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
カーミングシグナルの1つである、犬が円を描きながら近づいてくる時は「敵意はないですよ、仲良くしてね」といった意味が込められているのでしたね。また、他のカーミングシグナルを知れば、犬が今どんなキモチなのか理解するのに役立つので、是非覚えて参考にしてみてくださいね!