犬がストレスを感じやすい環境の変化
犬が特に強くストレスを感じる環境の変化として、以下のことが考えられます。
- 引っ越しや模様替え
- 家族構成の変化(結婚、出産、死別など)
- 飼育する動物が増える(犬、猫、小動物など)
私たち人間も進学や転職、結婚、引っ越しなどで新しい環境へ飛び込む時は、期待と同時に心配や不安を抱えることがあると思います。
犬も同じどころか事情が理解できず、心構えもなく突然の環境変化についていけずに大きなストレスを感じてしまいます。
犬がストレスを感じるとどんな影響が出るのか
個体差はありますが、環境の変化によって犬がストレスを感じた時に以下のような影響がでることがあります。
- 飼い主から離れられなくなり留守番ができなくなる
- トイレの失敗が増える
- ちょっとした物音に反応して吠える
- 自分の足や尻尾をなめる、噛む
- 体を血が出るほどかきむしる
- 家具をかじるなど破壊行動を起こす
- 抜け毛やふけが増える
- 食欲がなくなる
環境の変化に伴って犬がストレスを感じると、落ち着かなくなるだけでなく自律神経などが刺激されることで、内分泌系や免疫機能に影響が生じて病気を引き起こすこともあります。
犬のストレスを軽減するためにできること
一緒にいる時間を増やす、スキンシップを取る
人間と違い、環境が変化した時に犬は何が起きているのかわかりません。居場所が変わってもそれが旅行なのか引っ越しなのかもわからずに不安を感じてしまいます。
愛犬が不安を感じた時に、飼い主が側に寄り添ってあげることが最も大切です。環境が変わっても、信頼している飼い主がそばにいることで次第に落ち着きを取り戻し、変化にも慣れることが多いです。
信頼関係が築けている飼い主に穏やかな気持ちで撫でてもらったり、目を見て優しく話しかけられと、安心感や幸福感を感じるホルモンが分泌されるということもわかっています。
引っ越しなど、環境が変化するときはどうしても忙しくなることが多いため、犬とのコミュニケーションがおろそかになりがちですが、愛犬のストレスケアのためにもできるだけそばにいる時間や回数を多くするように心がけ、たっぷりスキンシップを取るようにしましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
信頼関係があればこそ、スキンシップが成立します。
信頼関係が築けていないと、スキンシップをすることで事態を悪化させることは少なくありません。その場合は無理に触ったりせず、構わずにそっとしてあげましょう。
落ち着いて過ごせる場所を確保する
引っ越しや模様替えなどで犬の居場所に変化が起きた時は、速やかに犬が安心して休むことができる場所を確保することが大切です。
犬のベッドやクッション、ケージなどは、人の出入りが少なく静かな場所に設置しましょう。さらに、愛犬のにおいがついた毛布などを置くことで落ち着いてくれるでしょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
飼い主さんが着ていた服なども効果的です。
大好きな飼い主さんの匂いがすることで、とても安心してくれますよ。
変化の種類はできるだけ少なくする
一度に色々な変化が起こると、不安や心配はより大きくなってしまいます。
例えば、実家暮らしから結婚して引っ越しする場合や、出産して家族が増えるだけでなく引っ越しも重なるなど、住んでいる場所だけでなく家族構成も変わってしまうことは、犬にはとても大きな変化となってしまいます。 犬によっては受け止めきれずにパニックを起こしてしまうことも。可能な限り変化は少しずつなどの配慮をしてあげましょう。
過度に甘やかしたりかまい過ぎないようにする
環境の変化による犬のストレスを減らすためには、そばにいる時間やスキンシップを増やすことが大切です。
ただし、過剰に心配したりこれまでのルールを変えて甘やかしすぎてはいけません。飼い主がいつもと違う行動を取ると「それほど重大な事態なのか」と思わせてしまい、不安感を煽ってしまったり、わがままにさせてしまったりするので、過度な接し方には十分な注意が必要です。
環境変化と犬のストレスについてのまとめ
犬は、人間と共に生活する動物です。そして10~15年、長ければ20年という時間を共に過ごす中で、一度も環境の変化が起こらないということはほとんどありえませんし、犬にストレスがかかるからと、飼い主が無理をして環境を変えないようにする必要もないと思います。
大切なのは、環境の変化が起こる時に愛犬へのストレスが少なく済むように準備をすること、愛犬の様子を観察しながらアフターケアをするかということです。
また、環境の変化が起こっても安心して身を預けることのできる飼い主であると、愛犬から信頼される飼い主でいることが何より大切です。
信頼関係を築くことは一朝一夕にはいきませんが、いつでも愛犬にとって安全な場所になれる飼い主を目指しましょう!