犬に近づくと逃げられてしまう原因
テンションが高い
犬は不意を突かれることが苦手です。急に視界に入ってこられたり、予測しない動きをしたり、大きな声を出されたり。こういったことをされると、犬にとっての警戒ゲージが跳ねあがります。
犬好きな人は犬に会えて「かわいい!」と思うあまり、いつもよりテンションが高くなりがちです。少し声も大きくなりますし、身ぶりも大きくなってしまうこともあります。犬は普段接している人とは違う人というだけで少し緊張しているのに、予測しにくい動きをされることで戸惑ってしまうんですね。そのため撫でようと手を伸ばしたらささっと逃げられてしまう、ということにつながっていくのです。
また、「大きな声」で「予測できない動き」をする代表が子どもたちです。
子どもがいる家庭で飼われている犬はある程度慣れているので、あからさまに逃げたり警戒したりしませんが、大人しかいない家庭の犬には子どもが苦手な場合が多いです。中には遊びにきた子どもを見かけただけでそそくさと別室に逃げてしまう犬もいます。
すぐに頭を撫でようとする
犬は予測できない動きが苦手ですが、予測できる動きの中でも苦手な動作があります。
それは頭を上から撫でられることです。
これは個体差や飼育環境によりますが、頭の上から急に手を伸ばされることで「叩かれる」と勘違いしてしまうことがあるからです。犬によっては人の手が顔の近くで振り上げられただけで、反射的に首をすくめてしまう子もいます。
アイコンタクトをしすぎる
信頼している飼い主とのアイコンタクトを嫌がる子は少ないのですが、まだそれほど仲が良くない人とアイコンタクトをし続けたいと思う犬はいません。
目をそらさず相手を見ることは犬の「示威行動」のひとつです。目をじっと見られることは犬にとって「睨まれている、威嚇されている、喧嘩を吹っかけられている」と感じてしまうのです。可愛い犬を見たとき、可愛いとはいえ正面から犬の顔をじっと見つめてしまうのはやめましょう。
目を見続けられた犬はすっと顔をそむけ、こちらに興味がない風を装います。これは「喧嘩する意思はない」ということです。逆に闘志を剥き出しにして喧嘩を買いに来る犬もいます。無駄なトラブルを防ぐためにも、あまり犬の目を見つめすぎないでくださいね。
刺激臭がする
人間にとって刺激臭というと、アンモニアのにおいや強い酢のようなにおいなどがありますが、犬にとってはどうでしょう。
犬の嗅覚は人の100万倍とも言われており、様々なにおいを嗅ぎ分けられます。人が気が付かないような種類の、犬が嫌いなにおいを発している人は犬から逃げられてしまいます。また人にとってはそれほど強いと感じない匂いであっても、犬にとっては相当な刺激臭である可能性もあるので、「くさい」と近寄ってくれなくなることがあります。
家庭で犬を飼っていて普段はとても仲良しだけれど、飲み会から帰ってくるとお帰りすらしてもらえず避けられてしまうといった経験はありませんか?これは犬の鼻が普段とは異なるにおい(タバコ・アルコールなど)を捉えてしまい、苦手なにおいと判断した結果かもしれません。
犬と仲良しになる方法
初対面の犬と仲良くなるには、犬のペースに合わせることが重要です。
人だって急にいろいろ驚かされて、パーソナルスペースに侵入されたら嫌ですよね?犬の場合も同じことです。
犬と仲良くなるためには、まず犬にちゃんと「怪しくない人」であることを認識してもらう必要があります。
そのためには
- しゃがんで犬の目線に近くなる
- 顔をまっすぐ見つめず、距離をゆっくり縮める
- 手を犬の鼻の下へ伸ばし、においを嗅いでもらう
- においを嗅いでもらって犬が警戒しなかったら、首の回りなどからゆっくり触らせてもらう
というように、順序を守って近寄っていくことが大事なんですね。
一つ一つの動作を素早く行うのではなく、あくまでゆっくり犬のペースに合わせて認識してもらうことで、犬にとっては怪しい人ではなく「いい人」と思ってもらえるわけです。
まとめ
いかがでしょうか。
犬に近寄ると逃げられちゃうのよという方の中には、急に近づいていたり、親愛の情を込めたつもりで目をじっと見つめてしまっていたり、撫でたい気持ちが先に行きすぎて手を伸ばしてしまったりといった、犬にとってのNG行動をしていた人もいるのではないでしょうか。
今度お散歩中の犬に会ったときは、まず一つ深呼吸をして、落ち着いてから犬のペースで近づいてあげてくださいね。