ボール遊びをしない理由
1.犬種の特徴
犬の祖先はご存知の通りオオカミです。彼らは狩猟をして生活をする性質があります。そのため多くの犬が獲物を追いかける狩猟本能を有しています。なので多くの犬は動くもの、逃げるものに対して反応し、それを追いかける習性があるのです。家庭で飼育されている犬は狩猟をするわけではありませんが、獲物を追いかける習性を満足させる遊びが大好きです。
そのため、犬にとっては投げられたボールを追いかけるのが楽しい遊びになるわけです。
しかし犬種によっては走る獲物を追いかけるより穴に潜った獲物を吠えて追い立てることが得意なタイプの子もいます。
もちろんこういった犬種も穴から出た獲物を追いかける仕事があったわけなので全くの不得手というわけではないのですが、それより穴を掘ったりおもちゃをかじっていることのほうが楽しいと感じているのでしょう。
なので、ボールに対してそれほどの執着がなく、投げてもらっても追いかけようとしないのです。
2.ボールの色が見えにくい
犬の司会は人間より色の区別がつきにくいことはご存知ですね。黄色や青は比較的判別が容易ですが、赤系の光を受容する視細胞がないため緑や赤がグレーになって見えるようです。
そのため公園などの芝や草の上で赤い色のボールを投げると、地面と同化してしまいボールがどこにあるかわからなくなってしまいます。
何度か別の色でボール遊びをしたことがありご主人と遊ぶことが好きな犬の場合はボールが見えなくても鼻でにおいを探しますが、最初から赤系のボールを使ってしまうと「投げてもらったはずのボールが見えない」=楽しくないと学習してしまう可能性があります。
3.嫌な思い出がある
犬は学習能力が高い動物です。褒めてもらったことやご主人が喜ぶことをよく覚えてそれをまた実践しますが、反対に「イヤだったこと」も強く覚えています。
ボール遊びが嫌いな子の場合、ボール遊びや飼い主さんとの遊びの中で何かイヤなこと、怖いことがあってそれを覚えているのかも知れません。
例えば人が投げた何か硬いものが当たって痛い思いをしたことがあるから「ものを投げられることが嫌い」だったり、ものを口でくわえたら怒られたということだったり、ボールを拾って帰ってきたらすぐさまご主人に取り上げられて遊び自体が面白くないと思っていたり、などです。
対処法
遊びは楽しいもの、飼い主が喜ぶこと、ということが犬に伝わると、犬はより楽しいことや飼い主に喜んでもらうことを繰りかえすようになります。犬と一緒にボール遊びをしようと思ったらまずはこれが楽しいことだということを教えてあげなければいけません。
方法はいたって簡単です。
飼い主さん自身も楽しむことでしょう。
犬種の性格によるものの場合は無理にボールへの執着を要求するべきではありませんが、そうでない場合は部屋の中やドッグランでもリードの届く範囲で、なるべく犬にとって見やすい・判別しやすい色のボールでゆっくり慣れさせてあげてください。
最初は近いところでボールを転がし、ちょっとでも動くボールに興味をもったら褒めてあげます。次にボールを追いかけようとしたら褒めます。さらに追いかけていったらもっと褒めてあげましょう。とにかく褒めて、飼い主さんが喜んであげることが一番です。
そうしていくうちに犬は「ボールを追いかけるとご主人が喜ぶ!」「楽しい!」と学習していきます。咥えて戻ってきたらすぐさまボールを取り上げないで、しっかり褒めてあげることを忘れないでください。そして持ってきたらまた投げてもらえるということを覚えると、きっと犬たちはもっとボール遊びを楽しむようになるでしょう。
ここで一つ気を付けなければいけないのが、ものを投げる仕草におびえる場合です。投げらたものに当たって痛い思いをした子の場合、ものを投げるポーズでおびえてしまうことがります。こういうこの場合はボールを投げずゆっくり転がすところから徐々に慣れさせてあげてくださいね。
まとめ
いかがでしょう。ボール投げを喜ばない子の場合、まずそれが楽しいものだということを知らない場合もあります。犬たちがボールというおもちゃに興味をもてるよう、飼い主さん自身が「遊んでやっている」風でなく、一緒に楽しもうという気持ちでゆっくり慣らしてあげてくださいね。