犬がハウスが嫌いになる理由
子犬の時の習慣
子犬は生後二か月頃まで母犬と一緒に生活し、兄弟犬と共に社会性を身につけます。その間も兄弟たちと眠るのは決まってハウスの隅っこや狭い箱の中です。先天的に犬は狭いところで安心する動物なので、子犬のうちの「ハウスのしつけ」はそれほど難しくはありません。
ただ子犬を家に新しく迎えたとき、とある事情でハウスに入らなくなることがあります。
子犬をもらってくるとき、ブリーダーさんや店員さんから何日かはハウスでそっとしておくように言われます。しかし子犬は新しい家に連れてこられると、それまでと環境が変わるせいか夜通しハウスの中でキャンキャンと泣き続けることがあるのです。この時に「寂しくて泣いている」と思ってハウスから出してはいけません。子犬にとっては「鳴く」→「人が来て出してくれる」と結びつけてしまうのです。
同様に子犬に鳴かれるとおやつをあげたり、抱っこをしたりして言うことをきいていると、子犬はどんどん要求吠えする癖がついてしまいます。
ハウスにイヤな思い出ができた
もともとハウスが嫌いではなかった子も、ハウスに入っているときに何かイヤな出来事が起こると「ハウス」→「イヤなことが起こるところ」「怖いところ」と結びつけてしまうことがあります。
そのイヤなことは犬の性格によりけりなのですが、例を挙げると次のようなものがあるでしょう。
- 近くで大きな音がした(何かが落ちたり、ぶつかったりした)
- 痛い思いをした(落ちてきたものに当たった、ハウスのドアに挟まった)
- 留守番させられた(ハウスに入ると誰もいなくなった)
- 狭くて不自由だった(汚かった、体を横にできなかった)
- 病院へ連れていかれた
犬の性格によってはほんの些細な出来事で「ハウス→イヤなことがおこる→嫌い!」になってしまうといえます。
ハウス嫌いの解決法
既にハウスが嫌いになってしまっている場合の解決法は、ズバリ「ハウスは楽しいことろ」作戦しかありません。そのためには犬の様子をよく見て、人の都合でハウスに押し込めたり、無理強いしたりしないことが大切です。
では具体的にどのようなトレーニングをしていけばよいのでしょうか。
ハウスに入るといいことが起こることを理解してもらえばいいのです。一番わかりやすいのがおやつによる誘導でしょうか。
おやつを手に持ちハウスへ誘導し、最初は鼻先や前足がちょっとでも中に入ったらおやつをあげます。徐々に慣れてきたようでしたらおやつをハウスの奥のほうへ入れ、犬を誘導します。
体を入れてくれて中で方向転換をしてくれたらまたおやつをあげます。
まずは「ハウスに入ってもイヤなことは起こらないし、おやつがもらえて嬉しい」イメージを持ってもらうのです。
徐々に入ることに対して嫌がらなくなったら、次はハウスへ行くときに「ハウス」のコマンドを教えてあげましょう。おやつをもちながら「ハウス」のコマンド共にハウスを指さし中へ誘導します。入ってくれたらおやつをあげてください。
これを繰り返していき、ハウスの中にいる時間を少しずつ伸ばしていきます。
ここで絶対守らなくてはいけないのは、犬が飽きても繰り返そうとすることです。飽きているのに「ハウス」を繰り返されることでまたハウスにイヤなイメージを持ってしまうので、トレーニングは一回につき数秒で終わらせるくらいで良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
もともとはハウスに入ることを嫌がっていない犬も、ほんの些細な出来事でそこを「イヤな場所」と思い込んでしまいます。一度そう思い込んでしまうとそれを改善するのはなかなか大変です。子犬から飼う場合、ハウスの場所はあらかじめ人通りが少なく静かなところを選んであげてくださいね。
また既に嫌いになってしまった場合は、またハウスは安心して過ごせる場所であると根気強く教えてあげてください。