病気の大小に関わらず
大きな病気、小さな病気色々ありますが
まず、気づいて病院に連れていってあげることが出来るのは飼い主さんだけです。
毎日の様子を少し注意して見ているだけで気づける変化はたくさんあります。
また変化に気づいていても、病院に連れていくべきか分からず放っておいてしまう飼い主さんもいます。
飼い主さんが病気のサインを見逃さないためにもわんちゃんの日常でのチェックポイントをまとめてみました。
これを見て『もしかしたら…』と思ったのなら、迷わず病院を受診してみましょう。
1.目やに、涙が多くなった。
目の状態が良ければ基本的に涙や目やにはあまり出ません。
いままでに比べて量が増えたり目がショボショボしていることが多くなった場合には
結膜炎などの病気になっている可能性があります。
結膜炎が酷くなると自分で目をこすってしまい眼球に傷がつくことも。
傷がついていると他の目の病気を併発することもあり、最悪の場合失明の原因になることもあり得ます。
なので目やにや涙が増えてしばらくしても症状が治らない場合は早めに受診することをおすすめします。
初期の結膜炎は目薬を点眼するだけで治ることも多いので、わんちゃんの負担を減らすためにも悪くなりすぎる前に病院に連れていってあげてください。
結膜炎などの目の疾患は意外と放置しがちな飼い主さんが多いと思います。
悪化して良いことは何もないので早めの治療が大切です。
2.足をよくなめる、体をなめる。
足をよくなめたり体の一部分をいつもなめていることはありませんか?
犬がなめる場合は大きく分けて3つの理由があります。
癖、毛づくろい
まずは癖や毛繕い。
癖や毛繕いでなめている場合はあまり病気を疑う必要はないと思います。
皮膚炎
次に皮膚炎です。
犬は足先にも毛が生えているので足をよくチェックする必要があります。
足の指を広げて指の間に赤みがないか、足の裏の肉球の間に赤みがないか調べてみてください。
赤い場合は皮膚炎の可能性が高いので病院を受診してみるといいと思います。
体に関しても同じです。
なめている部分の毛を掻き分けて赤くないか、血が滲んでいたり湿疹がないか確認してください。
また、自分で見ることが出来ない場合はトリミングに出した時などにトリマーさんに皮膚の状態を聞いてみてください。
そこで病院に行くことを勧められたら迷わず病院にかかることが大切です。
痛みがある
そして痛みが出ている場合もなめることがあります。
特に老犬になると関節疾患が増えます。
また皮膚炎がひどいと痒みとともに痛みが出る場合もあります。
皮膚炎がない場合は関節の痛みの可能性もありますので注意が必要です。
そして皮膚炎と関節疾患の両方が併発していることもありますので、気になるようでしたらやはり病院を受診してみることをおすすめします。
関節疾患は見た目では分からないことも多々あります。
見た目で見つけることが難しいこともありますが、このようになめることもサインになるということを予備知識として覚えておくと良いですね。
3.トイレの回数、飲水量の変化。
トイレの回数
膀胱炎になるとトイレの回数が増えたりすることがあります。
普段一日にどれくらいしているかを知っていると変化に気づきやすいです。
少ない量を何度も行くようになると膀胱炎の可能性が出てきます。
残尿感があるとなかなかトイレから戻って来ない、またはもう出ていないのにいつまでもおしっこの体勢のままいることもあります。
血尿が出ることもありますし、尿結石症に伴う膀胱炎の場合もあります。
また血尿は目でみて確認が出来なくても尿検査でわかる場合があります。
なので膀胱炎かな?と思ったらまずは病院に電話をしておしっこの取り方を聞いてから病院にかかることをおすすめします。(病院によっては採尿キットに取ってきて欲しいと言う病院もあります)
早めに気づき治療すればそのぶん治りも早いです。
また、多頭飼いの場合、どれが誰なのかわからないこともあるかもしれませんが、よく見ているとトイレに行く時間が違ったり、同じトイレでもする位置が違ったりと個々に小さな違いがあることで見分けがつく場合がありますので、注目して見てみると良いかもしれないですね。
飲水量の変化
飲水量の変化に気がつくことも大切です。
肝臓や腎臓、ホルモンの病気により飲水量が増えるケースがあります。
普段から水の減りかたをチェックしておくことで病気に早めに気づける可能性があることを覚えておいて下さい。
特に腎不全は治らない病気ですし、早く気づけばその分進行をゆっくりにすることも可能ですので早期発見が大変重要となってきます。
内科疾患には他にもさまざまなものがありますのでたかが飲水量の増加とは思わず、心配になったら病院に行ってみるのが一番良いと思います。
4.何もしていないのに痩せていく。
この症状は要注意です。
ごはんを減らしていないのに痩せる、ということがあればすぐに病院にいってあげてください。
案外『年だから痩せたと思った。』という方が多いです。
逆に物凄く痩せたのに気づかなかったという飼い主さんもいます。
痩せたことに気づかない飼い主さんには『一体ふだんこの子の何を見ているんだ…』と思ってしまいます。
痩せることには大体理由があります。
内科疾患で痩せることや関節疾患により筋肉が落ちて痩せることもあります。
普段から体を触りながらコミュニケーションをとることで、痩せたことにも気づきやすくなるので、毎日たくさん触れあってください。
また定期的にトリミングに連れて行くと、トリマーさんが体の変化に気づいてくれることも多いです。
何もないのに痩せる。ということは病気のサインとなることが非常に多いので、「年だから?」などと楽観視しないことが大切だと思います。
5.寝る時間が増えた。
一般的に老犬になると寝る時間がとても増えます。
しかし、普段反応することに急に反応しなくなった場合には体調が悪い可能性があることを知っていて欲しいです。
もしかしたら体がだるかったり疲れやすかったりすることで反応が鈍くなっていることもあります。
年のせいで単純に寝ている場合は良いのですが、体調が悪いことで寝ている場合は治療をしなければなりません。
年のせいかどうかは診察や検査をしないと判断出来ません。
もし気になることがあれば健康診断としてでもいいので一度病院に行くことをおすすめします。
よく見ておいて損はない。
よく見ていなくて病気が悪くなるまで気づかないことよりも
よく見ていて病気に気づくほうがわんちゃんにとって何倍も幸せなんじゃないかと私は思います。
『うちの子は病院が嫌いだから…』とか『大したことじゃないのに連れていったら病院も迷惑なんじゃないか…』などと考えることもあるかもしれませんが、それでは病院から足が遠退く一方です。
病院嫌いな子でも異変があれば連れて行ってあげないと、のちのち治療が長引くことに繋がってしまうかもしれません。
大したことじゃないかどうかは診察してみないと分からないです。
動物病院は動物を治療するために存在しているのですから遠慮せずに来てください。
行くべきか悩んでしまったら電話をしてみてください。
大切な家族のために飼い主さんが出来ることをやっていくことでわんちゃんともっと素敵な関係を築いていけると思います。
小さな変化を見逃さない、そんな飼い主さんが増えてくれることを願っています。