犬が手足を伸ばすときの心理とは?
愛犬が手足を伸ばすポーズをするのをよく見かけませんか?寝起きや遊ぶ前など日常的によく見られるポーズなので、あまり気に留めていない飼い主さんも少なくないでしょう。
しかし、実は手足を伸ばすポーズにも愛犬の心理が隠されています。場合によっては、愛犬からのSOSかもしれません。それを見逃さないようにするためにも、愛犬が手足を伸ばすときの心理を理解しておくことは大切です。また、気を付けたいポイントもあります。
それでは、犬が手を伸ばすときの心理と気を付けたいポイントについて一緒に見ていきましょう。
犬が手足を伸ばすときの3つの心理
①相手を遊びに誘っている
犬が前足を伸ばして上体は低くした状態で、おしりを高く上げるポーズをとることがあります。まるでおじぎをしているようなこのポーズは「プレイバウ」と呼ばれ、相手を遊びに誘うときにこのポーズをとります。
このポーズをとっているときは、尻尾は高い位置で左右に大きく振られていることが多く、興奮を抑えるためのくしゃみをしたり、「一緒に遊ぼう!」と呼びかけるために吠えたりすることもあります。
②お腹が痛い
犬は人やほかの犬を遊びに誘うときにプレイバウのポーズをとりますが、遊びに誘う人や犬が周りにいないのに前足を伸ばして胸を床につけ、おしりを高く上げたまま動かない場合は、お腹が痛いのかもしれません。腹痛のときに見せるこのポーズは、「祈りのポーズ」と呼ばれています。
プレイバウと祈りのポーズは一見よく似ていますが、愛犬の様子を観察すればどちらなのか見極められるでしょう。祈りのポーズである場合は小刻みに震えていたり、身体に触られるのを嫌がったり、つらそうな表情を浮かべています。また、尻尾は下がり、股に挟んでいることが多いです。
③筋肉をほぐしている
寝起きや長い間同じ体勢でいたときに、愛犬が上体を低くして前足を伸ばしてから体を数回振るのをよく見かけると思います。これは筋肉の緊張をほぐすための動作です。後ろ足をピーンと伸ばすこともあります。
私たち人間が朝目覚めたときや、長時間座っていたときに両手を上げて伸びをするのと同じですね。
気を付けたい3つのポイント
①プレイバウに応じるときは指示を出してから遊ぶ
愛犬がおもちゃをくわえてこちらへやって来て、プレイバウのポーズをとって遊びに誘ってくるときは、ぜひ誘いに乗って遊んであげたいものです。しかし、愛犬の誘いにすぐに応じてしまうと、愛犬はいつでもすぐに自分の要求を通してもらえると思うようになる可能性があります。
飼い主さんが主導権を握り、愛犬との良好な関係を築くために、愛犬がプレイバウのポーズをとったときは、まず「オスワリ」や「フセ」など何か指示を出して従わせてから遊び始めるようにするといいでしょう。
②祈りのポーズをとったときは動物病院へ
基本的に犬は痛みに強く、我慢強い動物だと言われています。そんな犬が祈りのポーズをとるときは、膵炎や胃捻転を起こしているなど大変深刻な状況にあると考えられます。一刻を争う場合もあるので、愛犬が祈りのポーズをとってつらそうにしているときは様子を見たりせずに、すぐに動物病院へ連れて行くことをおすすめします。
③頻繁に後ろ足を伸ばす場合は膝蓋骨脱臼のサインであることも
犬は寝起きなどに、筋肉の緊張をほぐすために後ろ足を伸ばすことがありますが、後ろ足を伸ばす動作が頻繁に見られる場合は、膝蓋骨(膝の皿)がずれる膝蓋骨脱臼を発症しているかもしれません。
膝蓋骨脱臼は小型犬に多く見られる病気で、先天的な要因も影響しています。膝蓋骨脱臼を発症すると、突然後ろ足を上げたり、一瞬スキップしたり、後ろ足をかばうような歩き方をしたりしますが、後ろ足を伸ばしてずれた膝蓋骨を自分で元に戻すことも少なくありません。
重度になると外科手術が必要になる場合もあるため、後ろ足を伸ばす動作が頻繁に見られたり、歩き方に異変を感じたりしたら、早めに動物病院で受診しましょう。
まとめ
犬が手足を伸ばすポーズをするときの心理はひとつではありません。一見似たようなポーズに見えても、心理によって表情や尻尾の動きなどに違いがあります。愛犬をよく観察して、しっかり心理を読み取ってあげたいですね。また、痛みや病気のサインであることもあるので、見逃さないように気を付けましょう。
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40代 女性 たろう