犬がピーピー鳴くときの心理とは?
犬が発する「ピーピー」は、実は鼻を鳴らしている音なんです。他にも、喉を使って鳴く「クンクン」、「クゥーン」、「キュンキュン」なども、同じ心理をあらわしています。
犬は言葉が話せない分、鳴き声によって飼い主に話しかけているんです。鳴き声だけでなく、表情や姿勢、しっぽなど全体を見て、犬の心理を理解していきましょう。
1.おねだり・甘え
甲高く、鼻にかかったように「ピーピー」と鳴く場合、おねだりや甘えをあらわしています。
このような鳴き声とともに飼い主の顔を見つめたり舐めたり、しっぽを振っていたり、前足で地面をかいたり、体をすり寄せたりする行動などをとっていると、下記のような欲求が含まれています。
- 構ってほしい
- 触ってほしい
- 散歩に行きたい
- お腹が空いた
- おやつがほしい
- トイレに行きたい
ご飯やトイレ、空腹などの重要な欲求は、すぐに聞いてあげましょう。
しかしこの甘え鳴き、接するときは十分に気を付けなければなりません。
例えばおやつを欲しそうに甘え鳴きをしている場合、すぐに与えてしまうと、「鳴くとおやつがもらえる!」と犬は認識してしまい、頻繁に甘え鳴きをするようになってしまいます。
このようなときは、徹底的に無視しましょう。「過度に甘え鳴きしても意味がない」と認識させます。可哀そうかもしれませんが、これもしつけの一つです。「甘え鳴きをする=なんでも欲求が通る」と犬が認識してしまうと、主導権が犬に移り、ワガママな犬になりかねません。
ご飯やトイレ、空腹などの重要な欲求ときちんと区別することが大切です。
2.緊張・不安・恐怖
か細く高い声で、寂しそうに「ピーピー」と鳴く場合、緊張や不安、恐怖をあらわしています。目をそらし、耳をふせ、体をこわばらせて震え、しっぽは足の間に巻き込みます。慣れない場所や苦手な場所、人、もの、音などに直面したときにあらわれます。
また、飼い主が出かけようとするときなど、「寂しい、置いていかないで」と鳴くことがあります。これは「分離不安」と呼ばれるもので、飼い主に構ってもらおうと部屋のものを破壊したり、自分の体を傷つける自傷行為をすることがあります。
- 怖い
- 寂しい
- 行きたくない
- 会いたくない
犬が不安に感じている原因を取り除くか、徐々に慣れさせることで、症状を抑えることができます。無理に訓練するとさらに苦手になってしまったり、ストレスがかかってしまい逆効果なので、少しずつ時間をかけて訓練していきましょう。
3.体の不調・痛み(ケガや病気など)
弱々しく、か細く「ピーピー」と鳴く場合、体に不調や痛みを感じていることをあらわしています。また部屋が暑すぎる、寒すぎるなどの居心地が悪いときにも鳴くことがあります。
また体に痛みがある場合は、痛みがある場所をかばって歩いたり、背中を丸めたりし、体を触ろうとすると嫌がるような仕草もみられ、表情は硬く、うつむきがちになります。
元気がなく、ご飯も食べない様子などもみられたら、ケガや病気を疑いましょう。
- 暑い
- 寒い
- 痛い
熱中症や風邪になってしまわないよう、部屋の温度には十分に気を配りましょう。
また体に痛みがある場合、犬は「どうしてこうなってしまったのか」とパニック状態になる可能性があります。むやみに近づいたり、触ろうとすると噛まれる恐れがあるので、飼い主は冷静に対処しなければなりません。
まずは犬を落ち着かせることが大切です。いつもより低く優しいトーンで名前を呼び、犬を安心させましょう。「どこを」「どのくらい」「なぜ」ケガをしたのか観察し、獣医師に報告しましょう。
まとめ
同じ鳴き方でも、心理が全く違うことに驚きですよね。飼い主はその違いを見分けなければなりません。そのためには、日々のコミュニケーションがとても重要で、犬の少しの変化に気付いてあげることが、飼い主の役割なのです。