犬が前足で「ちょいちょい」とタッチしてくる心理
飼い主さんがテレビを観たりスマホを眺めていると、どこからかトコトコと近付いてきて、飼い主さんの腕の辺りを前足で「ちょいちょい」とタッチしてくる…という経験を持つ人は少なくないでしょう。
「ねえねえ」と言っているようにも見えるこの仕草ですが、いったいどのような意味があるのでしょうか。
気を引こうとしている
まずは、何かに夢中になっている飼い主の視線を自分の方に向けてもらうため、気を引こうとしているという理由が考えられます。
やはり飼い主さんが大好きな犬としては、いつでも飼い主さんに見ていて欲しいという欲求があります。そのため、「ねえねえ、僕のこと忘れてない?」「テレビばかり観てないで僕の方を見てよ」と前足でちょいちょいと飼い主さんにタッチしてくるのです。
私たち飼い主もこの前足タッチをされてしまうと、つい「何?」と目線をそちらに向けてしまいますよね。完全に愛犬の策略にはまっているのです!
甘えたい
飼い主さんに思いっきり甘えたいときも、前足で「ちょいちょい」と合図を送ってくることがあります。
「なんだか今日は飼い主さんとスキンシップをあまり取れていないな」と感じるときや、何かしらいつもと違う雰囲気を察したときなどに、甘えたいという心理が働くことがあります。
基本的に甘えるときには撫でてあげたり、声をかけてあげることでその欲求を満たしてあげる事が可能です。しっかり信頼関係を築けているのであれば、アイコンタクトを取ることで満足度が上がる子もいます。
かまって欲しい
「甘えたい」という心理と似ていますが、今まで1人遊びを楽しそうにしていた愛犬が1人遊びを止め、飼い主に対して前足をちょいちょいとしてくる…という場合には、1人遊びに飽きてしまったというアピールをしています。
他にも、その日あまり飼い主さんに構ってもらえていない場合には「かまって欲しい」アピールをしてきたり、あるいは以前にこのアピールをすることで飼い主さんが構ってくれたことを覚えていたのかもしれません。「こうすれば構ってくれる」と学習しているケースも数多くあります。
何か不安なことがある
愛犬のちょいちょいと前足で軽くタッチをしてくる場合、構って欲しいという心理や甘えたいという心理だけではありません。
何か愛犬が不安や違和感を感じており、「何だか怖い」「不安だよ」という気持ちを訴えるためにこの行動に出ることがあります。
例えば家の中や周囲で変化はありませんでしたか?工事が始まったり、新しく他の犬がやって来たり、家族が増える、引っ越ししたなど、人間にとっては大きなストレスとならないことも犬にとっては大きな不安の要因となっていることがあります。
心当たりのある方はなぜそれに対して不安になっているのかを考え、愛犬が落ち着けるように撫でてあげたり、声をかけてあげると良いでしょう。
散歩やごはんの催促
愛犬が前足でちょいちょいとタッチしてくるとき、時間帯はいつごろでしたか?
例えばいつも散歩に行く時間帯であったり、あるいはごはんの時間帯である場合、「今日は散歩行かないの?」「ごはんはまだ?」と催促している可能性が考えられます。
犬の体内時計は人間よりも正確です。基本的に毎日同じサイクルで生活している犬ならば尚更です。
ごはんが欲しいときには、前足でタッチしてくるアピール方法だけでなく、ごはん皿をくわえて持ってきたり、ごはん皿を叩くなどのアピール方法も見られます。
「それ欲しい!」というおねだり
飼い主さんが何かを食べているとき、あるいは愛犬が気になるキラキラした物など何かを持っているときに前足でちょいちょいとタッチし、「それ、僕にもちょうだい」とおねだりしてくることがあります。
何か食べている場合には、良い匂いが漂っているため、その匂いにつられて食べたくなってしまっているという理由が1つ。そして「飼い主さんが食べている物を僕も食べたい!」という共有意識が関係していることもあります。
また、犬のおもちゃくらいのサイズ感の物を持っている場合、愛犬がその物に興味を示して「それ何?」という心理で近寄ってくることも多いです。新しいクッションを購入したときなどはとられないよう気を付けましょう。
犬に前足で ちょいちょい されたらどうすればいい?
犬に前足で「ちょいちょい」された場合どうすればいいのか悩んでいませんか?
前足で「ちょいちょい」とするのは何かの要求をしている時です。そのため応えられる要求であれば応えてあげると良いでしょう。
ただし、食べ物やおやつの要求には注意が必要です。あまり与えてしまうと、肥満の原因になってしまいます。犬の健康を考えながら上手にコミュニケーションを取ってあげましょう。
犬が前足で ちょいちょい してくる際の注意点
- 大型犬はケガに注意
- 無駄吠えなどが出てくる場合は注意
- 時には無視することも大切
犬が何かを伝えるために一生懸命「ちょいちょい」する姿はかわいいですが、大型犬の場合は注意が必要です。
大型犬は体も大きく力も強いため、子供やお年寄りは怪我をしてしまう恐れがあります。完全にやめさせなければならない!ということではありませんが、普段からきちんとしつけをし、興奮して押し倒したりしないようにしましょう。
また、前足で「ちょいちょい」とするだけならよいですが、要求が激しくなり吠えるなどの問題行動を起こす場合は注意が必要です。あまりにも要求が多い場合や、吠える、噛むなど、行動が激しくなる場合は飼い主よりも上の立場だと思っている可能性もあります。場合によっては要求を無視することも覚えましょう。
なお、要求吠えにお困りの方は下記の参考記事をご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。基本的に前足でタッチしてくるときは「構って欲しい」や「おねだり」が大半です。しかし、その他にも不安に感じているときに前足で合図してくることもありますので、愛犬の様子と周囲の様子を観察しつつ見極めましょう。