犬の発情周期について
犬が、交尾に対して心身ともに整っている状態のこと、交尾に対して積極的になる時期のこと、それらのサイクルのことを発情周期と言います。
基本的には、生後7ヶ月から8ヶ月を過ぎたメス犬に発情周期がありますが、発情は年に2回(半年に1回)起こることが平均です。
発情周期はメス犬にだけあります
「うちのオス犬が発情して…」という話を聞くことがあるのですが、オス犬には明確な発情周期がなく、基本的には生後11ヶ月を過ぎたオス犬は1年中ずっと交尾が可能な状態になります。明確な発情周期があるのはメス犬だけです。
屋外で飼われているメス犬の場合
屋外で飼われているメス犬は日照時間の影響によって、「晩冬から早春」と「晩夏から初秋」の2回に発情が起きるとされています。
避妊手術をしている場合はオス犬が寄ってくる可能性は低いですが、避妊手術を行っていない場合は高い確率で発情によってオス犬が寄って来てしまう可能性があるため、屋外で飼われているメス犬は十分に注意しましょう。
サイクルについて
- 発情期は約90日
- 休止期は約90日
90日間発情し、90日間休止する、このサイクルで周っています。
メス犬の発情期に気づくためには?
発情前期はホルモン濃度が上がり始める時期で、尿の頻度が多くなったり、性器の周辺をよく舐めるようになります。
出血がみられるようになりますが、出血量が少ない場合や自分で舐めとってしまう場合、飼い主さんが気づけないこともあります。出血以外には、外陰部が肥大しますので、そのことでも気づくことができます。
特殊なニオイを発します
発情中のメス犬の性器からは特殊なニオイが発せられており、そのニオイを嗅ぐことによってオス犬もメス犬が発情中であることを理解します。興奮して暴れてしまうオス犬もいますので、発情中のメス犬のお散歩や外出は控えた方が良いでしょう。
特殊なニオイは人間にも感じられ、性器から普段とは違ったニオイ(生臭いようなニオイ)がします。
犬の交配に最適な時期について
メス犬の出産に適した年齢は2歳から5歳とされています。1歳程度の場合、6歳を過ぎてしまうと母体への負担が大きすぎることなどが理由です。
交配させる前に検査すること
- 寄生虫
- 遺伝病
- ブルセラ症
- 生殖器系の病気
など、交配させる前に必ず健康診断を受け、病気の有無を調べましょう。
犬の交配パターンについて
犬の交配は、オス犬とメス犬の血縁関係や犬種によっていろいろなパターンや呼び方があります。代表的なものをいくつかご紹介しましょう。
インブリーディング
近親繁殖のことを言います。5代間に血縁関係のある交配を行います。
アウトブリーディング
異系繁殖のことを言います。5代間に血縁関係のない交配を行います。
インターブリーディング
変種間繁殖のことを言います。同一品種内における変種同士の交配を行います。
(例1)スムースダックスフントとロングヘアーダックスフントの交配
(例2)ワイアヘアードフォックステリアとスムースフォックステリアの交配
など
アウトクロッシング
異種繁殖のことを言います。異なる二種類の犬種を掛け合わせます。
(例1)チワワとポメラニアンを掛け合わせてチワラニアン
(例2)チワワとトイプードルを掛け合わせてチワプー
など
まとめ
オス犬とメス犬の多頭飼いをしている場合、交配が可能なオス犬とメス犬が身近にいる場合などは無料で可能ですが、有料で交配が可能な種オスと交配させることも可能です。
種オスとの交配料金には相場がありませんが、チャンピオン犬との交配は料金が高めです。または、生まれた子犬の一匹を種オスの飼い主さんに対して交配料として支払う「子返し」というスタイルもあります。
また、交配の結果生まれた子犬については譲渡は可能ですが、売買は動物取扱業の登録をしないとできません。生まれた子犬を自分で育てるか、または、責任をもって育ててくださる方を探してから交配を行うようにしてください。
※交配や繁殖に関してご紹介しましたが、繁殖を推奨するものではありません。