犬の妊娠期間中はいつシャンプーすればいい?
交配前
厳密にいえば、まだ妊娠していないので、妊娠期間中とは言えませんが、シャンプーをする、しない、という意味合いで言うなら、交配前のシャンプーには、交配相手へのマナーと言う大切な意味があります。
あまりにも不潔で、ノミ、ダニを体に付けたままだと、交配相手の体にもノミやダニが移ってしまう可能性があります。
けれど、前日や交配直前のシャンプーだと、発情しているメスのニオイが薄れてしまったり、オス犬が嗅ぎ取れなかったりする場合もあります。
交尾の成功は、オス犬のテンションが大きく影響しますし、そのテンションを上げるのは、発情しているメス犬からでるニオイです。ですから、直前のシャンプーではなく、遅くても交配3日前にはシャンプーを済ませておきましょう。
交配後
犬の妊娠期間は58~63日程度です。
流産する危険性がほぼなくなるのは、交尾してから3週間ぐらいかかるので、この間は、体が冷えたり、足が滑って強い衝撃が体にかかったりするのを避けるために、シャンプーは止めておきましょう。
妊娠期間中
安定期に入ると、トリミングに出すことや、シャンプーをしても差し支えありません。
けれど、やはりトリミングサロンでもご家庭でカットされる場合も、犬が立ちっぱなしになってしまうので、あまり頻繁にシャンプーをしたり、カットをしたりと言ったことは避けましょう。もし、どうしても汚れがひどく、シャンプーをしなければならない状態であれば、お腹を圧迫しないように、体が冷えないように手早く乾かせるように注意してシャンプーを行ってください。
出産前10日(交配後、50日前後)くらいで、出産前、最後のシャンプーを行います。
この際、やがて子犬がすいつくお乳回りをすっきりと刈っておきます。
また、自然出産であれば、外陰部やしっぽの周りがかなり出血で汚れることが予想されます。
その時に清潔に保てるよう、外陰部、しっぽ回りもすっきりと剃ってしまいましょう。
出産後
犬は安産…と言いますが、「出産後、○○日後からシャンプーが出来ます」とは断言できません。いくら安産とはいえ、犬にとっては大仕事で、その時の状態を見て、シャンプーが出来る状態かどうかを判断すべきだと思うからです。
母犬の食欲もあり、体力も十分に取り戻し、妊娠前と変わらない様子であれば、出産後3日目ぐらいからシャンプーをしても問題ないそうですが、やはり、体に大きな負担がかかるのは否定できません。
よほど汚れて悪臭を放っていない限りは、シャンプーではなく、お湯で湿らせた濡れタオルで全身を拭いてあげたほうが良いでしょう。
妊娠中にシャンプーする必要性は?
妊娠中であっても、適度な運動として散歩は必要です。
短毛種の犬なら、足先を濡れタオルで拭くだけで汚れがとれますが、長毛種の犬だと、よほど短く刈っていないかぎり、散歩の度に足がかなり汚れます。
汚れた足で体を掻いたりすれば、当然、体もだんだん汚れてきますので、妊娠中とは言え、あまりにも不潔にしておくと、ノミやダニは発生し、その痒みによって犬もストレスを感じてしまうでしょう。
清潔に保つためにも、妊娠中に1~2回はシャンプーし、体を清潔に保てるように心がけましょう。
出産直前にシャンプーする時の注意点
お腹を押さえないこと
安定しているとは言え、やはり、お腹の中の赤ちゃんを押さえつけることになるので、お腹を押さえつけないように注意します。
出産に備えて、体毛をカットしておく
シャンプーのついでに、母犬の毛をカットしておきましょう。
特に外陰部、しっぽ付近、乳房、腹部周辺は必ずカットします。
また、この時期と、出産後のシャンプーは、出来るだけ早く乾かす必要があるので、全身を短くカットしておくほうがいいでしょう。
体を冷やさないこと
シャンプー後は、なるべく早く体を乾かし、冷えないようにしてあげましょう。
高い所から飛び降りたりさせないこと
シャンプーとは直接関係ありませんが、シャンプー後、乾かしたり、カットしたりする際、トリミングテーブルに一旦、乗せることもあるかと思います。
その際、高い場所から飛び降りた知りないように、十分注意を払いましょう。
出産直前、あるいは、出産後ということを必ずサロンに伝えておく
出産後は、特に見た目だけでは出産後とはわかりません。ご自宅ではなく、サロンでシャンプーをする場合は、妊娠していること、あるいは、すでに出産が終わっていて、それからどのくらいの日数が立っているかなど、必ず担当のトリマーさんに伝えておきましょう。
まとめ
初めて、愛犬が出産するとあれば、普段、当たり前にしてあげていることが、本当に当たり前なのか、不安になりますよね。シャンプーも、普段はなんの気がかりもなくサロンに出したり、自分で洗ったりしていますが、妊娠中や出産後はやはり、普段以上に愛犬の体の状態をよく観察して、シャンプーをするかどうかを見極めましょう。どうしても不安なら、妊娠期間中、その都度、かかりつけの獣医さんに判断を仰いでください。