炭酸泉とは?
炭酸泉とは、炭酸ガスがお湯に溶け込んだものです。
人工的に機械を使って二酸化炭素をお湯に溶かして作る場合もあります。
いわゆる「炭酸泉」と呼ばれている温泉には、いくつかの種類があります。
- 「二酸化炭素」が溶けた「二酸化炭素泉」
- 「炭酸塩」や「重炭酸塩」が溶けた「炭酸水素塩泉」
など、溶け込んでいる成分によって分類されています。
いずれの炭酸泉もアルカリ性で、入浴すると皮膚の上で化学反応が起き、古い角質が溶けることで、「お肌がツルツル」になります。
そのため、多くの炭酸泉温泉が「美肌の湯」と言われています。
マイクロバブルとは?
ペットサロンなどで導入されているマイクロバブルは、細かい泡を人工的に発生させて電気分解や超音波などさまざまな手法で、水に溶け込ませて炭酸泉よりもずっと細かい泡を発生させます。
この時に発生する泡は、汚れを吸着する効果もあるので、炭酸泉よりもはるかに洗浄力が高く、またオゾンという物質が発生する大型のマイクロバブルを使用すると、非常に高い殺菌効果が生じるので、ニオイなどの除去にも高い効果を発揮します。
炭酸泉とマイクロバブルの違い
炭酸泉は、皮膚から炭酸がしみ込んで、血流を促進し、新陳代謝を活発にする効果があります。
それに対して、マイクロバブルの泡は、皮膚に浸透する前に電気の作用で汚れを吸着します。
ざっくりとした区別をするなら、「炭酸泉は、血流促進」「汚れを落とすならマイクロバブル」と言うことになります。
犬を炭酸泉に入れる効果
血行促進
炭酸泉に浸かると、毛穴などから二酸化炭素が吸収され、一時的に血液の中に酸素が足りない状態になります。そのため、体の中に酸素を取り込もうとする働きにより、血流が活発になります。
1.新陳代謝が上がる
血流が活発に流れること、それから、炭酸泉に浸かることによって、皮膚の老廃物が溶解し、取り除かれます。そうすると、皮膚の再生が進んで、皮膚の新陳代謝が高まります。
また、血流が促進されると、全身の細胞に栄養が行きわたり、活動が活発になって、皮膚だけでなく、全身の新陳代謝が上がります。
2.血圧が下がる
血流が促進され、体温が上がると毛細血管も開きます。
すると、血圧が下がります。血圧の高さが病気に大きく関係する心臓疾患をもつ犬には良い効果が期待できます。
一方で血液循環がよくなるため、心臓への負担が大きくなるので心疾患のある犬の場合は入浴方法に注意する必要があります。そのため心臓までつかるより足湯のような感じで、足を暖めるほうがよいでしょう。
特に、心疾患で内服薬を投与している犬の場合は要注意です。
3.毛並みがキレイになる
マイクロバブルには及ばないにしろ、炭酸泉にも洗浄効果があります。
新陳代謝が上がり、血流が促進されて、さらに皮膚の汚れ、毛の汚れが落ちるという効果によって、毛並みもキレイになります。
4.保温効果が高い
お腹を下しやすい犬は、体が冷えていることが考えられます。
そのため、炭酸泉に浸かってると、しっかりと体を温められて、その熱が体内に留まり、冷えからくる体調不良を防ぐ効果もあります。
炭酸泉を利用する時の注意点
心臓病の疾患がある犬には長湯は禁物
血流が促進され、血圧が下がるとはいえ、長く使っていると体が熱くなりすぎ、熱中症になることもあります。人間同様、長湯は禁物です。
ノミ、ダニなどによる皮膚疾患は悪化する可能性も
炭酸泉に浸かるだけでは、ノミやダニによる湿疹などは改善されません。
むしろ、体が温まったことにより、湿疹が悪化することも考えられます。
獣医さんに相談してから
シニア期に差し掛かっている犬や、病後、病中、あるいは皮膚に大きなトラブルを抱えている、心臓疾患がある…と言った場合は、必ずかかりつけの獣医さんに炭酸泉の利用について指示を仰ぎましょう。
まとめ
調べてみると、温泉大国日本と言われていますが、犬用の炭酸泉がある温泉はあまり多くはないようです。その代わりに、ペット用の炭酸入浴剤が販売されているので、お家のお風呂などで愛犬に炭酸泉を体験させてみるのもよいのではないでしょうか?