犬のシャンプーが必要なわけ
犬にシャンプーをするのは、人間同様に汚れを落とすため、体を清潔に保つためです。
毎日の散歩で、芝生を駆け回ったり、土の上を歩いたりすることもあるでしょう。
その時、人間の目には見えにくい小さな虫が犬の体についていることもあります。
また、他の犬と触れ合うこともありますね。
さらには道路沿いを歩けば排気ガスで犬の足が真っ黒になった、という経験がある方もいると思います。
散歩から帰ってきて犬の体を濡れたタオルなどで拭いてあげることも大切なケアとなりますが、それですと落としきれない汚れ、皮脂の汚れもあります。
これを放置しておくと体臭が強くなる、毛艶がなくなる、毛がべたつく、毛玉ができやすくなる、など犬にとっても不快な状態になります。
そこで、定期的にシャンプーをして汚れを落とし、清潔な状態を保てるようにすることが必要となります。
洗い過ぎは皮脂に必要な油まで落としてしまいますので、月1回程度を目安にすると良いでしょう。
シャンプーの仕方について
シャンプーは犬にとっても長時間じっとしていることに加え、体力的に負担のかかることでもあります。
子犬をシャンプーする場合には、免疫力がまだないので必ずワクチン接種後に行うようにします。
早くても生後三カ月を過ぎた頃からが望ましいといえます。
ではここからシャンプーの仕方についてご説明します。
シャンプーの準備
シャンプーを始める前に、用意しておきたいものとして犬用バスタブ(もしくはそれに準ずるもの)、製品の指定どおりに希釈したシャンプーとリンス(子犬のうちなどは時間を短縮できるリンスインシャンプーもおすすめ)、ゴムブラシ、ドライタオル、ドライヤーです。
また、犬は体が濡れると水を払うようにぶるぶると体を振ることがありますので、あらかじめ飼い主はエプロンをつけたり、濡れても良い服装になることをおすすめします。
水が苦手な犬もいますので、普段の散歩帰りの足洗いから慣らしておきたいものですね。
その他、リラックスのために近くで音楽を流しておくことも犬によっては効果的です。
それらの用意ができたら、まずは犬の体をブラッシングします。
ブラッシングをしておくことで表面の汚れを落とし、シャンプーの泡立ちも良くなります。
また、毛のほつれも出来る限りほぐしておくようにしましょう。
シャンプーの仕方
ブラッシングを終えたら、犬の体を濡らします。
この時、気をつけたいのがシャワーの温度です。
さわってみてぬるめのお湯、35度位で行うのが適切です。
シャワーの音に驚く犬もいますので、初めはそっと出すようにしてください。
また、シャワーを犬の体に沿うようにくっつけることでシャワーの音と勢いが軽減し、犬も驚くことが少なくなります。
濡らし方は、犬の足、お尻から首、あごの下から前足に向けてという順番です。
目や耳の内側に水が入ることがないよう、顔周りと耳の外側は濡れた手で触って濡らしていくようにします。
シャワーで直接濡らすことは避けてください。
犬の体が濡れたら、次はシャンプーです。
シャンプーを手に取り、犬の足から洗っていきます。
犬の足を優しく持ち、指の腹で円を描くようにしながら下から上に擦って泡立てていきます。
お尻まわりも同様です。
尻尾は、先端からお尻に向けて洗うとよく汚れが落ちます。
次に胴体です。
犬の体が濡れていると、毛の生え際が真ん中でちょうどわかれていると思います。
この分かれ目を基準に、両手で左右それぞれ丸く円を描くように、こちらも指の腹を使って優しく首元まで擦ります。
爪を立てないよう注意してください。
首元の後は、あごの下から前足です。
下から上に、これまでと同様擦っていきます。
胴の下側については、片手の手のひら全体で、後ろ足から前足にかけ優しくなでるようにします。
また、犬の脇は人差し指と中指を合わせるような形で優しく擦ってください。
最後に顔周りです。
頭の上は、2~3本の指で円を描きます。
耳は、耳の形に合わせて上下します。
口・鼻まわりは、手で毛を少しずつつまんでいくようなイメージでシャンプーの泡を付けていきます。
目に入っては危険ですので、ここはあまり無理をしないようにしてください。
一通り犬の体にシャンプーがついたら、洗い流します。
洗い流す順番は、犬の体を濡らす手順と同様です。
顔周り、耳は手に水をすくって上からそっと流すようにします。
頭の部分を流すときは、目に入らないよう片方の手で目の上を覆ってから流すと良いです。
耳も、毛の流れに沿って上から水をかけてください。
洗い残しがないようしっかりと流して下さい。
全体を流し終えたら、次はリンスです。
リンスの場合は泡立ちよりも、なでるように液を毛につけていくイメージで行ってください。
液のつけかたもシャンプーと同様、各部位に対して指の腹で優しく円を描くように広げていきます。
リンスまで洗い終わったら、たいていの犬は体をぶるぶるとゆすって水を払います。
犬自身が気持ちを整える行為でもありますので、無理に止めず水が払えるまでやらせるのも手です。
シャンプー後に気をつけること
洗い終わったら、タオルドライをします。
犬用の吸水性の高いタオルを使うと渇きも違いますのでお勧めです。
タオルで全体の水分を良く取ります。
顔周り、脇などドライヤーがあてにくいところは入念に拭いておきましょう。
あっという間にタオルが濡れてしまうので、2~3枚あるとお勧めです。
大まかに体が乾いたらドライヤーをします。
ドライヤーにもよりますが、温度に注意してください。
室温がある程度あれば、冷風でもかまいません。
温風で乾かす場合には犬の体からドライヤーを遠ざけ、常に熱過ぎることがないかチェックしてください。
タオルを使いながら乾かすと渇きも早くなります。
毛がだいぶ乾いてきたら、できれば風量を落とし、ゴムブラシで毛を整えながら乾かしていきます。
全体が完全に乾いたら一連のシャンプーの流れはこれで終わりです。
耳の中に水が入っていないか、濡れたままになっている個所がないかここでしっかりチェックしましょう。
耳の中に水が入っていた場合はコットンなどをあてやさしく水をとります。
傷がついてしまうので、綿棒やティッシュなどで中をゴシゴシこすることはやめてください。
完全に乾かし終えたら、犬は喉がかわいていることが多いのでたっぷりと水をあげましょう。
脱水症状にならないようにするためでもあります。
また、頑張ったご褒美におやつをあげてもいいでしょう。
そして、犬は疲れていますのでハウスに入れ充分に休ませます。
シャンプーが終わってすぐは興奮して走り回る犬も中にはいますが、落ち着かせることが大切です。
すぐの散歩や遊びはせず、寝かせて犬の体力を回復させることが最優先です。
このように、いくつかの点に注意すればご家庭でもシャンプーをすることができます。
犬も人もリラックスしてシャンプーができるといいですね。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 あお
部分的(口周り、顎、足、耳)に毛を長くしています、毛が少しカールしていることもあり散歩に行くたび泥や枯葉、木の実木の枝など様々なものを付けて帰ってきます
子犬の頃は月一でシャンプーをしていましたが、体も大きくなり拭くだけでは落としきれないため週一でシャンプーをしています。
いつも気持ちよさそうにしているので、好きなのだと思い入れてしまっています。
成犬とは言え、週一ではやはり入れすぎでしょうか?
また、今現在リンスインシャンプーを使用しているのですが、リンスとシャンプーは別になったものを使用したほうが毛艶ももっと良くなるのでしょうか?
ブラシはステンレスのスリッカーブラシを使っていますが、ゴムブラシのほうが肌には優しいのでしょうか?
教えてください。
40代 女性 匿名
我が家は大型犬のシニアなので、最近シャンプーする際に、踏ん張りがきかなくなってきました。そこで色々考えて、パズル型の滑り止めマットを購入して敷いてみました(写真有)。
これは、洗い場のサイズに調節出来るのと、シャンプー後に洗ってバラして収納できる所が便利です。そして、シニアでも若い子でも洗った後のドライヤーはとてもストレスになるかと思います。その時間を少しでも短縮する為にも、「犬用 超吸水タオル」というものがあるので、それでしっかりとタオルドライしてから乾かすと時間短縮になって良いと思います。
30代 女性 まる
乾かす時もあまり同じ場所にドライヤーを当てずに色んな場所を短い時間で当てて行うと、肌が乾燥せず良いそうです。
我が家は歳を重ねた愛犬の負担を考えてシャンプーとリンスが一緒になっているものを使用していますが、トリミングをしてもらう時はシャンプーとリンスが別々になっているし、人間でも別々の方が髪の仕上がりが良いので毛艶を考えれば別々の方が良さそうですね。
40代 女性 SUSU
愛犬はシャンプーというかお風呂が大好きです。特に冬は身体を温めたいようでお風呂の準備をしていると、尻尾フリフリご機嫌で待っています。
愛犬がお風呂を好きになった過程を考えてみると、飼い主が一緒に入るようになった頃からだと思います。パピーの頃はイケアにある人間の赤ちゃん用バスタブにお湯を溜めて愛犬を入れていましたが、飼い主自身が腰を痛めてしまってからは、浴槽に一緒に入ることにしました。かがんでお風呂に入れるよりも一緒に入ってしまった方が腰には楽だと考えたからです。
浴槽に一緒に入ってしまおうと決めたのは、飼い主が楽だからというあまり大きな声では言えない理由からでしたが、愛犬にとってはこの方法がとてもよかったようです。
浴槽に半分くらいお湯を溜めて抱っこをして一緒に入浴します。大切なことは、間違っても滑って落としそうになったり、からかう気持ちで顔をお湯に近づけたり泳がせてみようなどということは絶対にしないことだと思います。
怖いと思われたら二度と一緒に入ろうとはしてくれなくなるリスクが高くなってしまいます。
愛犬の場合ですが、入浴したらそのまま膝の上でふぅ~と言いながら時々目を細めて座っています。本当に小さいオジサンのようです(笑)バスピローに顔を乗せて寝ている時もあります。
そのまま5分くらい入浴をして、ワンコが立っても顔が十分に出る高さまでお湯を抜きます。そしてそのままシャンプーを付けて洗います。洗い場に出してから洗ったこともありますが、愛犬の場合、浴槽のまま流れで洗ってしまった方が気持ちよさそうにスムーズに進むようです。お湯が少し残っているのも良いのかもしれません。
そして、洗い流す際も初めは浴槽に残っているお湯を手で優しくかけ、最終的に洗い流す際にシャワーを使います。
シャワーが苦手なワンコには特に、飼い主さんの手でゆっくりと声をかけながらお湯をかける方が安心出来るのかもしれません。
シャンプーに関してはあまり苦労した記憶がないのですが、パピーの頃に心がけていたことは、まずここはお風呂に入る場所だということ、お風呂に入ることは怖いことではないこと、を理解してもらうように接していたということだと思います。飼い主が入っている際に興味を持って近づいた時にはドアを開けて見学させていたように記憶しています。「見ていなさい。」ではなく、「見たければどうぞ。」といったスタンスです。従って、浴室に入ってきても出られないようにドアを閉めてしまうこともせず、出入りは自由にしていました。
一緒に入る際は、今でも「気持ちいいね!一緒に入るの久しぶりだね。」など声をかけながら飼い主自身が楽しんで入ることを心がけています。
なお、ワンコにリンスは必要?という点についてですが、以前、勤めていたペットショップのオーナーは正直、不要だと思うと話されていました。良質なシャンプー剤で適度な間隔で洗えばリンスやトリートメントなどしなくても艶々の毛並みになるはずだということです。
それでも毛並みが気になる場合には、リンスで外側からコーティングするのではなく、良質な原材料を使ったフード、毛並みに潤いを与えるサーモンオイルなどのオイルを取り入れて内側からの改善を考えた方が良いそうです。
現在、愛犬は基本的にシャンプーだけです。トリミングサロンでもシャンプーだけでお願いしています。愛犬はお風呂は大好きですが、サロンに預けられてのシャンプーはあまり好きではありません。不要なストレスをかけるよりも出来るだけ早く終わるようシャンプーだけにしてもらっていますが、毛並みは問題ないと言われています。
シニア期に入り、これからどのように変化していくのか分かりませんが、出来るだけストレスをかけないような方法を見つけていこうと思っています。
女性 もふころ
お風呂後は、水が残らないように一番先に鼻まわり、耳の中を拭くようにしています。
30代 女性 しろわんこ
なんにも準備せず、お風呂入る??って聞くと反応無し……。(いや、なんもないやろ?何言ってんの?)
タオルやらブラシやら出して、さぁお風呂入る??って聞くと、いや、遠慮しときますぅって顔して、逃げる!
人間の動きよぉく観察しているおねぇちゃま。
犬ってホントに面白い